現在放送中のNHK連続テレビ小説『あんぱん』でヒロインを務めている今田美桜。作中では、行動力とスピード感にあふれ、人生の荒波をパワフルに乗り越えていくヒロイン・朝田のぶを生き生きと演じており、視聴者からも反響を呼んでいる。そこで本記事では、『あんぱん』で見せる今田の演技とその反響に触れ、朝ドラヒロインという大役で発揮されている彼女の魅力に迫りたい。
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『あんぱん』は、“アンパンマン”を生み出したやなせたかしと暢の夫婦をモデルに、何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでを描く、愛と勇気の物語。今田が演じるのぶは、高知で祖父母・両親の愛情をたっぷり受けて育った三姉妹の長女で、ちょっと気が弱くて自信のない柳井嵩(北村匠海)と出会って激動の時代を共に生き、どんな時も励まし、けん引し続けるヒロインという役どころだ。今田が公式インタビューでこの役柄について、「土佐弁で“ハチキン”と呼ばれる男勝りな女性で、正義感が強く、曲がったことが嫌い。でも、繊細で相手の気持ちに寄り添える、思いやりにあふれた人」と語っているように、のぶは自分を曲げない芯の強さと、相手を思いやる優しさを兼ね備えたキャラクターであることがうかがえる。
5月14日放送の第33話では、嵩が銀座で見つけた赤いハンドバッグをのぶに贈ろうとするも、のぶがそれを突き返すという場面が描かれた。女子師範学校で忠君愛国の精神を叩き込まれ、軍国少女となっていたのぶは礼を伝えながらも、「こんな贅沢なもん、もらうわけにいかん」と嵩からのプレゼントを返し、戦地の兵士のために献金すべきだと主張する。嵩が、「美しいものを美しいと思ってもいけないなんて、そんなのおかしいよ」「僕が知ってるのぶちゃんは正直すぎるぐらい正直で面白い女の子だった」と言い返すも、のぶは、「うちも変わったかもしれん。けんど嵩も変わった。もう、あの頃みたいにはなれん」ときっぱり言い放ち、2人は決別してしまう。
その後の第34話で、妹のメイコ(原菜乃華)から“嵩と喧嘩したままでいいのか”と問われ、嵩が東京に帰る前に謝ろうと駅に駆けつけたのぶだったが、既に嵩の乗る汽車は出発していた。嵩の伯父の寛(竹野内豊)から、「わしはのぶちゃんにお礼が言いたいがや。生まれたところも別々で性格も正反対の嵩がこの町でのぶちゃんに出会うて、ぶつかり合うて、一緒に涙を分けてきたがや」「ほんとに…ありがとにゃ、のぶちゃん」と優しい言葉をかけられ、のぶは思わず涙を流すのだった。のぶというヒロインの強い信念と繊細な心が同時に伝わってくるこのシーンに、SNSでは、「涙腺崩壊」「素晴らしいシーンでした」「大粒の涙に貰い泣き」といった声があがっており、今田の演技が視聴者の胸を打ったことがうかがえる。
5月19日から放送の第8週『めぐりあい わかれゆく』では、もうすぐ二十歳になるのぶにいくつもの縁談が持ち込まれる…という展開が予告されており、そんな中で嵩との関係がどのように変化していくのかが、大きな注目ポイントの1つだろう。今田の力強さと繊細さが同居する演技が、のぶというヒロインを通して、さらに豊かに物語を彩っていくことを期待したい。