「被害者だと思ってた。でも加害者かもしれない」障害児を育てる母の、揺れる心 | NewsCafe

「被害者だと思ってた。でも加害者かもしれない」障害児を育てる母の、揺れる心

社会 ニュース
「被害者だと思ってた。でも加害者かもしれない」障害児を育てる母の、揺れる心

こんにちは、ライター・岡本ハナです。私の長女は、ADHDと強迫性障害を併せ持つ、いわゆる発達障害児ちゃん。

令和の時代に性差の話を持ち出すのはナンセンスかもしれませんが、我が家の長女は「女の子にしては問題行動が多い方」だと思います。子どもの話をしていると、「女の子だからおとなしくていいよね」なんて言われることもありますが、とんでもない!

実際、怪我をして帰ってきたこともあります。怪我をするということは被害者側ではあるのですが、その理由がもしかすると「発達障害の特徴」によるものかもしれない……そんな風に思うこともあります。

今回は、そんなお話しをします。

左の手の違和感は「骨折」

あれは長女が小学5年生の頃のこと。帰宅するなり、「左手の小指が痛い」と訴えてきました。話を聞くと、男子とふざけている最中に何かが起きたようです。

長女は昔から男の子と追いかけっこをしたり、ふざけ合ったりと、そんなやりとりが日常でした。普段なら「またやったのね」と笑って済ませるところですが、その日は様子が違いました。あまりにも痛がるので、念のため整形外科を受診することに。

レントゲンの結果は、まさかの「骨折」。骨折って……。唖然としました。今まで許容してきた“ふざけ合い”とは、もう次元が違う。私はすぐに学校へ連絡を入れました。

双方の言い分が交錯する現実

担任の先生は、長女の異変に気づけなかったことを謝罪し、すぐに事実確認を開始してくれました。しかし、相手の男の子は「やっていない」の一点張り。保護者を通じて話を聞いても、主張は変わりません。

「では、この怪我はどうして?」

もし本当に手を出していないのだとしたら、長女は自分で怪我をしたということ?まさか、長女がその子を陥れようとして嘘をついている可能性があるということ……?そんな巧妙な智恵が働くはずはない。ただ、娘が実際に骨折している、その事実は、動かしようがありません。

担任の先生は、本人同士だけでなく、周囲の子どもたちからも聞き取りをしてくれました。しかし、長女は周囲に対してまで「彼がやったのに…」と話し、男の子は「やっていない!」と否定を貫きます。事態は膠着し、もはや収拾がつかない状況に。

そんな中、先生が粘り強く関わってくれたおかげで、ようやく男の子の口から新しい事実が語られました。

「あまりにもしつこいから……キックするフリをしたときに、もしかしたら当たったのかもしれない。でも、俺だって理由もなく、そんなことはしないよ。先生には、そこをわかってほしい」

本記事では、ふざけ合いの末にハナさんの娘が骨折してしまい、相手の男児は否定するも、最終的に「キックのフリが当たったかも」と告白したお話をお届けしました。

続いての▶▶「たしかに娘は聞き分けが悪いから…」発達障害の娘、友達とのトラブルを受けて思うこと

では、子ども同士のトラブルを通じて、子どものうちに伸ばしておくべき「ある力」の大切さを実感した話をお届けします。


《OTONA SALONE》

特集

page top