私は24年3月「多発型円形脱毛症」を発症しました。いわゆる、円形脱毛症や先天性乏毛症、抗がん剤など薬剤性による脱毛など、さまざまな理由で髪や体毛が抜けてしまう「ヘアロス」患者です。
▶「遺伝性乳がん卵巣がん症候群」で乳がんに。ウィッグ着用経験によりみずからウィッグ開発をした野中さんの記事はこちら[/hidefeed]
オフィスカジュアルではない職場の場合、やはり医療用帽子(ケア帽子)の着用は難しいの現状です。その点、医療用ウィッグならスーツにも問題ありません。
ここでネックになるのが医療用ウィッグの価格の高さ。ブランドや店舗、種類や品質などによってさまざまですが40万する高額なものも。「海外ではかつらが医療用具として健康保険の対象となっている国もある」※のに、日本ではまだまだです。
医療用ウィッグは、健康保険や医療費控除の対象外。ただし、医療用ウィッグの助成金を導入している自治体もあります。とはいえ、これも「がんの治療に伴う脱毛によりウィッグが必要な人」が対象です。
>>医療用ウィッグ購入、助成金がもらえるの!?
アピアランスケア助成事業
例えば東京都品川区の場合、「アピアランスケア助成事業」というものがあり、がんの治療中などの方の支援として、ウィッグ(かつら)や胸部補正具の購入・レンタルなどにかかった実費の一部を助成しています。
「がんと診断され現在治療中か、がんの治療に伴う脱毛や乳房の切除などによりウィッグや胸部補正具を必要とする」「申請時、品川区に住民登録がある」など対象条件がありますが、助成額は上限30,000円(消費税含む)。
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助成額なども自治体によりさまざまです。がん治療中の方は、ご自身の自治体で助成があるか調べてみてください。
一方、円形脱毛症で「脱毛によりウィッグが必要」でも助成の対象にはならないのが現状です。「日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン」でも「本邦においても病的脱毛症に対してのかつらは,医療法上認知されるべきであろう」※とありますが、病的脱毛症に適用されることを強く望みます。
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※日本皮膚科学会