こんにちは。神奈川県在住、フリーライターの小林真由美です。ここ数年のマイテーマは「介護」。取材でも高齢者にまつわること(介護のほか、終活や相続・遺言など)に関わる機会が増えてきましたが、どこか他人事でした。それがしっかり「自分事」になった途端、驚くほど冷静さを失ってしまったのです。
【アラフィフライターの介護体験記】#23
◀前回の記事◀◀認知症の義母から「深夜2時に電話」。「もの忘れ」だけじゃない!あまり知られていない認知症の「実は困った」症状とは?
▶深夜2時、義母からの電話。驚きの内容とは
夜は元気で昼はぼんやり。「昼夜逆転」した義母への対策は?
3年ほど前、脳神経外科にて「認知症」(軽度~中等度)という診断を受けたお義母さん。現在は、我が家の近くにある<サービス付き高齢者向け住宅>(サ高住/食堂付き)で暮らしています。
深夜2時にお義母さんから電話。こちらは「何かあったのか?」と焦ったものの、「タンスの中から見たこともない服が出てきた」と通常モードで話し出し……(完全に昼の2時だと思っている)。前回は、そんな認知症のお義母さんの「昼夜逆転」についてお話ししました。今回はその続きから~。
翌日かかりつけ医に連絡したところ、日中は眠って夜に行動する「『昼夜逆転』になっているかもしれない」との見解。「昼間の活動量を増やしたり、睡眠の環境を見直したりするなど、夜眠れるように考えてみましょう」とのことでした。
お義母さんは日中、デイサービスや住まい(サ高住)でのイベントに参加することもありますが、どんな様子か職員の方に聞いてみると「午前中は何となくぼんやりされていて、昼食後からだんだんお元気に」と、まさしく昼夜逆転を思わせる状況。
そこでケアマネさんにも相談すると、「介護保険で『朝の介助(移動介助・服薬確認介助)』を入れてみてはどうか?」との提案がありました。これには、食堂までの移動の付き添いや服薬サポートで安心かつ快適に過ごしてもらいながら、規則正しい生活リズムを整えられるのではないか? といった期待も!
というのもお義母さんは性格上、基本的に外の人(家族以外)には良く思われたいという想いが強い。毎朝部屋にヘルパーの方が訪問するとなれば、朝は身なりを整えるはず→必然的に朝は決まった時間に起きる必要がある→夜寝るようになるのでは? という考えがあったのです。
「ぜひ、今回提案いただいた内容を進めたい!」とケアマネさんにお願いしたところ、「実は、今のまま介護保険のサービスを追加するとなると、要介護1の限度額を超えてしまうんです」との回答でした。
▶要介護度のハードル、一体どうしたら?
「介護サービスの利用を増やしたい……」でも越えるべきハードルが!
調べたところ、現在お義母さんが暮らす<サ高住>にも、食堂までの移動介助や緊急対応サービスなどはあったのですが、これがまぁ、なかなかの金額……。
ケアマネさんからは、「申請をしたら必ず要介護度が変わると確約できるものではありませんが、上がれば経済的な面でもメリットは大きいと思います」との話もあり、さっそく「要介護認定の区分変更申請(※1)」を進めることになりました。
(※1)認定を受けた要介護度(要支援度)において、認定有効期間が満了する際の更新申請ではなく、心身の状態変化などに伴い、有効期間内に行う区分変更申請のこと。
しかし、申請が決まると同時に若干の不安が……。「要介護認定の区分変更申請」をするにあたっては、越えるべきハードル「要介護認定調査(※2)」があるのです。
(※2)市区町村の職員や、委託されたケアマネらが本人のもとを訪問し、歩行・食事・排泄などの日常動作、記憶・理解の状態を確認する。その結果と主治医の意見書の一部をコンピューターに入力して判定(一次判定)。その後、一次判定の結果と主治医の意見書、調査における特記事項などをもとに介護認定審査会で判定が行われ(二次判定)、要介護度(要介護レベル)が決まる。
まずはとにかく、お義母さんに認定調査に応じてもらうこと。現在も、「自分にできないことはない」と思っているお義母さん。認知症の症状が出始めてからは買い物や料理、洗濯などの家事全般が難しくなってきましたが、「最近ちょっと手が痛くなってきたから、無理をしないことにするわ。無理すると皆が心配するから」と、あくまでも私たちのために(仕方なく)サービスを受けていると主張します。
そんな状態なので、「介護保険で新たなサービスを受けるために、認定調査が必要で」などと説明しても、「面倒だから、新たなサービスなんていらないわ」の一点張り。そもそもお義母さん自身がサービスの必要性を感じていないので、仕方ないのかもしれません。そこで夫とも相談し、“お馴染み”の「発想力と演技力」を用いながら対応することにしました。
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