2025年1月19日、2025年度(令和7年度)大学入学共通テスト(旧センター試験、以下、共通テスト)2日目の数学2(『数学II、数学B、数学C』)について、東進、河合塾、データネット(ベネッセ・駿台)、代ゼミより提供を受け「科目別分析コメント」を紹介する。数学II・数学B・数C東進 文章量は大きく増加したものの、計算量は減少。選択問題で「平面上の曲線」からの出題はなかった。今年度から問題の構成が変更され、必答問題が3題、選択問題4題から3題の選択、合計6題を解答する形式となった。問題数、分量は増加したものの、それぞれの単元においては難易度、計算量とも例年に比べ控えめであった。正しいグラフ、正しい記述を選択する問題などといった共通テストの特徴をもつ出題はあるが、これまでと大きく異なる特徴的な出題は見当たらない。河合塾 大問数は7題。第1~3問は数学IIの分野で必答問題、第4~7問は数学B・Cの分野で3題を選択する形式であった。試作問題と比較すると分量はやや減少し、全体的に答えに至るまでの方針が丁寧に示されていた。新課程の内容として、試作問題の第7問は平面上の曲線と複素数平面であったが、本試験では複素数平面のみであった。また、第5問では仮説検定が出題された。特徴的な問題を挙げると、第1問は三角関数の方程式を解く問題。正弦の意味を正しく理解しているかが問われた。最後の設問は正弦を余弦に置き換えて考える出題で難しく感じた受験生が多かったであろう。第2問は水草の増え方を考える問題。常用対数表の使い方を練習していた受験生は解きやすく感じたであろう。第4問は格子点の個数を数える問題。設問ごとに図形が異なるが、考え方は同様であり、取り組みやすい。第5問は、収穫されるレモンの重さについて統計的に考える問題。仮説検定の手順は問題文に示されてあり、その手順の通りに計算すれば解けたであろう。第6問は球面上の3点が正三角形をなす条件を考える問題。空間ベクトルの内容であり、誘導に沿って丁寧に計算する力が試された。 データネット 第2問で一定の倍率で増える水草の量を考察する「指数関数・対数関数」の問題が出題。試作問題(令和4年度大学入試センター公表)と同じく大問数は7で、第1問~第3問は必答、第4問~第7問の中から3大問選択する形式。選択肢から選ぶ問題の解答数は、昨年が25~28個であったのに対し、今年は37~40個であった。第1問、第5問で対話形式の問題が出題。また、第2問は日常の事象を題材とし、常用対数表の読みとりが必要な問題が出題された。ページ数は29~32ページ(下書き用紙を除く)で、昨年より8~9ページ増加した。代ゼミ 昨年の「数学II・数学B」と比較して試験時間が10分延長されたが、問題量は適切である。全体として、大問と小問ごとの難易度の差が小さい。新課程初年度ということもあり、取り組みやすい問題が多かった。ただし、第2問のように問題文をしっかりと読んで丁寧に考察しなければならない問題も引き続き見られた。数学Cでは、ベクトル・複素数平面から出題された一方で2次曲線からの出題はなかった。昨年度と同様に、必答問題はいずれも比較的取り組みやすい。選択問題については、問題ごとの難易度の差はあまり見られなかった。ただし、昨年度と比べて3題中2題選択から4題中3題選択へと変更になったのでその分だけ問題量が増加した。新課程初年度であるからか、昨年同様取り組みやすい。分量は昨年よりも多いが適切である。一部に、問題設定を読み取るのに苦戦する箇所がある。必答問題である第1~第3問は比較的取り組みやすいが、第2問は試験場では焦る可能性が高い。かつては選択問題は手間がかかるケースが多かったのだが、2年前からは難易度が控えめとなり、本年度も同様である。昨年と異なり、全体として大問・小問ごとの難易の差が小さい。選択肢を選ぶ設問が頻繁に登場するのも、昨年と同様である。 今後、各予備校のWebサイト上で情報が追加修正されることもある。 リセマムで公開している問題分析および難易度、解答速報に関する記事は下記のとおり。<1日目>>> 4予備校の【地理歴史・公民の問題分析】はこちら>> 4予備校の【国語の問題分析】はこちら>> 4予備校の【英語の問題分析】はこちら>> 1日目の【難易度分析】はこちら>> 1日目の試験【問題・解答】はこちら<2日目>>> 4予備校の【理科の問題分析】はこちら大学入学共通テスト2025 特集大学受験2025 特集