噂の「シニアカー」に初めて試乗! 90歳父が見せた「想定外の反応」とは? 老いとともに超頑固になった父を、一発で動かした「娘のひと言」は【父の免許返納物語】 | NewsCafe

噂の「シニアカー」に初めて試乗! 90歳父が見せた「想定外の反応」とは? 老いとともに超頑固になった父を、一発で動かした「娘のひと言」は【父の免許返納物語】

女性 OTONA_SALONE/LIFESTYLE
噂の「シニアカー」に初めて試乗! 90歳父が見せた「想定外の反応」とは?  老いとともに超頑固になった父を、一発で動かした「娘のひと言」は【父の免許返納物語】

こんにちは、オトナサローネ編集部の佐々木です。

離れて暮らす実家の父が「免許返納」を決めて、愛車を手放しました。移動手段がなくなった父母は、家に引きこもりがちに。私はいろいろ調べてみた結果「シニアカー」の存在を知り、父母に試乗してもらおうと思ったのですが……。

>>>「シニアカーって何?」「どこで売ってる?」などはこちらで紹介しています。

【関連記事】「シニアカー」って知ってる? 90歳父に「免許返納後」の移動手段として買ってあげたい!けど、いろいろ壁が高かった話【父の免許返納物語】

今回はこの「シニアカー」試乗について、情報をシェアしたいと思います。「親の免許返納問題」について、少しでも参考になるとうれしいです。

*撮影協力/スズキ自販東京

父の頑固な「拒否グセ」を攻略せよ! 想定外の威力を発揮した「ニセ仕事」作戦とは?

年をとると新しいことに拒否感を強く感じることがあるらしいですが、父はかなりのツワモノです。姉と私は、過去に「エアコン」や「テーブル型こたつ」を実家に導入しようとして、ひどい目にあいました。

「娘に迷惑をかけたくない」ということなのか、自分の家に手を入れられるのが気に入らないのか、とにかく「いらね!」の一点張り。どんなに説得しても、かわいがっている孫を動員してもダメ。電話中、一方的に切られたことも一度ではありません(笑)。

そんな体験から、姉も私もシニアカー試乗に関しては慎重でした。絶対にまた父の「拒否グセ」が出るに決まってる! どうやって試乗を説得するか、悩んでいたのですが……。

私、突如ひらめきました! ことこまかに姉と口裏合わせをし、何度も文章を推敲してから、父にメールをしました。

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ズバリ、「ニセ仕事」作戦です。メールをしてからじりじりと待ちましたが、10分、1時間、1日たっても父からの返信はなし。姉に相談したところ、「便りがないのは、いい知らせ~」的なことを言われました。

数日後、口実を作って父に直接会うことに。すると父は、予想だにしなかったひとことを放ったのでした。

父「バイク、買ったのか? 電車で持って来られないだろう。どうすんだ?」

えーーーっ、試乗を飛び越えて、購入もオッケーだったのかっ!? 余計な心配をしたと心底ほっとし、説明したとたん

父「俺はいらないぞ。ウチの前を赤いのに乗ってる人が通るけど、カッコ悪い。男の人は乗ってるの見たことないよ。年取った女の人ばっかり! いらね!」

出た―――! 父の「拒否グセ」。こうなると、もう駄々っ子のように「いらね、いらね!」と繰り返し、てこでも動きません。急に、試乗が雲行き悪くなってきました。

私「とにかく、私の仕事だから!乗ってるところ、撮影させて。協力してよ」

父はしばらくブツブツ言っていましたが、承諾してくれました! 「仕事」ワード、思った以上のパワーを持っていました。頑固な親の説得に困ったら、おすすめです!

ちなみに後日、編集長にこの顛末を話したところ、記事にしようということになりました。「ニセ仕事」作戦はめでたく現実となり、今こうして原稿を書いています!

いよいよ試乗当日。スズキセニアカーの運転方法、普通の「バイク」と違うところは?

