これまで花粉症ではなかったのに、2月3月のある日、突然目や鼻に症状が出て、「風邪かな……? でも、治らないな……?」なんて感じで花粉症に突入してしまった人はいませんか?
現在、40代50代になってから花粉症を発症する人が増えているのです。なぜ、今ごろ、花粉症になってしまうのでしょうか? 花粉症は、スギ、ヒノキ、イネ科、ブタクサと秋まで続きますので、その原因と対策について、満尾クリニック院長・医学博士の満尾正医師にお話を伺いました。
摂取したいビタミンD量は「1日50μg」、それって何をどのくらい食べればいいの?
―――前編記事ではビタミンDがアレルギーに対しても重要な働きをしていることを伺いました。 花粉症の予防や改善のためにどれぐらい摂ったらいいでしょうか?
さきほど言ったように日光浴をしない人や肥満、脂肪肝などにより個人差があります。アレルギー疾患の予防や改善のためには、血液中のビタミンD濃度を50ng/mlにまで上げることが重要です。この濃度を維持するには、食事・日光浴・サプリメントによって1日50μg は補給する必要があります。脂肪肝がある人は100μgを意識するといいのではないでしょうか。
―――50μgの「μg」とは?
ビタミンDの単位は、μg(マイクログラム)とIU(アイユー)が使われます。1μgは1000分の1mgで、IUは国際単位の略です。1μg=40IUに相当しますので、50μgは2000IUになります。
―――過剰摂取の問題はありませんか?
サプリメントの補充に関して、高カルシウム血症などの副作用の発現はほとんどなく安全な補充方法と言えます。骨粗鬆症などの治療用医薬品「活性型ビタミンD」の場合は、医師の処方が必要になり、大量にとると高カルシウム血症や高リン血症などの副作用のリスクが高くなります。
当院では、毎日25,000IUのビタミンDサプリメントを飲んでいた方を診察したことがあります。血中のビタミンD濃度は150ng/mlとかなり高い数値でしたが、体に悪い影響や副作用はまったく見られませんでした。
「1日50μgのビタミンD」どうやって摂取すればいい?「答えは3通りあります」
―――ビタミンDを摂ろうと意識している人はまだまだ少ないようです。どのように摂ればいいでしょうか?
ビタミンDの摂取方法は、「日光浴」「サケなど魚を食べる」「サプリメントで摂取」の3つです。それぞれに注意点があります。
太陽の光を浴びて
日焼け止めが塗布されていない皮膚に紫外線が当たることでビタミンDが作られます。
紫外線量は、地域、季節、時間帯、天候によって変わりますが、一つの目安として、3月から9月では、紫外線が強い午前10時から午後2時の間に、半袖半ズボンで週3日、15〜30分の日光浴で、ビタミンDの至適濃度(40〜80μg/ml)が維持されると言われています。
「手のひらに15分当てればいい」という説に関しては、真夏の快晴の正午でビタミンD生成は2〜5μg、冬はほぼゼロです。そこで、地域別に、何分日光に当たれば、ビタミンD10μgを生成できるかわかるサイトがあります。日焼けしないための時間も表示されています。
*国立環境研究所地球環境研究センター「ビタミンD生成・紅斑紫外線量情報」
あくまで10μgを生成するための時間になります。
始めにお伝えした「年齢を重ねると皮膚でがつくられる能力は低下する」ことを忘れず、このような情報を利用して、太陽の光を浴びる習慣を意識して持ちましょう。
TIPS/どうしても日に当たりたくない場合はどうすれば?
→紫外線大国オーストラリアから登場した、日焼けから肌を守りビタミンD生成をサポートする日焼け止めを取り入れてみては?

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2. サケや青魚を食べて
まず、日本人の食事摂取基準(2020年版)では、成人の目安は「8.5μg」。これは、必要量ではなく目安です。日本人の8割以上は血中ビタミンD濃度が不足しているのですから、ビタミンDを多く含む食品を摂る必要があります。
代表的なものは、鮭などの魚類です。煮ても焼いても含有量は変わりません。干した魚はビタミンDが増加。
・サケ一人前約100g / 約38.4μg
・しらす干し(半乾燥)大さじ2杯/約12.2μg
・いわし(丸干し)/2尾で約25μg
・うなぎ一人前100g/約19μg
・手軽なツナ大1缶/約3.3μg
サケ1人前としらす干し大さじ2杯で目標の50μgが摂れますね。
一方、植物由来では、干ししいたけが代表格で「ビタミンD2」になります。動物由来の「ビタミンD3」とは構造が少し異なり、「ビタミンD3」の方が「ビタミンD2」よりも3〜4倍以上の生理活性があることがわかっています。
肉や卵、牛乳にも含まれていますが、魚に比べるとかなり少ないため、50μg摂取のためには、毎日、何らしかの魚を食べることをお勧めします。
サケの切り身一人前100gで約38,4μg
3. サプリメントでの摂取
紫外線量が少ない高緯度の北欧では、ビタミンD不足による病気予防のために、国をあげてビタミンDサプリの摂取が積極的に推奨されています。彼らの血中ビタミン D濃度は、日本人の値よりも高いんですよ。
血中ビタミンD濃度は、体質や体格などによって、摂取したビタミンD量と必ずしも一致しないため、できれば、ご自分の血中濃度を調べて、足りているのか欠乏しているのかを知って摂取してほしいですね。
―――どのようなサプリを選べばいいですか?
多種多様なものが発売されています。安価なものは濃度が低くないか、添加物が多く入っていないかの確認が必要です。また、動物由来の「ビタミンD3」を選んでください。理由は魚のところで話していますが、植物由来のビタミンD2よりも3〜4倍以上、吸収・利用効率が高いからです。
ビタミンD単独のもの、相乗効果が期待できる他の成分入りのものなど、ご自身の体質や体調に合わせて摂取してみてください。また服用は朝をお勧めします。日中の血中ビタミンD濃度を上げることが理想ですから。
私は、毎日125μgのビタミンD3を摂取しており、血中ビタミン濃度は 理想的な50 ng/ml前後を維持しています。ビタミンDは人体の皮膚で作られる栄養素なので副作用はありません。日光を浴びない人や魚を食べない人は欠乏状態にならないよう十分に補充しましょう。
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骨のビタミンにとどまらず、免疫をコントロールしているビタミンD。満尾先生によると、近年、医学的に注目され、世界中でさまざまな分野の研究が進んでいるところですが、ほぼ全ての身体機能に関わるスーパービタミンだそう。健康を維持するためには欠かせない栄養素ですね、まずは、花粉症の予防・対策として、こつこつとビタミンD摂取を始めましょう!重症な人は満尾先生と同じぐらい摂ってもいいかもしれませんね。
つづき>>>>『「風邪かなと思ったら、この年になって花粉症を発症してました」そんな人が「大抵足りていない」意外なモノとは【満尾正医師が解説】』
【満尾 正先生】
「ビタミンDの第一人者の一人」 満尾クリニック院長・医学博士
1982年北海道大学医学部卒業。内科研修を経て杏林大学救急医学教室講師として救急救命医療に従事。ハーバード大学研究員、救急振興財団教授を経た後、アンチエイジングを中心としたクリニックを2002年に開設。現在に至る。日本キレーション協会代表、米国先端医療協議会(ACAM)理事 。著書多数。近著に『「名医の食卓」ハーバードの最新栄養学をあなたの食卓に』(アチーブメント出版)