各日、新たな情報も解禁された。初日には、東京ドームにてBMSGアーティスト23人全員参加のスポーツイベント「BMSG presents THE GAME CENTER」を11月26日に開催することを発表。2日目には、SKY-HI、Novel Core、Aile The Shota、edhiii boi、REIKOによるクルー「BMSG POSSE」のアルバムリリースと単独公演(12月11日、東京・豊洲PITにて)を発表した。そして最終日では、BMSGの3組目のボーイズグループ結成に向けたオーディションプロジェクト「THE LAST PIECE」を始動させることがSKY-HIの口から告げられた。RUI、TAIKI、KANONもこのオーディションに参加する。
◆Novel Core率いる「BMSG GAIA」がトップバッター
2024年のセットは、ステージ左右の前方にレストランのような丸いテーブルと椅子を設置。出演アーティストはそこに座ってライブを見ることもできる仕様となっていた。開演時間が近づくと、2023年『BMSG FES’23』のフィナーレを飾った“The Sun from the EAST”&“The Moon in the WEST”マッシュアップのライブ音源が流れ始めた。2023年の終わりと2024年の始まりをつなげるように、曲が終わると、オープニング映像がスタート。設立4年目の2024年、BMSGの新たな拠点として東京に構えた自社ビルにて、踊って、歌って、筋トレして、サウナに入って…と、1人ひとりのキャラクターを引き立てながら23人が紹介される。
ステージの色が赤色から青色へと一変し、「BMSG MARINE」が登場。Aile The Shota、LEO(BE:FIRST)、KAIRYU(MAZZEL)、TAKUTO(MAZZEL)、HAYATO(MAZZEL)、edhiii boi、KANONが、スタンドマイクで“Memoria”を歌い始める。Aile The Shotaは自分の心の奥底にある愛や願いを包み隠さず表現へと昇華するアーティストだが、この曲では、他の6人の「閉じ込めたfeelings」も解放させて、丸裸の心が差し出されるような歌が鳴り響く。
歌い始めと歌い終わりをまだトレーニーであるが確かな実力を秘めているKANONに託して、普段はラップを得意とするedhiii boiのエモーショナルな歌を引き出し、TAKUTOのソロダンスパートも効果的に作るなど、Aile The Shotaのプロデューサーとしての手腕が輝くステージ。そこから“踊りませんか?”、“J-POPSTAR”、“Pandora”、“Villains”と自身の代表曲でソロパートを彩った。すべての人の幸せを願う気持ちが乗ったAile The Shotaの声で歌われる“踊りませんか?”では、歌詞のとおり、この会場を「楽園」へと塗り替える。そして“Pandora”からは、レイザービームが飛び交って重低音が響くダンスミュージックパーティー状態。現行R&B/ヒップホップを昇華した新しいJ-POPサウンドを日本のど真ん中で鳴らし、日本人に「踊る」カルチャーを伝染させようとしているAile The Shotaは、2025年3月16日に国内最大級のホールである東京ガーデンシアターにてワンマンライブの開催が決定している。
後半戦の一発目を任されたのはLEO(BE:FIRST)。BE:FIRSTは、「One Of The BE:ST」と題して各メンバーのソロ楽曲をリリースする企画を行っているが、第一弾のJUNONに続いて次はLEOに決定。『BMSG FES’24』で初披露された“I just wanna be myself”は、R&B、ファンク、モータウンを含んだポップソングで、「自分の好きなように生きよう」とLEOらしいメッセージが込められた楽曲となっている。歌を終えて、MCを挟み、「あれ?浮いてるやついるな…?」というLEOからのパスを受け取ったのはedhiii boiだ。PAエリアで座っているedhiii boiがスクリーンに映り、“Uiteru”を歌い始めた。マイクを握りながら客席を歩き、途中でオーディエンスにステッカーを手渡し、ステージへと向かう。「飛び跳ねろ!」と叫び、ビートに合わせて自分も飛び跳ねながらステージの端から端までエネルギッシュに駆ける。「俺は無敵レベチ日本の歴史を変える為/叫ぶんだ 死ぬまで」というリリックが大袈裟ではないくらい、オーディエンスもカメラも音もすべて自分の掌の上でコントールしているかのようなスター性を発揮していた。自分の音楽が鳴っている瞬間は無敵状態になる、edhiii boi。「3年後、俺が20歳になった頃、時代の先端にいてやるよ!」とシャウトしてから見せつけた“GALAXY”のパフォーマンスも、「自分からは媚びず、みんなを自分に惹きつける」という精神性が形となっていて、その言葉に強い説得力が帯びるほどだった。
