「そもそも、家事は女がやるものだろ!」手伝ってるのに文句ばかり言われモヤモヤする45歳「昭和の男」の言い分は | NewsCafe

「そもそも、家事は女がやるものだろ!」手伝ってるのに文句ばかり言われモヤモヤする45歳「昭和の男」の言い分は

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「そもそも、家事は女がやるものだろ!」手伝ってるのに文句ばかり言われモヤモヤする45歳「昭和の男」の言い分は

家族関係研究所の山下あつおみです。

今回取材したのは、「どうして妻に文句を言われるのか、まったくわからない」という男性。リョウさん(45歳・会社員)は、これまで取材で出会ってきた方々とはまったく異なる価値観の持ち主でした。話を聞くたびに驚きがあり、そのままの言葉で伝えたいと思いました。

え? 俺ってそんなに悪い?

リョウさんは沖縄出身、現在は埼玉県在住で、12歳年下の妻と2歳の娘との3人暮らしです。

都内のファミレスにて、午後3時過ぎです。平日の中途半端な時間帯ですが、店内はほどよく空いていて落ち着いた雰囲気です。派手めのロゴが入ったポロシャツにジーンズ姿で登場したリョウさんは、メニューを開き、アイスコーヒーを注文すると、穏やかな口調でこう言いました。

「家事も育児も、俺なりに手伝ってるんですよ。でも妻からは文句ばかり。たとえば皿洗いだって月に何回かはやるし、洗濯物を取り込むことだってある。なのに“もっとやれ”って空気を感じてしまう。俺は外で働いてるし、妻は専業主婦。家のことは基本、妻がメインでやるのが当然だと思ってるんです。手伝っても文句をいうなら、なおさらですよ」

「やる発想すらなかった」子ども時代の価値観

リョウさんが育った家庭は、典型的な昭和の価値観で成り立っていたといいます。母親は専業主婦、父親は家のことを一切しないタイプ。

「うちは母親が“男の子は勉強に集中しなさい”って方針で、とにかく大事にされたんですよ。家事は女の領域って感覚でした。一人暮らしを始めて初めて“食器って自分で洗うんだ”って知ったくらいで。油汚れは洗剤を使わないと落ちないんだとか、そういうレベルでした」

大学入学を期に沖縄から上京し、その当時も家事をしなかったというリョウさん。

「大学時代はコンビニ弁当とか安い定食屋で済ませてたし、洗濯もコインランドリーにガーッとまとめて放り込めばいい。家事ってこんなに単純なんだと思ってました。お金はかかるけど手間は省ける。だから別にストレスを感じなかったですよ。ゴミ出しもあんまりやってなかったけど、ずっとやらなきゃ自分の部屋が臭くなるから、本当にヤバくなる前に出すだけだし、大したことじゃないでしょ」

「家事好きな妻」でスピード婚。しかし……

リョウさんが結婚したのは40歳を目前にした頃。出会った当初から「専業主婦希望」と語っていた12歳年下の妻のことを「ちょうどいい」と感じていたといいます。

「俺は仕事が忙しいし、家のことに時間を割けない。だから、家庭をしっかり支えたいっていう女性に出会えたのはラッキーでした」

しかし、子どもが生まれると状況は変わりました。妻の負担が急増し、リョウさんへの要求も高まっていったのです。

「最初は“俺が外、妻が内”って合意してたのに、実際に子どもができたら俺にガンガン家事を押し付けてくるようになったんですよ。それって筋違いじゃないですか?『専業主婦でも限界がある』とか『あなたの協力が必要』とか、どんどん要求が増えてくる。なんで?って思っちゃいますよ……」

