大学入試センターが2024年12月6日に大学入学共通テストの確定志願者数を発表したことを受けて、旺文社教育情報センターは分析記事を公表した。志願者数が7年ぶりに増加したのは、18歳人口の増加が大きな要因だという。 2025年共通テストの志願者数は49万5,171人で、7年ぶりに増加したものの、50万人には届かなかった。現役志願率は45.5%で過去最高を記録した。共通テストは2025年1月18日・19日に実施され、追試験・再試験は1月25日・26日に行われる。 志願者数の増加は、18歳人口の増加が大きな要因とされている。2024年の18歳人口は106万3,000人だったが、2025年には109万1,000人に増加する見込みだ。これにより、大学受験生数も64万8,000人から65万8,000人に増加する見通しである。一方で、現役志願率の上昇も志願者数増加の要因とされるが、通信制高校や特別支援学校高等部の生徒が分母に含まれていないため、実際の現役志願率はむしろ低下している可能性がある。 既卒等志願者数は6万9,203人で、初めて7万人を割った。1990年頃には志願者全体の4割近くを占めていたが、2025年には14.0%にまで減少した。既卒生の減少は今後も続くと予想される。 志願者数の男女別の占有率では、男子が54.6%、女子が45.4%となっている。都道府県別に見ると、女子が5割を超えているのは青森、岩手、山形、沖縄の4県のみで、首都圏をはじめ、宮城、愛知、京都、大阪、福岡など都市部では女子の割合が低い傾向がある。 共通テストを利用する大学は708校で、前年より9校減少した。国公立大学はすべて利用し、私立大学は88.3%の529校が利用する。新規利用は4大学あるが、利用取り止めや募集停止、大学統合で13大学減少した。この減少数は過去の例と比べても多く、コロナ入試の際の減少数を上回った。 共通テストを利用する短大は、2024年の147短大から2025年には129短大に大幅に減少した。短大の募集停止が非常に多かったことが影響している。 受験生の「共通テスト離れ」がささやかれる中、現役志願率が上がったのか下がったのかは際どいところだという。一方で、大学の「共通テスト離れ」も懸念されている。共通テストを利用する大学は、共通テストの会場校となる義務を負うが、出題が思考力系に変容し、志願者が得られない場合には会場校を請け負う必要がないと判断する大学もある。利用を取り止める大学が増えると、試験場が減少し、特に地方では重要な問題となる。2025年は651の試験場のうち52が高校であるが、高校会場の拡大がどこまで可能かが課題となると同センターは分析している。