6月17日、俳優の高石あかりが、映画『夏の砂の上』(7月4日より全国公開)の完成披露舞台挨拶に登壇した。
【写真】オダギリジョー、松たか⼦、満島ひかりらと登壇したイベントの様子
本作は、「読売文学賞 戯曲・シナリオ賞」を受賞した松田正隆による戯曲を、気鋭の演出家・玉田真也が監督・脚本で映画化。息子を亡くした喪失感をきっかけに人生が止まってしまった主人公と、妹が置いていった17歳の姪との突然の共同生活。愛を失った男、愛を見限った女、愛を知らない少女…それぞれの痛みと向き合いながら、彼らが夏の砂のように乾き切った心に、小さな希望の芽を見つけていく姿を描く、切なさと温かさが交錯する物語であり、第27回上海国際映画祭コンペティション部門への正式出品が決まっている。
涼しげな薄い青色のドレスに身を包んだ高石は、共演者や監督と共にステージに登壇。オダギリジョー演じる主人公・治の姪である優子を演じた高石だが、本作への出演はオーディションを経て決定したと明かし、合格の連絡を受けた時の心境について、「オーディションの段階でオダギリさんと松さんのお名前は聞いていて、お二人の名前を聞いて絶対に作品に出たいと思っていました」と強い意欲を持って臨んだと振り返った。
しかし、「監督たちとお会いした時に個人的には『落ちたな』と思っていたので、マネージャーさんから電話で聞いた時は本当にびっくりしました」と語ると、「プロデューサーの方が『声と目がいい俳優はいい俳優だ』とおっしゃっていたのですが、それが自分に当てはまらない雰囲気だと感じてしまって、優しく言ってくださったのが逆に怖くて、『あ、終わったんだな』って思いました」と、当時の正直な胸の内を振り返った。
共演者とのエピソードについて問われると、「今回、皆さんと初共演だったんですが、一番最初に満島さんにお会いできたんです」と切り出し、「とにかくお会いしたくて、緊張するかなと思っていたら、満島さんが放つオーラにたくさん包まれて、緊張というよりすごく楽しい時間になりました」と、憧れの満島ひかりとの対面を回想。撮影現場の雰囲気についても、「のびのびと自由に演じさせていただきました」と語り、充実した期間だったことをうかがわせた。
さらに、「心に沁みた」エピソードをテーマにしたフリップトークでは、「長崎にて、満島さんと」と記したフリップを掲げ、撮影の合間に満島と長崎の町を「女子旅」したことを明かし、「カステラや釜飯をいただいたり、買い物に行った際に満島さんからバッグをプレゼントしていただいたんです」と嬉しそうに報告。短い撮影期間ながら満島と濃密な時間を過ごしたエピソードを披露しており、高石にとって満島との時間は忘れられない大切な思い出となったようだ。
さらに、長崎の夜景を見ながら2人で朝方になるまで語り合ったことも明かし、「本当にいい時間でした」と深い交流を振り返った。
錚々たる出演者が揃った本作。高石は作品への思いを、「こんなに豪華な方々とご一緒できるなんて本当にうれしいです」と明かして破顔すると、「自分にとってとても大切な作品ができました」と噛みしめるようにコメントした。
なお、舞台挨拶には高石の他に、オダギリジョー、松たか⼦、満島ひかり、森⼭直太朗、⾼橋⽂哉、光⽯研、⽟⽥真也監督が登壇した。
※高石あかりの「高」ははしごだか