試乗「撮影」の日。ドタキャンを心配していた私に反して、父はいそいそと「じゃ撮影用に着替えてくる」と乗り気でした(!)。

いよいよ、試乗車とご対面! 本日の試乗車は、スズキ「セニアカーET4D」。色はペールイエロー。姉と私は「かわいい!私が乗りたい!」と大盛り上がりです。

ちなみにスズキの「シニアカー」の商品名は、「セニアカー」です。

セニアカーのもっと詳しい情報はこちら

スズキセニアカーと記念撮影する父母。ポーズは父が指導!

スズキセニアカー試乗には、必ず専任の指導員がついて操作や機能を説明してくださるそう。この日、試乗車とともに、わざわざ東京から来てくださったのは、スズキ自販東京のセニアカー安全運転指導員・岡村信幸さん。さっそく、父に乗ってもらいます。

持病や年齢を確認してから、試乗スタート!

運転は簡単! 前進orバックはスイッチで切り替えます。

速度はダイヤルで、時速1km(遅い)~6km(早い)の間で調整できます。最速で「大人の早歩きの速さ」とのことですが、私はちょっと小走りしないと追いつけないこともあったくらいです。

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自動車におけるアクセルにあたるのは、レバー。左右のレバーは連動しているので、右手が動かしにくい父も、左手メインで問題なく操作できました。

父の「試乗」初体験の様子とは? ついでに家族全員、試乗してみた「正直なところ」

父につづき、母、そして姉と私も試乗してみることになりました。

最近まで運転をしていた父と、現役ドライバーの姉は、あっという間に操作をマスター。父は危なげない運転っぷりで、上手にバックして縦列駐車もスムーズにこなしていました。

父はスムーズにバックをし、一発で縦列駐車に成功!

坂道も軽々と走行。速度については、「スピードがこれぐらい出るなら、少し離れたスーパーにも問題なく行けるな」と感じました。

父「これ、ヘルメットかぶらないでいいの?」

岡村さんヘルメットは不要です

父「そりゃぁいいね! ヘルメットってのが嫌だったんだ~」

___一番気になってたの、そこですか!?

姉は驚くくらい小さくグルグル回ってみたり、ジグザグ走行したりしていましたが、「全然倒れない!安定感がすごくいいね」と4輪ならではの安定感を実感したようでした。

問題は、運転免許を持たない母と、ペーパードライバー歴が長い私で……。共通していたのは、指で押しているアクセルレバーの放し方がヘタなこと! 少しずつ減速できずに、ガクンと止まってしまいます。ちょっと練習が必要かなと思いました。

また、母は「ボタンがいっぱいあって、難しい」とのこと。自転車しか運転したことのない母にとっては、そう感じるのも仕方ないかもしれません。

母は自転車以外の乗り物を初めて運転

「高齢者の運転事故」、シニアカーはだいじょうぶ?

そもそも父が免許返納を考えたのは、安全を考えてのこと。スズキセニアカーの安全対策はどうなっているのでしょう?

岡村さん「もしも危険を感じてレバーを強く握りしめてしまった場合、停止するようになっています

高齢者の自動車事故のニュースでよく聞く「アクセルとブレーキを間違い、かえってアクセルを強く踏んでしまう」ケースへの対策がされているなら安心です。

岡村さん「前方のセンサーが超音波で障害物を検知したときには、表示やブザー音で運転者に警告する『障害物検知サポート』がついています。近づきすぎてしまったときには、自動で減速しますよ」

実験的に私がセニアカーの前に立って運転してもらったら、かなり大きなブザー音が! 慌ててやめました。

岡村さん「事故防止の意味では、音声案内機能もあります。『左に曲がります』などアナウンスして周囲へお知らせしたり、運転者には充電が少なくなってきたことや誤操作を教えてくれたりします。それと、これも…」

岡村さんが取り出したのは、「スズキ電動車いす保険」! 操作や機能以外に、自社の保険まで用意されているとは! さすが今年「シニアカー40周年」を迎える老舗なのでした。

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《OTONA SALONE》

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