AAA與真司郎、ゲイ公表前後の本音語る「全員僕を嫌いになったんじゃないか」「鬱のような状態に陥った」当時の苦しみ乗り越えられた理由【Vol.1】 | NewsCafe

AAA與真司郎、ゲイ公表前後の本音語る「全員僕を嫌いになったんじゃないか」「鬱のような状態に陥った」当時の苦しみ乗り越えられた理由【Vol.1】

芸能 モデルプレス/ent/wide/show3
モデルプレスのインタビューに応じた與真司郎(C)モデルプレス
【モデルプレス=2025/04/09】AAAの與真司郎(あたえ・しんじろう/36)が2025年4月16日、これまでの人生を振り返ったフォトエッセイ「人生そんなもん」(講談社)を発売。2023年7月、約2000人のファンを前にゲイをカミングアウトした彼に、世界的にも前例の少ない発表の仕方を決意したきっかけ、当時の葛藤や発表後にぶつかった壁について語ってもらった。【インタビューVol.1】

【写真】與真司郎「全員僕を嫌いになったんじゃないか」カミングアウト中の本音

◆與真司郎フォトエッセイ「人生そんなもん」

本書では、ファンの前で自らがゲイであることをカミングアウトした與が、自らの人生を振り返り、カミングアウトするまでの人生と、その後の歩みを赤裸々に綴っている。幼少期に感じた違和感やそのエピソード、アーティストとしてデビューするも抱え続けた孤独、そして自分らしく生きることを求めてロサンゼルスへ留学・移住を決意した経緯などが丁寧に描かれている。

◆與真司郎「全員僕を嫌いになったんじゃないか」カミングアウト中の本音

― カミングアウトから約1年9ヶ月が経ちました。今回の書籍では、公表前の葛藤からその後の心境までが綴られています。当時を振り返って、どのようなお気持ちでしたか?

與:カミングアウト前は、日本では前例のない形でゲイであることを公表すると決めていたので、とても緊張していて、ファンのみなさんの反応がまったく予想できませんでした。日本では自分のセクシュアリティが受け入れられず、嫌われるのではないかと思いながら、9年かけてアメリカで人生の基盤を築いていましたが、カミングアウトをすることで日本、そして芸能界に居づらくなるのでは?という不安を感じるときもありました。それでも、誰かがやらないと変わらないと強く感じていたので、自分を奮い立たせ、弱い自分と闘いながら、あのステージでのカミングアウトに至りました。

自分のセクシュアリティを公にすることには大きな勇気が必要でした。ファンが離れていってしまうのではないか、これまで築いてきたキャリアがすべて崩れてしまうのではないか、そんな不安を常に抱えていました。それでも、自分がやりたいことはある程度やらせてもらいましたし、自分が苦しかった思いを若い世代にはしてほしくなかったので、1人でもいいから自分の行動で救われる人がいたらいいと思ったんです。

― カミングアウト中も、観客の反応を見て不安になった瞬間があったそうですね。

與:そうですね。日本の方はシャイで、感情をあまり表に出さない人が多いので、僕が台本を読み上げていた時、会場は静まり返っていました。真剣に聞いてくれていたのは今ならわかりますが、当時は一瞬「全員僕を嫌いになったんじゃないか」と思ってしまいました。その時の空気は、正直とても重くて、読み進めるのが本当に辛かったです。

― 後半には、ファンのみなさんからの温かい声援が印象的でした。世間からの反応を受けていかがでしたか?

與:実際にカミングアウトしてみて、ファンのみなさんからの反応は、自分が予想していたものとは真逆でした。9割はアンチ・バックラッシュ、1割がポジティブぐらいかなと思っていたので、みなさんからの温かい声を多く受けてびっくりしました。SNS上ではもちろん、バックラッシュや嫌なコメントも目にしましたが、こういった声がなくなればいいなと思いながら見ていました。

― カミングアウトの理由として「たった一人でもいいから救いたい」という思いがあったとおっしゃっていましたが、実際にはどんな反応が届いていますか?