妻の側から見れば、想像以上に大変だった育児と家事の日々に「ワンオペ状態」の限界を感じていたのかもしれません。

「やってるのに文句を言われる」苛立ち

リョウさんは「俺は何もしてないわけじゃない」と繰り返し口にします。具体的に何をしているのか改めて聞いてみました。

「平日は仕事から帰ってきて、疲れてるときは何もやらないけど、余裕がある日は皿洗いをするし、洗濯物も頼まれたら取り込みますよ。ゴミ出しも俺の担当。ただ、分別は妻がしてるし、出すのを忘れることもある。そういう時に“また?”って言われるとムカつく。人間なんだから、うっかりすることもあるでしょ?」

続いて、休日にどれくらい家事や育児をするのかを尋ねました。リョウさんは「睡眠優先」と即答します。

「土日はできるだけ寝たいんです。妻は『2歳の子どもがいるんだから早起きして面倒みて』って言うんですけど、俺も平日クタクタだし、休日ぐらいゆっくり寝かせてよって思いません? それを『じゃあ平日はあなたが早く寝れば?』とか言われても、会社勤めてたらそういうわけにもいかない。子どもは勝手に起きるけど、そこは専業主婦の妻が対応するのが当然じゃないですか」

どうして当然だと思われるのでしょうか?と聞いてみたところ……

「平日は仕事してるのに、休日まで朝7時に起きて育児なんて無理ですよ。だから10時くらいに起きて、子どもと少し遊んだりテレビ観たり。でも重くて抱っこは辛いし、オムツ替えは途中で妻に交代しちゃう。子どもって暴れるし、やっぱりママが一番落ち着くんでしょうね」

しかし、子どもに「慣れない」のは、そもそも向き合う時間が短いからでは――という疑問が浮かびます。

「俺だってしんどい」妻の育児ストレスに共感できない

2歳児の育児は相当ハードなものですが、リョウさんは「そこまで深刻に考えてない」と話します。

「オレは、通勤や仕事でストレスだらけですよ。妻が育児で限界って言っても、家にいられるだけマシでしょ? って思っちゃう。妻が『限界』『辛い』って泣きそうな顔をしたときに“気分転換してきたら?”って言ったら、“子どもはどうするの”って言われて、いや俺が見るのも嫌だし……ってなりました。子どもなんて、あっというまに大きくなるんだから、少しの辛抱じゃないですかね」

夫婦のどちらがより大変か、という不毛な考えが、互いの理解を妨げている様子です。

「やるなら黙って褒めて」口出しされるとやる気が失せる

リョウさんは妻からの注意を「細かい」「うるさい」と感じているらしく、しばしば言い争いに発展するようです。

「たとえば皿洗いにしても、『汚れが残ってる』とか『洗剤の泡が完全に落ちてない』とか、いちいち言われたらこっちもムカつくじゃないですか。だったら最初から頼まないでよって思う。洗濯物も一度だけ畳んだんですが『シワができてる』『靴下が左右バラバラ』って怒られたんすよ。そこまで求めるなら自分でやれよって話ですよ」

リョウさんから奥様にこうして欲しいとお願いすることはありますか?

「あります。でも逆に俺が『なんでこんな部屋が散らかってるの?』とか言うと『子どもがいるから仕方ないでしょ』って逆ギレされる。お互い様だよなあって思うんですけど、妻は子ども優先だから仕方ないのかもしれない。でも正直、俺のくつろぎスペースくらいは綺麗にしてほしい。テレビ周りに子どものおもちゃが転がってるとイライラしますよ」

“協力”とは、感謝と承認があってこそ成立するのでは、と感じる発言でした。

本編では、「家事やってるつもりなのに、なんで文句ばかり言われるのか分からない」と、昭和的価値観を持つ45歳夫のモヤモヤをお届けしました。“やってるつもり”と“足りていない現実”のギャップが、夫婦のすれ違いを深めていく……

続いての▶▶「だったら離婚すれば?」と失言するKY夫が見落としている、「妻とのすれ違いの根っこ」とは

では、“俺のプライドが傷つくんだよ”と、妻と向き合えないままの夫が語る、夫婦のズレと限界についてお届けします。

《OTONA SALONE》

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