東大生の留学事情「東大独自のプログラム・TLPって何?」 | NewsCafe

東大生の留学事情「東大独自のプログラム・TLPって何?」

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 中学や高校在学時に留学やホームステイをしたいと考えたとき、学校や、在住の自治体によるプログラムという選択肢の存在をご存じの方も多いだろう。では、国内の大学進学後に、海外で学びたいという意欲をもった学生が留学するにはどのような道があるのだろうか。

 そこで、東京大学の学生に自身の留学経験を語ってもらった。今回のテーマは「東大独自のプログラム・TLPって何?」。

TLPって何?
--自己紹介をお願いします。

亀田:こんにちは、亀田崚です。東大の理学部物理学科に所属しています。高校生のときに語学留学で2週間ほどオーストラリアに行ってきました。

清野:東京大学法学部の3年生の清野孝弥です。法律と政治学を学んでいます。東京大学のTLPでUCO(西カトリック大学)に留学しました。

加藤:加藤知樹です。東京大学法科大学院の2年生です。私は上海交通大学やLMU(ミュンヘン・ルートヴィヒ=マクシミリアン大学)に留学しました。

--留学エピソードを詳しく教えてください。

亀田:自分は高校生のときに2週間オーストラリアに留学しました。オーストラリアのシドニー付近にある提携校で、現地の学生と一緒に授業を受けたり、日本語のレクリエーションをやったりしました。

清野:僕はちょうど昨年、東大のTLPでフランスの西カトリック大学に留学しました。ホームステイをしたり、現地での研修に参加したりしました。

--TLPって何ですか。

清野:3か国語を流暢に話せるようになるための、東大の外国語学習プログラム「トライリンガル・プログラム(以下、TLP)」のことです。僕の場合は日本語・英語・フランス語のトレーニングをしました。東大の入試の点数や英語の資格などに応じて、TLPに参加できるような仕組みになっています。1年生のときから外国語を一生懸命学習したい人や、留学を希望する人にはとてもおすすめなシステムです。

加藤:僕は、2019年、大学1年生のときに上海交通大学という中国の大学に行きまして、2週間中国語を勉強したり、文化交流をしたりしました。また、大学4年生のときに1年間休学していたのですが、その間にLMU(ルートヴィヒ=マクシミリアン大学)に留学して、そこでは言語自体は英語だったのですが、ドイツの法律について学びました。

--皆さんが進学先として東大を選んだ理由を教えてください。

加藤:法律を勉強したくて、中でも一番専門的に学べそうだと思ったのが東大だったからです。

亀田:僕は今、理学部物理学科に所属しているんですが、理学部物理学科の研究室にもともと行きたいと思っていたので。自分は関西出身で一浪もしたんですが、東大を目指しました。

清野:高校生の頃から色々な学校行事に携わっていく中で、優秀なメンバーと一緒に活動するのがめちゃくちゃ面白いなと思ったのが最初のきっかけでした。勉強をやるからにはNo.1のところを目指したいとか、自分が通える圏内にあったというのも東大を目指した理由です。もし京都とかに住んでいたら、京大に行っていたかもしれません。

留学希望者にとってメリットは?
--留学希望の学生にとって「東大入学」って、いかがですか。

加藤:たとえば「全学交換留学」という制度があります。東大と提携している海外の大学に東大から留学する学生が行く代わりに、向こうの大学からも東大に学生がやってくるという仕組みになっています。おそらくその協定校の数は、東大は日本の中でも多い方ですし、ラインアップされている候補の大学も優秀なところが多いですね。それにTLPなどもあるので、充実しています。

清野:TLPは3つの言語を喋れるようになりましょうというもの。日本語はもちろん、英語が喋れるのが当たり前で、プラスしてほかの外国語も喋れるようにするというのが、他の大学とかなり違うところなんじゃないかなと思います。第二外国語も、「喋れる」「仕事で使える」レベルまで頑張るので、(大学卒業後は)外交官になる人とかもいます。

亀田:外務省に行った知り合いから、「出航先の言語を喋れるからだいぶ得だった」みたいな話を聞いたことがあります。

清野:そうですよね、だから留学したいのであれば、東大はめちゃくちゃアリだと思います。

加藤:1年生のときに上海に行ったのは、グローバル・サマー or ウィンタープログラムというもので、TLPへの参加の有無や成績要件など関係なしに、1週間から2週間、場合によっては1か月くらい留学できる制度もあります。英語は全然できないけど、とりあえず海外に行きたいという人向けのプログラムですね。奨学金も出るので、長期留学も、短期留学も、ハイレベル留学も、結構充実しているなと思います。

亀田:やる気とか自分の英語レベルに合わせたプログラムがちゃんと用意されているって良いですね。それ僕も行きたいですね。僕の場合は全然英語ができないからここにいるのに…。

清野:でも東大って英語が苦手な人向けに、たとえばライティングサポートをしてくれるセンターだったり、スピーキングサポートをしてくれるセンターがあったりなど、結構、英語のサポートが充実していると思います。

亀田:確かに僕も、授業で物理学のための英語の授業を受けました。物理学に関する論文を英語で書くとか、発表するための英語の授業でした。正直、そうした講座に入っている人はそんなに英語が得意じゃないという人が多いんですが、レベル別で英語のサポートをしてくれるのはありがたいですね。

--周りの東大生の友達でこんな珍しい国に行ってるよという例はありますか。

清野:最近聞いた恐ろしい話で、ロシアに行って警察当局に捕まりかけたという話を聞きました。よくわからないのですが、どうやら友達は不審な動きをしていたようで…。インスタ経由で話を知りました。東大生だと、世界のあちこちを探検する人が多いのかもしれませんね。

加藤:留学に限ると、個人的に聞いたのはメキシコの話ですかね。スペイン語を学びたい人たち向けのプログラムで、メキシコに行ったそうなんですが、聞いたところによると、行った先が、東大のプログラムとして初めて訪問したところだったらしくて。虫とかが天井にいるようなところに行って、サバイバル気分を味わったと聞きました。

亀田:僕の知り合いだとシンガポールに行った人がいましたね。シンガポールだと、シンガポール国立大学など最近有名になってきた大学が多いと思うんですが、そういったところは教育環境が良いらしくて、清潔でご飯も美味しくて、人気があるみたいです。


《清野孝弥》

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