與:カミングアウトから1年以上が経った今も、多くの方からメッセージが届きます。日本の方々からはもちろん、公表直後には、英語、中国語、韓国語、スペイン語…様々な国から「あなたの行動は素晴らしい」「感銘を受けた」と言っていただいて、改めて行動を起こしてよかったと実感しました。

― 勇気を出して行動したからこそ、與さん自身も救われたのではないでしょうか。

與:めちゃくちゃ救われています。実はカミングアウトした後、精神的に病んでしまい、鬱のような状態に陥った時期もありました。自分から何かを始めようとしても動けない、心が追いつかず、プレッシャーに負けてしまいました。カミングアウトした人は、「すっきりしたでしょ?」と思われがちなのですが、意外にも、カミングアウト前よりも後のほうが「やらなければよかった」「ファンの子を傷つけちゃったな」「なんでこんなことしちゃったんだろう」とネガティブなことばかり考えていました。そんな中で、温かい言葉を目にすると本当に嬉しかったです。

◆與真司郎、カミングアウトを振り返る

― カミングアウトにあたって、どなたかに相談はされましたか?

與:アメリカ人のスタッフチームの中に昔からの親友がいて、たまたま一緒に仕事をすることになったので、その友人や日本人のスタッフ、大親友…多くの人に相談しました。常に「怖いんだけどどうしよう」と言っていたのですが、みんなが「大丈夫!僕らがついているから大丈夫!」「頑張ってこい!」と沢山の温かい言葉をかけてくれました。アメリカの友人からの「もしも日本に居づらくなったら、アメリカ帰ってきたらいいじゃん」という言葉が印象的で、第2の家族と思える人たちがアメリカにちゃんとできたことが嬉しかったです。そういった言葉のお陰で、自分の母国でそんな悲しいことが起きてほしくはないけれど、「最悪アメリカに逃げればいいや」と気持ちが軽くなったと感じます。

◆與真司郎「助けてくれる人は絶対にいる」困難を乗り越える方法

― カミングアウト前は、芸能人としてゲイがバレることを恐れて、LGBTQ+の方々を避けてきたそうですが、公表を経て、交流する機会も増えたのでは?

與:2023年11月には「work with Pride 2023」カンファレンスに呼んでいただいて、日本ではゲイの友達が全くいなかったので当事者の方と会う機会が増えました。そういった方々と話す中で、日本はアメリカなどに比べて、まだまだ遅れていると感じます。だからこそ、これから変わっていってほしいと願っています。日本は、街を歩いていても男の子同士で手を繋いでいる様子はなかなか見ないじゃないですか。新宿2丁目でしかみんなオープンになれなくて、それがもっとゲイタウンに限らず、さまざまな場所で手を繋いで、異性愛者の方たちと同じようなことをしたいと願う人もいるんじゃないかと思います。

― カミングアウトするという勇気ある決断をし、それまでの辛さや葛藤を乗り越えてこられた與さんですが、モデルプレスの読者に向けて、困難を乗り越えるための秘訣を教えてください。

與:大切なことは、自分と感覚が合う人や、本当の自分を受け入れてくれる人に出会うことだと思います。それはLGBTQ+の当事者だけではなくて、過去にトラウマを抱えていたり、自分にコンプレックスを感じていたりする人など、なかなか言いづらいことでも、探せば絶対に同じ境遇の人はいるし、境遇が一緒じゃなくても、助けてくれる人は絶対にいるから。全員が僕みたいに公に言う必要性はないけれど、1人でもいいから、本当の自分を愛してくれる人に出会う旅に、ぜひ一歩踏み出してみてください。

Vol.2では、同書について「包み隠さず全てを話しました」と語る與にありのままの人生をさらけ出した理由について質問。そして、カミングアウトのきっかけにもなった2人の元恋人との出会いや思い出について明かしてもらった。(modelpress編集部)

◆與真司郎(あたえ・しんじろう)プロフィール

1988年11月26日生まれ、京都府出身。男女混合のパフォーマンスグループ・AAA(トリプル・エー)のメンバーとして、 2005年にデビュー。グループは2021年、AAA初となる6大ドームツアーを終えたタイミングで本格的な活動休止に入る。2023年7月には、「與真司郎 announcement」にて、自身が同性愛者であることを約2000人のファンの前で公表。現在は日本と海外を行き来しながら活動しており、自身の人生を題材にしたドキュメンタリーをハリウッドにて制作中だ。

【Not Sponsored 記事】
《モデルプレス》

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