引きこもりだった義母がデイサービスに行くと決意。「介護は恋愛に似てる」認知症の義母が180度変わった社会福祉士の教え | NewsCafe

引きこもりだった義母がデイサービスに行くと決意。「介護は恋愛に似てる」認知症の義母が180度変わった社会福祉士の教え

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引きこもりだった義母がデイサービスに行くと決意。「介護は恋愛に似てる」認知症の義母が180度変わった社会福祉士の教え

こんにちは。神奈川県在住、フリーライターの小林真由美です。ここ数年のマイテーマは「介護」。取材でも高齢者にまつわること(介護のほか、終活や相続・遺言など)に関わる機会が増えてきましたが、どこか他人事でした。それがしっかり「自分事」になった途端、驚くほど冷静さを失ってしまったのです。

2年前、我が家の近所(高齢者専用住宅)に越してきた義母。当初は新しい生活を楽しんでいましたが、しばらくすると認知症が進行し、「監視カメラで見られてる!」「鍵を開けて入ってくる人がいる」など、「妄想」のような症状が見られるようになりました。

 【アラフィフライターの介護体験記】#6

▶前回の記事を読む▶▶ 「あんな怖い顔初めて見た」認知症になった義母の冷たく他人行儀な態度に困惑。さらに私を限界に追い込んだ「夫のひと言」

忙しいのは思い込み?「介護ToDoリスト」がもたらした変化

お義母さんの嫌がるデイサービスを勧め続けたことがきっかけで、「お帰りください、出口はあちらです!」と部屋から追い出された私。気が付けば、介護をする中で距離感を間違え(近くなりすぎた)、勝手に介護を抱え込み、次第にストレスを感じるようになっていたのです。そんな“穏やかではない状態”でお義母さんと接していたため、拒絶されてしまった……。今になって振り返ると、これは当然の結果だったのかもしれません。

その後、「困ったらいつでも来てくださいね」と名刺をもらっていた社会福祉士のもとへ。「少し休息したほうが良いかもしれませんよ」というアドバイスを受け、しばらく直接的な介護から離れることを決めました。

>>〇〇を作成し見える化したことで、介護がスムーズに回るように!

「ToDoリスト」で見える化したら、介護がスムーズに回り出した

実際に経験してみて分かったことですが、介護では契約や手続き関係など、意外と事務的な作業が多い。さらに、役所や地域包括支援センターとのやりとりは平日がメインとなるため、スケジュール管理をおろそかにすると、一気に滞ってしまいます。

そこで私は「介護ToDoリスト」を作成し、使い始めることに! やるべきことの優先順位(低・中・高)や、対応に費やす時間(目安)、夫との役割分担などを明記したことで、頭がスッキリ整理され、スケジュールも管理しやすくなりました。

これまでは漠然と「何だか毎日忙しい」と感じていましたが、完成したリストを見てみると、若干の“思い込み”があったことにも気付きます。一歩離れた形で介護に関わったことにより、ようやく少し、心に余裕を持てるようになったのです。

恋愛テクを介護にも!「押しすぎちゃったな」と思ったら引いてみる

そんなある日、義母宅から戻った夫が何やらニヤニヤしています。何があったのか聞くと、「デイサービスに行きたいらしいよ」とのこと。あれほど嫌がっていたデイサービスに? 噓でしょ? と耳を疑うも、どうやら本当らしいのです。

なんでも、田舎の友人が最近になってデイサービスに通い出し「食事も美味しいし、お友達がたくさんできて楽しい」と、毎日電話で報告があるそう。

最初のうちは、「私は行かない」と相変わらず自分の意志を貫く様子のお義母さんも、毎日話を聞かされるうちに「デイサービスって、そんなに楽しいの?」と興味を示すように。そして数日後、「じゃあ、私も行こうかしら」と、まさかの急展開!!

そこには、お義母さんの“負けず嫌いな性格”が良い感じに作用しており、「私も(友人に)デイサービスが楽しいって言いたい!」という、若干不純な動機なのですが……(笑)。それでも、私たちが無理やり連れていく形ではなく、自分の意志で「行く」と言ってくれたことに安堵する夫と私。

「介護において(特に認知症の場合)グイグイ行くのは逆効果。『押しすぎちゃったな』と思ったら、一度引いてみる」というのは相談に乗ってくださった社会福祉士の方のアドバイスですが、今回はまさにソレ! 私がお義母さんと物理的な距離を取り、夫もデイサービスのことを本人の前で一切口にしなかったなど、「引いたこと」が良かったのかもしれません。

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《OTONA SALONE》

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