「あと8日も一緒なんて無理」モラハラ夫の連休が始まった日から、子どもの笑顔が消えた。そんな中、私たち家族に起こった“異変”とは | NewsCafe

「あと8日も一緒なんて無理」モラハラ夫の連休が始まった日から、子どもの笑顔が消えた。そんな中、私たち家族に起こった“異変”とは

女性 OTONA_SALONE/LIFESTYLE
「あと8日も一緒なんて無理」モラハラ夫の連休が始まった日から、子どもの笑顔が消えた。そんな中、私たち家族に起こった“異変”とは

夫婦問題・モラハラカウンセラーの麻野祐香です。

年末年始、ゴールデンウィーク、お盆……。「長期休暇が待ち遠しい」という言葉がある一方で、「夫がずっと家にいる」ことで、苦しみが増す女性も少なくありません。

家族の食事を用意し、掃除をこなし、夫の不機嫌に気を遣いながら、自分の時間も心の余裕もなくなっていく日々。

今回は、そんな「長期休暇中にモラハラが悪化する家庭」で起きた、S子さんのケースをご紹介します。

「早く休みが終わってほしい」それはただの愚痴ではない

S子さんは結婚15年目、40代の主婦で小学生の息子がいます。普段は夫が仕事で家を空ける時間が多く、夫婦の衝突はそこまでありませんでした。けれど、長期休暇が始まると、空気が一変します。

「普段の休日はまだマシなんです。1日2日であれば耐えられるけれど、連休が続くと状況は違ってきます」

「家族の時間が増えていいですね」と言われても、S子さんにとってそれは、ただの苦行でした。

朝、夫が起きてくるより先に台所に立ち、朝食の準備。子どもの宿題を見て、洗濯を終えた頃、夫が起きてきます。

「なんだ、そのくだらない番組は!」

子どもが見ていたテレビに文句をつけ、驚いた子はすぐにテレビを消します。

「宿題はもう終わってるの、いまちょうど休憩時間なのよ」とS子さんがかばえば、さらに夫の不機嫌はエスカレート。食事中はパンの焼き加減やドレッシングの銘柄にまで文句をつけてきます。

「ドレッシング、なんで勝手に変えたんだよ。前のやつの方がよかった!」

「あなたが「飽きた」って言ったから別のものにしたんだけど…」

ぐちぐちと文句を続ける夫。掃除中もソファから動かず、「棚のホコリもちゃんと取れよ」「掃除機の掛け方が雑だ」などと、一切手伝わないのに指示だけは飛ばしてきます。

そのすべての言葉に共通しているのは、“改善”のためのアドバイスではなく、“妻を否定することで自分が満足する”ための言葉だということです。

「父親の長期休暇なのに、子どもが笑わない」

本来なら、子どもが父親と過ごせる時間が増えるのは嬉しいはずです。
でも、S子さんの子どもは、連休に入るたびにどんどん口数が減っていくのです。

「ママ、パパまた怒ってるね」

小さな声でそう言った息子に、S子さんは笑顔で「大丈夫よ」と返すしかありませんでした。
でも、その笑顔は苦しさを隠す仮面でした。

夫は日中、テレビやスマホを見てだらだら過ごし、食事の時間になると「まだ?」「これだけ?」と文句をつけてきます。S子さんがどんなに頑張っても、料理に感謝の言葉が返ってくることはありません。

もしS子さんが文句を返そうものなら、さらに倍返しの怒号が返ってくることは目に見えていました。

その年のGWは、有給も使い12連休になっていました。「夫が家にいるのは後8日もある」S子さんは昼食を食べながら、ふと自分の手が震えていることに気づきました。

「私もう限界かもしれない」S子さんは心の中で思いました。

モラハラ夫の“家族サービス”は、えてして苦行

ある朝、突然夫が「今日は出かけるぞ」と言い出しました。
行き先も予定もすべて自分で決めておきながら、渋滞に巻き込まれれば「お前がグズグズしてたからだ」と怒り出す。

子どもが「行きたくない」と言えば、「文句あるのか」と一喝。車内はすぐに凍りついたような空気になりました。

それでもS子さんは、なんとか場をつなごうと会話を振り、音楽を流し、コンビニで飲み物を買って渡しました。けれど、夫はそれらをすべて無視。返ってくるのは冷たい言葉だけでした。

それでもS子さんは、子どもが怖がらないように笑顔を崩しませんでした。張り付いた笑顔の仮面の裏で、S子さんはこう悟ったといいます。

「ああ、私……心が壊れかけてる」

どこかに助けを求めたい。逃げ出したい。

けれど、逃げ場のない現実だけがそこにありました。

なぜ、こんなことが起こるのでしょうか。

それは、「いつ怒られるかわからない」という緊張状態が、家庭という本来安心すべき場所でずっと続くからです。人は安全が脅かされると、脳が常に“警戒モード”になります。すると、普通の会話や何気ない時間でさえもストレスに変わってしまうのです。

どれだけ気を遣っても報われず、日常が“地雷原”のようになっていく──それが、モラハラ家庭の長期休暇に起きていることなのです。

本編では、長期休暇中にモラハラ夫との生活が悪化し、S子さんが日常の中で少しずつ心をすり減らしていった様子をお伝えしました。
▶▶ある朝「子どもの様子がおかしい」と気づいた彼女が、モラハラ夫との暮らしに下した決断とは

では、逃げ場のない日々の中で心を守る具体的な方法と、モラハラ夫の心理的背景についてお届けします。


《OTONA SALONE》

特集

page top