閉経の前後5年を一般に更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は一般的には50歳といわれていますが、新しい研究での平均値は52.1歳とされています。となると、47~57歳の世代は更年期に当たる人が多くなります。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。
私ってもう更年期なの? みんなはどうなの?
オトナサローネは同世代の女性100人がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材しています。(ご本人の年齢や各種の数値は取材時点のものです)
【100人の更年期#124】前編
◆ユウコさん 47歳
宮城県でひとり暮らし。フレキシブルな勤務が可能な職場で正社員として勤務中。昨年、部署異動で新しい仕事に就いた。
「顔が真っ赤に腫れて、風に当たるだけでピリピリ」それは、46歳のことでした
最後の生理は44歳のとき。「これまでは、更年期症状でよくいわれる、ホットフラッシュなどの更年期症状は全くなかった」と話すユウコさん。そんな彼女が最初に違和感を覚えたのが、肌の変化でした。
若い頃から肌トラブルの少ない、色白のユウコさんの肌に異変が生じたのは46歳のとき。頬とおでこにブツブツができて、真っ赤に腫れ上がってしまったそう。風に当たるだけでピリピリと痛みを感じ、頬に髪の毛が触れるだけでも刺激に耐えられなかったそうです。
皮膚科を受診し、塗り薬と飲み薬の処方、さらにライトを使った治療で炎症を抑えることに。
化粧品もすべて低刺激のものに切り替え、会社に行くときは目の周りだけ軽く化粧をし、マスクも刺激の少ないタイプを選ぶようにしました。
こうした対策を続けるうち、半年ほどでようやく症状は落ち着いていったといいます。
朝、目が開かないほどの痛み。「ドライアイ」も更年期の一部でした
肌トラブルとほぼ同時期に現れたのが「目」の不調。
「朝、目を開けようとすると痛くて、ゆっくりそっと開けないとつらいんです」
眼科を受診したところ、診断は「ドライアイ」。ヒアルロン酸の点眼薬を1日に数回使い、さらに就寝前には油膜で目を保護するジェル状の塗り薬を処方されました。
「目だけじゃなくて、手も指先の皮がむけるほど乾燥しているし、デリケートゾーンも洗うときにしみるようになって……。自分でも『あ、私いろいろ乾いてるな』って自覚がありました」
デリケートゾーンのケアには、低刺激の専用ソープを使用するように。ちょっとした痛みや違和感も、我慢せずに丁寧にケアするよう心がけているそうです。
さらに、肩のこわばりや足の関節の痛みも出てきたユウコさん。これも更年期の症状と思われることから、整形外科でも治療をしているそうです。
夜、眠れない。日中はボーッとして「人の話が理解できない」
ユウコさんを次に悩ませたのは、睡眠の質の低下でした。
「ウトウトして、ようやく眠れそう……というところで目が覚めてしまう。変な夢を見て、はっと目覚めて、そのまま眠れなくなることも多くて」
眠ろうとすればするほど、「早く寝なきゃ」という焦りがプレッシャーになって、動悸がしてくる——そんな悪循環を繰り返すようになっていったそうです。
しっかり眠れない夜が続けば、当然、日中の集中力も落ちます。
「朝から頭がぼんやりしていて、考えがまとまらないんです。作業効率も下がるし、人と会話していても、話の内容がすっと入ってこなくて」
今年からは新しい部署に異動になったばかり。慣れない業務へのストレスも重なり、更年期症状はさらに悪化していきました。
「これまでなら一度聞けば理解できたようなことが、全然頭に入らない。『人の話が理解できない』という自分に、どこかがおかしいって、不安ばかりが募ってしまって……」
眠れないから、集中できない。だから理解できなくて、 自分を責める。そんな、出口の見えないループに陥っていたと語ります。
本編では、46歳で肌トラブルやドライアイに悩まされたユウコさんが、47歳で「眠れない夜」から始まった理解力の低下、仕事への支障という新たな壁に直面したエピソードをお届けしました。
▶▶続いての「46歳更年期、「え、嘘…3秒で眠れた…!」限界だった私を救ったのは、先輩のアドバイスと「ある治療」だった」
では、同年代や先輩たちからのアドバイスをきっかけにHRT(ホルモン補充療法)を始めたユウコさんが、再び眠れるようになり、自分を取り戻していく過程をお伝えします。
◆更年期に何が起きる?マンガでわかりやすい!
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写真はイメージです