「ばけばけ」板垣李光人が語る“三之丞”の在り方 一貫して大事にしたいこと「ただ可哀想な三男坊にはしたくなかった」【インタビュー】 | NewsCafe

「ばけばけ」板垣李光人が語る“三之丞”の在り方 一貫して大事にしたいこと「ただ可哀想な三男坊にはしたくなかった」【インタビュー】

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モデルプレスのインタビューに応じた板垣李光人(C)モデルプレス
【モデルプレス=2025/10/17】連続テレビ小説「ばけばけ」(NHK総合・毎週月~土あさ8時~ほか)に出演中の俳優・板垣李光人(いたがき・りひと/23)。本作で、家族の中で心の葛藤を抱えながらも必死に生き抜く三之丞を演じ、その繊細で複雑な心情を丁寧に表現している。インタビュー後編では、三之丞を演じる上で大切にしたことや、第3週の印象的なシーンなど、作品と真摯に向き合う姿に迫った。

【写真】「ばけばけ」三之丞(板垣李光人)、涙こらえ怒りぶつける

◆2025年度後期 連続テレビ小説「ばけばけ」

本作は、外国人の夫・ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)と共に、「怪談」を愛し、急速に西洋化が進む明治の日本の中で埋もれてきた名も無き人々の心の物語に光をあて、代弁者として語り紡いだ夫婦の物語。

板垣は、主人公・松野トキ(高石あかり/※「高」は正式には「はしごだか」)と、その家族を陰日向で支える雨清水家の三男・雨清水三之丞を演じている。

◆板垣李光人が語る“三之丞”の在り方「ただ可哀想な三男坊にはしたくなかった」

第3週では、傳の事業である織物工場の経営が悪化し、工場を任せられていた長男の氏松が出奔。傳は金策に注力するため、工場を三男の三之丞に託す。しかし、三之丞はこれまで工場経営に関して蚊帳の外だったため、手も足も出ず、傳に叱責される。三男であることが故に何も教わってこなかった三之丞は、これまで抑えていた思いを傳にぶつけたのであった。

また、この週では、次男の武松がすでに他界していたことが明らかになり、傳が目を掛けていたトキが実は雨清水家の子どもで、三之丞の姉であることも判明。三之丞の葛藤や苦悩、そして雨清水家の内情が描かれた。

そんな第3週の終盤は、板垣にとっても印象的なシーンになったという。「三之丞は家族の中で三男という立場。『何も教わってない』というセリフがあるように、そうやって育ってきました。ただ、あの時代に生まれたからこその背景であり、決して親から愛されていないわけではないんです。その複雑な部分はしっかり表現したかったです。三之丞はもちろん、親である傳さん(演:堤真一)やタエさん(演:北川景子)のことも考えながら芝居をしたので、印象に残るシーンになりました」。

「ただ可哀想な三男坊にはしたくなかった」。三之丞を演じる上で、板垣が大事にしていることがある。「傳さんとタエさんとの物理的な距離感、心の距離感、セリフのニュアンスは意識しました。あの時代に生まれてしまったが故の苦悩だと思っているので、そこはこの先も一貫して大事にしたいところです」。

三之丞の父を演じる堤とは「あえてあまり話していない」と明かす。「作中で、すれ違う部分があるので、気まずさをリアルに表現できるように。その距離感が活かされていると思います。顔合わせでお会いした時は、同じ映画に出演した時の話をしたのですが、撮影中はあまり話はせず、ストイックに作品の関係性を保っています」。

◆板垣李光人の悲しみを乗り越える方法

三之丞の葛藤や苦悩も描かれる今作。板垣自身の悲しみや人生の壁の乗り越え方を聞くと、達観した回答が。

「僕はそもそも“壁”という概念をあまり考えていないんです。良いことも悪いことも『今然るべきタイミングで来たんだな』と思っていて。運命を受容しています。良い言い方をすると受け止める。悪い言い方をすると諦める。ここ1年ぐらいで変化しました。特にきっかけはないのですが、自分で色々考えることが好きなので、そうやって巡らせている中で、現在の考えに辿り着きました」。

◆板垣李光人の夢を叶える秘訣

さらに、名実ともに人気俳優の板垣に今思う「夢を叶える秘訣」も聞いた。2025年6月掲載のインタビューでは「自分を信じること」と話していたが、現在は「色々な世界を知ること」。

「夢があったとしても、それが最適解かどうかは誰にもわかりません。色々と見たり体験したりすることで、意外なものが自分の形とよくハマって、早く花が咲くこともあると思うんです。特に学生とかだと、学校という狭い場所で生きていると思うので、そういう中でも色々なことを体験して、色々な世界を知っていくのが大切ではないかなと思います」。

初めての朝ドラで、三之丞という役に深く向き合っている板垣。朝の時間帯に幅広い世代へ物語を届ける重責と喜びを胸に、約1年に及ぶ撮影へ挑んでいる。「貴重な機会」と喜びを噛みしめるその表情は、俳優としての確かな歩みを物語っていた。(modelpress編集部)

◆板垣李光人(いたがき・りひと)プロフィール

2002年1月28日生まれ。2012年に俳優デビュー。映画「八犬伝」「はたらく細胞」「陰陽師0」で第48回日本アカデミー賞 新人俳優賞を受賞。2021年放送「カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。」で連続ドラマ初主演、2025年放送「秘密~ THE TOP SECRET ~」でゴールデン帯連続ドラマ初主演を果たした。さらに、映画『ペリリュー-楽園のゲルニカ-』が12月5日公開。俳優業の傍ら、アートの分野でも個展を開催したり、初めての絵本「ボクのいろ」を11月6日に発売など多方面で活躍。

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《モデルプレス》

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