【モデルプレス=2024/04/21】「正面で見ても 横から見ても 下から見ても いい女で 困っちゃう♪」のフレーズで顔を映す動画を見たことがある人も多いのでは。TikTok内での楽曲総再生回数がすでに14億回を突破するなど、今年を代表する一曲となった「全方向美少女」。そんな楽曲を生み出したのは、楽曲制作を始めてまだ2年も経たない熊本出身のシンガーソングライター・乃紫(のあ)。「バズることを計算して作った曲」と戦略家の一面ものぞかせる彼女の目標は「3年以内に日本武道館に立つこと」、そして「20年後も愛されるアーティストになること」。モデルプレスのインタビューでは楽曲だけではない“乃紫”の魅力に迫った。【写真】乃紫の素顔 2024年バズ“全方向美少女”を仕掛けたシンガーソングライター◆乃紫が音楽を始めた経緯作詞・作曲・編曲・歌唱・映像・アートワークにいたるまでをセルフプロデュースする乃紫。大学の夏休み、たまたまDTMのソフトに触れる機会があったことから作曲にのめり込み「女子大生がセンスだけでかっこいい曲作ってみた」という触れ込みで自身のオリジナル楽曲をSNSに投稿すると、たちまち多くの人の心を掴んだ。「最初は知り合いが持っていたDTMのソフトを借りて遊んでただけで。なので今こうして音楽を仕事にしていることは不思議です。大学に通っていたときは国際系の学部で、音楽の専門学校だったわけではないですし。投稿を始めて、TikTokの伸び具合とかを見ていたら少しずつ自信がついてきて、世間知らずなだけだったかもしれないですが、考えながらやっていけば軌道に乗るんじゃないかと思うようになりました。でもそれまで音楽とまったく関わりがなかったわけではないです。幼少期のとき、親にピアノを習わされていましたし(笑)、実家にアコースティックギターがあったので遊んで弾いていたり。母がチェロを持っていたので、一時期ヴァイオリンも習っていました。どれも全然上手くないんですけど、今になってどれもやっていて良かったと思うことは多いです。歌詞は音楽を始める前から写真や動画が好きだったので、スマホのメモにSNS投稿用のキャプションを書いていました。今も続けていて、好きな言葉を思いついたら書くようにもしているので、1ヶ月で100は超えています。今はそこからピックアップして歌詞にすることも多いです」◆K-POPアイドルも「全方向美少女」で動画投稿「全方向美少女」は日本の芸能界にとどまらず、TWICE(トゥワイス)のミナ(MINA)、モモ(MOMO)、aespa(エスパ)のカリナ(KARINA)、NiziU(ニジュー)のリマ(RIMA)やリク(RIKU)など、たくさんのK-POPアイドルにも広がった。「『全方向美少女』はTikTokと相性が良い曲を作ろう、と目的を持って最初に20秒ほどのデモを作りました。TikTokのUGC(※ユーザー生成コンテンツを意味するマーケティング用語)を見ながら、私なりにどんな曲が使われやすいかを分析して。スマホのアングルを動かすだけで、みんが気軽に動画を撮って投稿できる。それをイメージして『正面で見ても 横から見ても 下から見ても』という歌詞にしました。日本と韓国の若者のブームは強く繋がっているので、もしかしたら起こり得るかもと思っていたのですが、こんなにたくさんの錚々たる方々が投稿してくれるとは想定していなかったので嬉しいです。その流れを受けて、英語ではなく韓国語バージョンをすぐに出そうと決めました。韓国でさらに流行れば、台湾やタイ、インドネシアなどアジア全体にも広がるのではないかと思ったので」◆自分も好きでみんなも好きになってくれる曲っていうのは必ず存在する今もなおバズり続ける「全方向美少女」の動画投稿が昨年11月末のこと。今年1月放送のテレビ朝日系「関ジャム 完全燃SHOW」の恒例企画「プロが選ぶ年間マイベスト10曲」では「接吻の手引き」がランクインした。彼女を取り巻く環境は一変し、まさにブレイクという言葉がふさわしい。「嬉しいですが、私としてはもう少し早く波が来たら良かったなって感じなんです…(笑)。それは着実にみんなで良い曲を作って出してきたつもりだったから。でも『全方向美少女』をきっかけにそれまでの曲も聴いてくれて、これもいい、あれもいい、と言ってくれる声を聞いて、積み重ねてきて良かったなと思いました。『先輩』という楽曲は特にそれを感じています。『全方向美少女』がたくさんの方に聴いていただけたからこそ、プレッシャーもあるのでは?と聞かれることもありますが、みんなが思っているほどはないと思います。自分で言うのもあれなんですが、自分の中ではロジックがあった曲でたまたまバズったと思っていなくて。この先も同じ思考をすれば、同じ波は越せるんじゃないかという自信もあります。ただ私の場合、曲を作り始めるまでが長いタイプ。例えばTikTokで情報収集して、どんな曲を作るかのコンセプトを決めるのが一苦労。より良いものを、と考えれば考えるほど、最初の一歩に時間がかかってしまいます。自分が好きなものと、世間が好きなものが違うんじゃないか、というのを常に疑わなくてはいけない。