文部科学省は2025年2月12日、2024年度学校保健統計の確定値を公表した。調査結果によると、裸眼視力1.0未満の者の割合は、学校段階が進むにつれて高くなっており、小学校で3割を超え、中学校で6割程度、高等学校で7割程度となっていることが明らかになった。 この調査は、学校保健安全法に基づき、児童等の発育状態(身長、体重)および健康状態(疾病・異常の有無)を把握することを目的としている。国立、公立、私立の幼稚園、幼保連携型認定こども園、小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校、高等学校の満5歳から17歳までの幼児、児童および生徒を対象に実施されたものである。調査は抽出調査として行われ、発育状態については全幼児、児童および生徒の5.2%(64万9,142人)、健康状態については25.4%(319万771人)が対象となった。 調査は2024年4月1日から6月30日の間に実施され、結果は「政府統計の総合窓口(e-Stat)」に掲載されている。なお、2020年度から2023年度の調査結果は、新型コロナウイルス感染症の影響により測定時期が異なるため、今回の調査結果と比較することはできない。 調査結果によると、裸眼視力1.0未満の者の割合は、学校段階が進むにつれて高くなっており、小学校で3割を超え、中学校で6割程度、高等学校で7割程度となっている。また、むし歯(う歯)の者の割合は、小学校・高等学校で4割を下回り、幼稚園・中学校で3割を下回っている。鼻・副鼻腔疾患を持つ者の割合は、小学校・中学校で1割程度となっている。 発育状態に関しては、身長の平均値は多くの年齢層で男女とも1998年度前後にかけて上昇し、その後横ばい傾向にある。体重の平均値も同様の傾向を示している。肥満傾向児の割合は男女ともに9歳から12歳がもっとも高く、特に男子は9歳以降1割を超えている。痩身傾向児の割合は、男女とも10歳ごろまで上昇し、以降3%前後となっている。 文部科学省は、子供の目の健康を守るための啓発資料の普及・周知や保健教育のモデル授業の動画の作成、屋外での体験活動等の促進など、視力低下予防に資する取組みを進めている。また、子供の健康状態についても継続的に把握することを予定している。