東京大学は、「デザイン」を広義に捉え、工業製品の造形や芸術的意匠に留まらず、新たな価値やシステムの創出、複雑な社会課題の解決に向けた創造的なプロセスを含めた幅広い概念として捉えている。気候変動や高齢化社会、デジタル化がもたらす影響など、単一の学術領域だけでは解決できない課題に対し、UTokyo College of Designでは多様な学術知を「デザイン」によって繋ぎ、融合することで、世界にインパクトを与える人材の育成を目指す。
UTokyo College of Designは、学士・修士の5年プログラム(学士4年と修士2年からなる教育プログラムで、成績優秀な者は修士課程の早期修了制度を活用し5年で修了できる)。世界中からトップレベルの教員を集め、すべて英語で実施される。入学定員は100名で、外国・日本人学生それぞれ50人程度を予定している。教育体制は、東京大学が有する幅広い学術分野の知をもとに、全学の協力によって独自に作り上げた豊富な講義群と、イノベーション手法としてのデザインを学びの柱とする。
UTokyo College of Designの学部長予定者は、東京大学大学院情報学環教授のMiles Pennington(マイルス ペニントン)氏。彼は、英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)イノベーション・デザイン・エンジニアリング学科を修了し、デザイン会社「Design Stream」を設立した経験を持つ。2002年よりRCAの講師を務め、2008年に同学科の教授・学科長に就任。2012年にはRCAのGlobal Innovation Designの設立者・学科長に就任し、2017年からは東京大学生産技術研究所教授、DLXデザインラボのディレクターを務めている。2023年から東京大学大学院情報学環教授。