エゴと世間の目線の綱渡りみたいな。これが好きだけど、これじゃダメだよねって。その綱渡りをやりきった先に『全方向美少女』はありました。自分も好きでみんなも好きになってくれる曲っていうのは必ず存在する、そういう曲を作り続けたいと思っています」◆新しいデモ音源「初恋キラー」が秘める可能性「自分も好きでみんなも好きになってくれる曲っていうのは必ず存在する」、その言葉を裏付けるように、また大きなミームを創り出す可能性を秘めるのが、まだデモ音源だけの「初恋キラー」。正式リリース前だが、すでにたくさんの人が「渋谷で捕まえたハンサムボーイ 下北で遊んだハイセンスボーイ 新宿待ち合わせハイスペックボーイ みんな口揃えて“I miss you”♪」の楽曲に乗せて、3つの属性の男性や女性を投稿している。「次はどんな曲にしようかと思ったとき、『全方向美少女』の強気な女の子像をみんなが求めていると感じられたので、そのモデルは固定したまま、もっとキャッチーで意見が飛び交うのってなんだろうというところから考え始めました。歌詞の中に渋谷、下北沢、新宿という固有名詞を入れて、そこにさらに渋谷にはイケメンが多いみたいな歌詞も入れてみて。コメント欄で議論させるというか、いやいや三茶の方が多いだろう、というツッコミも期待して、その部分を書きました。今みんながしてくれているような投稿も制作段階でイメージはしていました」◆乃紫、初ワンマンライブで未発表を披露予定4月25日にキャリア初のワンマンライブ(@渋谷WWW)を控える。「3年以内に日本武道館に立つこと」「20年後も愛されるアーティストになること」という目標に向けての第一歩であることは間違いない。「実際に生で観てくれた方に、来て良かった、と思ってもらうことが、20年後も生き残っているアーティストに近づくために必要なことだと思います。今回のライブで楽しみにしてほしいのは未発表曲。いま発表している曲だと10曲前後しかなくて、ライブだと少し尺が足りない。そのために新しく曲を書いていて、それを初披露しようと思っています。すでに緊張していますが、MCも頑張ります。MCはお客さんがいたらできるんじゃないかと勝手に思っていて(笑)。本番になってみないとわからないですが、きっとその場にしかない空気があるから。ライブがあったら絶対に行きたいです、とずっと言ってくれていた方もいるので、やっと会えるのは本当に楽しみです」◆乃紫の「夢を叶える秘訣」は“周りの大人を無視すること”「ここまで順調にきているように見えるが、苦悩や挫折はあったのか?」「夢を叶えるために必要だと思うことはなにか?」――最後にそう問うと、彼女の負けん気の強さと、才気あふれる歌詞を生み出す一端を垣間見た。「音楽を始めてから、まだスランプみたいなものを感じたことはないですが、毎日TikTokで勝負しているので、もちろんトライアンドエラーがあって、思うようにならないということはあります。昨日の投稿は自信があったのに伸びなかったなとか。でも改善すればいいので。それに落ち込んでいる時間がもったいないですしね。あと私の性格もありますが、みんなに勧めたいのは『自分は悪くない、みんなが悪い、なにか悪い状況になったらそれは周りのせい』って思うこと(笑)。例えば失恋したらフッてきた相手が悪いしセンスがないとか(笑)。やっぱり自分が幸せになるための努力を忘れてはいけない。自分の機嫌の取り方というか、落ち込んだときも、自分はなにが一番好きか、ちゃんと自分でわかっている人が幸せな人だと思います。夢を叶えるために必要だと思うのは『周りの大人を無視すること』です。それは独りよがりで活動するということではなくて、取捨選択をするということ。周りの状況に流されて、なんとなく進路を決めてしまう人もいると思うんですけど、本当にやりたいことがあるなら、ある程度は無視してやった方がいい、絶対に。そう思うようになったのは、音楽活動を始めたばかりの頃、ありがたいことにTikTokを見ていろんな方が声をかけてくださったのですが、結局なにをしてくれるんだろう、と思うことが本当に多かったので。そのときに自分で考えて曲を売るしかないんだと思いました。もちろんそれから今の事務所さんやレーベルさんに出会って、今は力を貸していただいているんですけど、自分で考える、自分の意志で決める、というのは根底にあります」(modelpress編集部)◆乃紫(のあ)プロフィール作詞・作曲・編曲・歌唱・映像・アートワークにいたるまでをセルフプロデュースする新世代の女性シンガーソングライター。2023年から本格的に音楽活動を開始し、オリジナル楽曲の投稿がTikTokでミリオン再生を連発。2024年1月放送のテレビ朝日系「関ジャム 完全燃SHOW」で複数曲が紹介されるなど、Z世代を中心にSNSやサブスクで話題を集める。最新曲は「A8番出口 」(配信日:3月27日)。4月25日、渋谷WWWで初のワンマンライブを行う。【Not Sponsored 記事】
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