「下剋上球児」球児役オーディションでは控え室の様子も観察 特殊な撮影法も解説「待ち時間にカメラを回して」<新井順子Pインタビュー後編> | NewsCafe

「下剋上球児」球児役オーディションでは控え室の様子も観察 特殊な撮影法も解説「待ち時間にカメラを回して」<新井順子Pインタビュー後編>

芸能 モデルプレス/ent/wide/show3
鈴木亮平(C)TBSスパークル/TBS 撮影:ENO
【モデルプレス=2023/10/15】俳優の鈴木亮平が主演を務めるTBS系日曜劇場『下剋上球児』(毎週日曜よる9時~)が15日にスタート。同作の新井順子プロデューサーがモデルプレスらのインタビューに応じ、球児キャストのオーディション秘話、特殊な撮影方法などについてたっぷりと語った。<後編>

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◆鈴木亮平主演「下剋上球児」

高校野球を通して、現代社会の教育や地域、家族が抱える問題やさまざまな愛を描く、ドリームヒューマンエンターテインメント。鈴木演じる南雲脩司は、36歳で教員になり、越山高校に赴任。二児の父親で、井川遥演じる妻の美香の実家で暮らしている。

2018年に三重県の公立高校・白山高校が甲子園に初出場するまでの軌跡を描いた「下剋上球児」(カンゼン/菊地高弘 著)にインスピレーションを受け企画。登場する人物・学校・団体名・あらすじはすべてフィクションで描かれる。また本作では、『アンナチュラル』『MIU404』『最愛』『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』をはじめ、多くの人気ドラマを世に送り出してきた新井プロデューサーと塚原あゆ子監督が再びタッグを組む。

◆「下剋上球児」球児役オーディションで見ていたポイント

― 球児役のオーディションは半年かけて行われていましたが、印象に残っていることはありますか?

新井:この企画を出した時点でオーディションをすることは決めていて、半年かけたのはあえて間を空けたかったからです。練習会を開いて、来るのかどうか、来た際はどのぐらいやる気があるのか、控え室の様子などを見ていました。

特に1年生はそれなりに上手い子を集めないと説得力がないので、グラウンドで実技を見ることは決めていたのですが、実技テストで怪我する人もいたので気が抜けない日々でした。オーディションの時から顔つきがすごく変わっているなと感じています。放送が始まって反響をもらったらもっと変わっていくと思うので、とても楽しみです。野球が本当に好きで、待ち時間にはずっと練習をやっていて。野原役の奥野壮くんはピッチャーをやるシーンはないのですが、「どうやって投げるの?」と研究をしているのを見て、胸が熱くなりました。この作品で躍動する球児たちが、10年後も20年後も活躍できる俳優さんになって欲しいです。

― 球児役のキャストとはどのような会話をしますか?

新井:もちろん野球のことは話しますが、それ以外の部分では、3年間を撮影していくので「1話と全く同じ顔しているよ」「2年生になったのに変わってないよ」などのように段階をつけて成長していく過程をどのように見せるかについて話しています。オーディションのときから見ているので、学校の先生の気分です(笑)。鈴木さんは球児たちを食事に連れて行ってくれて、ロケ終わりに鈴木さんと黒木(華/山住香南子役)さんと球児たちでバーベキューもしていました。お二人とも本当の先生のようです。

― 球児役のそれぞれの見どころを教えてください。

新井:野球が上手だからいいということではないです。犬塚翔(中沢元紀)には葛藤が出てきますし、楡伸次郎(生田俊平)は、なぜあんなにも守備ができなくて、協調性がないのかというのも今後明らかになります。部活は教育の一環なので、野球を通して何をどう伝えていくかというのを考えています。勝てばいいということでもないし、負けても得るものがあるので、野球は先生目線で見せていかないといけないんだと思っています。

◆「下剋上球児」待ち時間にカメラ回す 特殊な撮影方法

― 撮影でこだわったことはありますか?

新井:自然な彼らの表情を撮影しているのですが、それは全部本番中ではなく、待ち時間にカメラを回していることもあります。芝居をしていない待ち時間に喋っている姿をこっそり撮っていて、内容もたまに野球のことを喋っているので、そのままいただいています。こちらでガチガチに決めずにやるといい表情を拾えるので、カットがかかった瞬間や、「よーい」と言っているときの表情も使っています。本番は顔つきが変わって硬くなっているのでテストを使うこともあるみたいです。塚原(監督)演出ならではですね。

― 1話にも登場しますか?

新井:中沢くん演じる翔がストライクを取った後に振り向いて喜ぶところは、カットがかかった後の素の表情です。「やった!ストライク入った」の表情ですね(笑)。

― 大変だった撮影はありますか?

新井:CGを使わずリアリティを生かすことを大事にしていて、本当に球を投げているので球児は大変だと思います。特にピッチャーの中沢くんは、ボールのシーンだったらボール、ストライクのシーンだったらストライクを投げなければいけなくて、それができなければ皆を待たせているというプレッシャーとの戦いが精神的にも大変だし、トレーナーさんがつきっきりで見てくれていますが、肩も痛いと思います。「野球だけはきちんとやろう。ごまかさない。できないならできない役にする」と決めています。あとは、エモいシーンを演出するために、塚原監督が野球ドラマで今までやってきていないアニメーションを取り入れましたが、すごく手が込む作業で完成に2ヶ月くらいかかったと聞きました。

― エモーショナルなシーンにしたかった狙いは何でしょうか?

新井:例えば、バットに球が当たるシーンは、アニメでは周りに線などを入れることなどで描きやすいですが、実写では当たった瞬間があまり盛り上がらない。走る足元、バットに当たる球など実写ではエモさが伝わりづらい表現をアニメーションにしたいという監督の思いから始まりました。

― 貴重なお話ありがとうございました。

(modelpress編集部)

◆「下剋上球児」第1話あらすじ

2016年、3月。三重県立越山高校では、生徒や保護者からの人望も厚い社会科教師・南雲脩司(鈴木亮平)が、次年度から野球部の顧問兼監督に打診されていた。しかし、肝心の野球部は1名の部員を除いてやる気のない幽霊部員ばかり。さらに南雲は妻・美香(井川遥)と2人の子どもとの家庭での時間を大事にしたいと思っており、顧問への就任を頑なに拒んでいた。

そんな中、家庭科担当の教師・山住香南子(黒木華)が越山高校へ赴任してくる。南雲と一緒に野球部を強くしたいとやる気満々の山住は、スポーツで実力がある中学生たちを受験前から勧誘。地元の有力者・犬塚樹生(小日向文世)の孫で名門クラブチームのエースだった翔(中沢元紀)も強豪校への受験に失敗して越山に入学してくることに。

なし崩し的に野球部の手伝いをしていくうちに、穏やかだった南雲の生活が大きく変わっていく。

【Not Sponsored 記事】
《モデルプレス》

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