家庭の防災対策、備蓄率59.0%…地域差や費用課題が浮上 | NewsCafe

家庭の防災対策、備蓄率59.0%…地域差や費用課題が浮上

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各種災害に対応するための防災食(非常食)を現在、自宅に備えているか
  • 各種災害に対応するための防災食(非常食)を現在、自宅に備えているか
  • 各種災害に対応するための防災食(非常食)を現在、自宅に備えているか(地域別集計)
  • 現在、防災食(非常食)を自宅に備えていないもっとも大きな理由
  • 防災食(非常食)を食べたい分だけ買い足して、常に新しい食料を備蓄しておく備蓄方法「ローリングストック」を知っているか
  • 非常食(防災食)を備えていない理由/ローリングストックを実施したくない理由
  • あなたの家庭では、寒さなどに対応するための「冬の防災対策」が十分にできているか
  • あなたの家庭では、これらの防災用品を備えているか
  • 自身の周り(自治会、マンション管理組合、保育園・幼稚園、学校などの保護者仲間など)で、災害時に備えて物資や情報を「共有/シェア」する取組みやルールが整っていると思うか
 ミドリ安全.comは、家庭での防災への取組みや防災食(非常食)の備えについての実態調査を実施した。防災備蓄率は59.0%で、前年から4.4ポイント改善したものの、依然として6割未満が続いていることがわかった。地域別では、中部地方が76.0%で最多、九州・沖縄地方が42.0%で最低という結果が示された。

 調査は、2025年2月6日から2月11日にかけて、子供と同居している20歳から49歳までの全国の母親800名を対象にインターネットリサーチで行われた。調査対象は地域別に均等割付され、北海道から九州・沖縄地方までの8地域で実施された。

 防災食の備蓄率は59.0%で、前年の54.6%から4.4ポイント増加したが、調査開始の2018年以降、6割未満の状況が続いている。防災食を備えていない理由として「お金がかかる」が28.1%でもっとも多く、前年から6.3ポイント増加した。ついで「何を備えてよいかわからない」19.7%、「保管スペースがない」16.4%が続いた。

 ローリングストックの実施率は過去最高の24.6%を記録した。ローリングストックとは、防災食を食べた分だけ買い足して、常に新しい食料を備蓄する方法。未実施の理由としては、費用面が最多であることがわかった。

 ハザードマップの利用率は44.4%で、前年から0.3ポイント上昇したが、避難経路の実地確認は17.4%にとどまった。冬季の防災対策については、64.9%が「十分でない」と回答し、保温・断熱シートの備蓄は24.2%にとどまった。

 災害時の共助体制については、防災物資や情報の「防災シェア」体制が整備済みと回答したのは15.1%にとどまった。共助型の防災対策では、「始め方がわからない」という声が27.8%を占め、体制構築の具体的手法が課題となっている。

 大規模地震への備えについては、「非常に意識しており、対策も考えている」と回答したのは14.1%で、最大の不安は「ライフライン停止」41.8%であった。地域による備蓄状況では、中部地方が76.0%ともっとも高く、九州・沖縄地方は42.0%にとどまるなど、顕著な差がみられた。

 今回の調査で浮き彫りとなった費用面での課題に対して、個々の家庭での備蓄方法の工夫に加え、地域での支えあいの仕組みづくりが、新たな防災の形として注目されている。共助の取組みを通じて、より持続可能な防災体制が広がっていくことが期待される。
《風巻塔子》

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