人は、安定した毎日を送っていても、ふと不安になることがあります。
「この生活、いつまで続けられるんだろう?」
「このままで、いいのかな?」
薬品系企業で穏やかな日々を過ごしていた女性、汐見さつきも、漠然とした将来への不安を抱えていました。
スキルも資格もないまま年を重ねていく不安に駆られ、彼女は思い切って“医学部の編入試験”に挑戦。しかし現実は甘くなく、一次試験合格者20名に対して、彼女の順位は52位。あまりにも遠い現実でした。
わたしはあまりにも圏外だった
医学部編入試験は、思っていたよりはるかに高い壁でした。
「もしかしたら、ワンチャンあるかも」
と期待していた自分が恥ずかしい。
部屋でひとり、思わず叫ぶ…
「(頭が/点数が)悪すぎる!!!!」
うぬぼれていたという事実に気づき、さつきは自分を顧みます。
そもそも、なんで医者になりたいんだっけ
そもそも自分は何を目指していたのか。
思いがけず突きつけられた「空っぽの動機」と、どうしようもなく悪い結果。
「医者になれば、一生安泰」
そんな言葉を、キラキラした未来として素直に受け止められるほど、若くはない。
でも、テレビから流れてきた「熟年離婚」という“現実”の言葉に、心がざわついてしまったのです。
▶▶「ああ…私が本当に欲しかったものは、これだ!」アラサー女性が目覚めた瞬間
心を揺り動かす思いが、思いがけない決意へとつながっていきます。
※本作は作者の実体験を基にしておりますが、プライバシー保護および物語性のため、一部フィクションが含まれています。