最年少メンバーたちに混ざってステージ上を走り回ったボス、SKY-HI。「みんなが知的に、立派に、自分自身も人のことも尊重して大きくなっていて、君たちみたいな若い才能が育っていくところを隣で見られることが、どんな実績・数字といわれるものよりも嬉しい」と、4人に感謝を込めながらSKY-HIにとっての「幸せ」の真髄について語ってから、ここでビッグニュースを告げる。2025年、BMSGとして3つ目のボーイズグループを誕生させるオーディションプログラム『THE LAST PIECE』の開催を発表。「シビアなときもあるかもしれないし、つらいときもあるかもしれないけど、絶対にずっとそばにいるので、一緒に乗り越えて勝ち取りましょう」と、RUI、TAIKI、KANONにエールを送った。そして、RUI、TAIKI、KANONは、ポケモンアニメ「POKETOON」新シリーズとのタイアップが決定している“Forked Road”を披露。「僕たちで必ず世界を獲りたいと思ってます」と歌唱前に言葉を残したTAIKIは『THE FIRST』参加時から自身の強い意思を乗せたラップが印象的だったが、それをさらに強固なものにし、KANONは懐の大きい歌を、RUIは遠くまで届く声を響かせながら、3人ならではの世界観を作り上げた。
その後、MANATO、SOTA、Aile The ShotaによるShowMinorSavageが先輩の貫禄を見せつける。R&BとHIPHOPを心の底から愛する3人による“Thinkin’ bout you”、“Ocean”は極上だ。そしてSOTAとMANATOのダンスブレイクを挟んで、BE:FIRSTのステージへ。まずは“Mainstream”。フック前のRYUHEIの「based」で歓声が上がることもそうだが、2万人の歓声をコントロールしてみせるかのようなパフォーマンスだ。しかし、「緻密さ」だけでは語れないのがBE:FIRST。“Boom Boom Back”ではアドリブを挟み、“Blissful”ではSHUNTOやRYUHEIの笑い声が混じるほど、ステージをプレイグラウンドに変えて自ら楽しみ尽くす姿に、気がつけば巻き込まれている。
◆SKY-HIステージ、MAZZEL・EIKIがゲスト歌唱も
最後はボス、SKY-HIの登場だ。まずは今日までの物語を伝えるように、“タイトル未定”。アイドルとして生きるようになった14歳の頃からの経験を振り返り、居場所がなかった自分が、数少ない先輩たちからの愛を抱えながらどうにかサバイブし、かつての自分や業界から去ってしまった仲間のように既存のジャンルや枠組みの中で認められない若き才能を救うため、ヒップホップの基本である「Do it yourself」の精神性で1億を資本金に事務所を興し、『BMSG FES’24』の開催と「自分と仲間の幸せ」という立派な成功にたどり着いた――そんなライフストーリーを音楽で表現する。
“何様”は、音源ではぼくのりりっくのぼうよみが歌っているパートを、この日はなんとEIKIが歌唱。さらに“Turn Up”でボスとしてのスキルとサクセスへの揺るぎない意志を見せつけて、BE:FIRSTを迎えて“To The First”へ。BMSGが始まるまでのストーリーを4曲に凝縮して描き切り、最後には「ある日、気づいたんだよね。俺がこれだけもどかしいな、つらいな、嫌だなって思う気持ちをいっぱいしてるのって、同じような気持ちをしてるやつと出会って、そいつの人生をよくするためなんじゃないかなって。そう思ってやったのが『THE FIRST』で、その結果、出会えたのがみんなで、今隣にいるのがBE:FIRSTで。俺は心から嬉しいです」と素直な言葉をこぼす。
◆BMSG全員集結
そして「こうやって社長に居場所を作ったのは僕たちだけではなくて、あなた1人ひとりです」と、オーディエンスにも語りかけるLEO。 「最後はぶっとぶくらい踊って遊ぼうぜ」と、23人全員で“D.U.N.K.”。サイファー状態で、トップに踊り出たのはTAIKI。LEOとAile The Shotaは野球ボールを使って魅せて、Novel Coreは“Mainstream”の振りを取り入れる。SOTAとSEITOのコラボレーションには会場が大いに湧いて、SEITOのブレイキンには「やばっ!」「まじか!」の声まであがる。ラストは“Brave Generation -United Remix-”に、23人全員分のパートを加えたバージョンを披露。歌い始める前、BMSG設立前は孤独に戦っていたNovel Coreが「俺にこんなにたくさん仲間を作ってくれてありがとうございます」とSKY-HIへと伝えて、2人は肩を叩き合った。