「一生懸命働いているのに、給料は全然上がらない……。私だけ?」
「賃金平均が上がってるって本当? 転職したほうがマシ?」
そんな不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
「発想を変えたほうがいい。お金がなくても楽しく豊かに生きられる。すべては節約とコスパ意識、そして心がまえ次第」と語るのは、様々なメディアで活躍中のひろゆきさん。では具体的に、どうすればよいのでしょう。
最新著書の中から、ひろゆきさんが考える「コスパのいい働き方」を探りたいと思います。
※この記事は『貧しい金持ち、豊かな貧乏人 賢い安上がりな生き方80の秘訣』ひろゆき(西村博之)著
仕事に「好き」はいらない。自分の仕事を愛するヒントは「タモリさんのモットー」
「好きなことを仕事にしよう」「天職を見つけよう」転職サイトでよく見かけるフレーズである。僕はあまり感心しない。
もちろん好きなことを職業にできるなら、それがいちばんだ。でも現実はそんなに単純ではない。「天職」なんてそう簡単には見つからない。そもそも存在しないことだってありえる。
仕事とはだれかのニーズに応えて対価を得る行為だ。だから「自分が好きなこと」と「仕事として成り立つこと」が一致するケースは限られる。
かつて僕もゲーム好きが高じてゲーム業界の仕事に飛び込んだことがあった。でも、仕事としてゲームに関わるうちに純粋に楽しめなくなってしまった。だから早々いまや65歳定年どころか70歳まで働く時代だ。「好き」を基準にすると、いつか行き詰まってしまう。
それより大切なのは心身をすり減らさない働き方だ。そのほうが持続可能だし、人生全体の収入も多くなるだろう。
バラエティ番組「笑っていいとも!」の司会を32年間続けたタモリさんのモットーは「無理さえしなければ長続きする」だそうだ。短距離走ではなく長距離走。全力疾走を繰り返すのではなく、長期的視点に立ちマイペースで走る。そうすればいつまでも燃え尽きず、自分の仕事を愛せるのである。
好きなことは仕事に絡めない。趣味として楽しむにかぎる。それが末永く幸せに生きていくためのコツだろう。
仕事に「やる気」はいらない。報酬に見合う時間と労力で働くために大切な「ちから」とは?
仕事にやる気が持てない。そんな悩みを持つ人も多いようだ。でも仕事にそんなものは必要だろうか。むしろ、やる気なんて度外視したほうがはかどる。
やる気のある人ほど完ぺきを求めがちだ。いつも100点を目指そうとする。しかし100点満点なんかありえない。無理だ。結局、中途半端にタイムリミットを迎えるはめになる。完ぺきを求めると、その繰り返しでどんどん疲弊してしまうのだ。
仕事で大切なのは「やる気」ではない。きっちり終わらせることだ。つまり「仕事を淡々とこなす力」が物を言うのである。
たとえばプログラマーにとっていちばん重要なのは、いかに手間を減らし、効率よくやり遂げるかだろう。でも無暗に熱意のあるプログラマーは独自のアルゴリズムを考案するだけでなく完ぺきなコードまで書こうとする。報酬に見合わない時間と労力を費やすわけだ。
かたや、「やる気」を持ち込まないプログラマーは既存の優れたコードを援用し、最短ルートで業務をこなしていく。短時間で、クオリティの高い成果物を仕上げられるのだ。そのように淡々とこなせる人が勝者である。
作業を簡略化すると「もっとクオリティの高いものを出せ」と言われることがあるかもしれない。でも気にしないことだ。相手の高望みにいちいち付き合っていたら消耗してしまう。無理難題を押しつけてくる人ほど、自分勝手で人任せである。あなたのできる範囲で見切りをつけよう。
仕事とは単なる仕事だ。それ以上でも以下でもない。自分の時間やエネルギーをなにに注ぐかは、あなたの持つ最大の権利だ。あなたの人生の主役はあなたである。それを忘れてはいけない。
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■BOOK:『貧しい金持ち、豊かな貧乏人 賢い安上がりな生き方80の秘訣』ひろゆき(西村博之)著
■著者 ひろゆき(西村博之)
1976 年、神奈川県生まれ。1999 年、インターネットの匿名掲示板「2 ちゃんねる」を開設し、管理人となる。2005 年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」の運営に携わる。2009 年、「2 ちゃんねる」の譲渡を発表。2015 年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人となる。現在、数多くのネットメディアに出演する、日本を代表する論客の1 人。『1%の努力』(ダイヤモンド社)、『論破力』(朝日新聞出版)、『僕が若い人たちに伝えたい 2035 年最強の働き方』(Gakken)など著書多数。