【モデルプレス=2025/04/26】今田美桜主演の連続テレビ小説「あんぱん」(NHK総合・毎週月~土あさ8時~ほか)の脚本を務める中園ミホ氏に、モデルプレスら報道陣がインタビュー。Vol.1では、朝田のぶ(今田)と柳井嵩(北村匠海)の設定秘話を語った。【写真】今田美桜「すっぴん?」と話題のドアップショット◆今田美桜主演朝ドラ「あんぱん」放送100年、そして戦後80年を迎える朝ドラ第112作目となる本作は、「アンパンマン」を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦がモデル。2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどり着くまでの人生を、激動の時代を生きた波乱万丈の物語として大胆に再構成。登場人物名や団体名などは一部改称して、フィクションとして描く。主人公・のぶを今田、後にのぶの夫となる嵩を北村が演じる。中園氏は、小学生の頃にやなせさんにファンレターを送ったことをきっかけに文通がスタート。やなせさんを知る中園氏だからこそ描ける「あんぱん」とは。◆「あんぱん」のぶ(今田美桜)&嵩(北村匠海)、幼馴染設定の理由― 実際には大人になってから出会ったやなせさんと暢さんを、作品では幼馴染の設定にした理由を教えてください。中園:史実に忠実にするのであれば、パラレルで描かなければいけなかったかもしれないですが、やなせさんに「子供のときはどんな子でしたか?」と聞いたら「気が弱くてあまり男の子っぽい遊びはしなくて、女の子の友達がいた」「その子と遊んでいたことぐらいしか覚えていない」とおっしゃっていたんです。「どんな子でしたか?」と聞いたら「元気の良い女の子だった」とおっしゃったので、もし暢さんが近所に住んでいて、知り合っていたらこういう会話をしたんじゃないかとオリジナルで作らせてもらいました。やなせさんが女の子と遊んでいたという言葉が私にとっては印象深かったので、他の女の子が出てくるより、暢さんを、と。あと、複雑な生い立ちなので、センチメンタルな詩もいっぱい残っていて、寂しかったのかなと思い、そこに元気の良い明るい女の子がそばにいてくれたら良いなという私の願望も入っています。― そこから恋愛関係になっていく過程の描き方はどのように意識されましたか?中園:この2人が出会ったら、こういう会話をして、こういうことが起きるのではないかなと作っていったら自然と恋に落ちました。私も早く観たいシーンの一つで、見どころです。残っている暢さんのエピソードはほぼ全部物語に入っていて、実際の2人とあまり違いはないんじゃないかな、と。暢さんとやなせさんの間ではこういう会話がなされていたんじゃないのかなと想像を膨らませて描いています。◆「あんぱん」幼少期スタートの意図― やなせ夫婦の物語ですが、のぶが主人公。2人の描き方のバランスで意識していることはありますか?中園:結婚したところから始める描き方もあったかもしれませんが、どうしてもやなせさんの幼少期を描きたかったんです。実は2人が結婚するのはかなり経ってからなので、青春期は2人を描く上でとても大切だと思いました。分量的には同じくらいで、結婚してからだとやなせたかしを描いたことにならないということで幼少期からスタートしました。― 「あんぱん」で伝えたいことを教えてください。中園:伝えたいことはたくさんあります。「なんのために生まれて なにをして生きるのか」という歌詞も伝えたいですし、戦争で弟を亡くされたこと、その果てに「アンパンマン」が生まれたことがとても尊いことだというのを改めて強く感じたので、やなせさんの精神全てを伝えたいです。(modelpress編集部)【Not Sponsored 記事】