現在公開中の映画『悪い夏』で主演を務めている北村匠海。同作では、真面目に生きるも気弱な性格ゆえに犯罪に巻き込まれてゆく主人公の姿を熱演し、その演技がSNSでも反響を呼んでいる。そこで本記事では、北村の最近の活躍を振り返りながら、『悪い夏』で見せる新境地にスポットを当てたい。
【関連】北村匠海、俳優・アーティスト・映画監督とマルチに大活躍!多彩な才能を武器に破竹の勢い
4人組ロックバンド・DISH//のメンバーとして活動しつつ、昨年放送された日曜劇場『アンチヒーロー』(TBS系)では、長谷川博己演じる弁護士・明墨正樹の事務所に勤める赤峰柊斗役を務め、同作での鬼気迫る演技が話題を集めるなど、実力派若手俳優としても存在感を示している北村。その活躍はアーティスト・俳優業だけにとどまらず、今年2月に公開された映画『世界征服やめた』では企画・脚本・監督を担当し、映画監督としてもデビューを果たすなど、多方面でマルチな才能を発揮している。
さまざまなチャレンジを続ける北村だが、先日公開された主演映画『悪い夏』でも役者として新たな表情を見せている。同作は、“クズとワルしか出てこない”と話題を呼んだ染井為人の傑作小説を映画化した作品。北村演じる真面目に生きてきた気弱な公務員・佐々木守が破滅へと転落していく姿を描いたサスペンス・エンターテインメントだ。本作のメガホンを取った、映画『夜、鳥たちが啼く』『女子高生に殺されたい』(共に2022年公開)などの話題作を手掛けてきた城定秀夫監督について、北村は公式コメントの中で、「いつかご一緒させていただきたいと思っていました」「そしてそれが『悪い夏』で叶えることができて良かったなと、映画を見終わった後に改めて思いました」と喜びの心境を明かしている。
北村と言えば、これまで実写版『東京リベンジャーズ』シリーズやNetflixシリーズ『幽☆遊☆白書』といった作品でひたむきな主人公を好演し、“ハマり役”と高く評価されてきた印象だが、今回の『悪い夏』ではガラリと雰囲気が変わり、主人公の佐々木が地獄へと引きずりこまれてゆく“闇堕ち”演技で異彩を放っている。『東京リベンジャーズ』シリーズでも共演した磯村勇斗は、「光さえも呑み込むような乾き切った眼差しは彼にしか表現できないと感じました」とコメントを寄せているほか、SNSでも、「やっぱり目だけで演技させたら匠海くんは天才だ」「フツーの公務員の顔から段々と生気を失ってゆく北村匠海の演技すごっ!」「こんな北村匠海は見たことない!」などと絶賛の声があがっており、その演技で観る者を唸らせたことがうかがえる。
『悪い夏』で、また新たな境地を切り拓いた北村。今後も、刑務所や拘置所への差入を代行する「差入屋」を営む家族のヒューマンサスペンス『金子差入店』の公開が5月に控えているほか、NHK連続テレビ小説『あんぱん』の放送開始も間近で、2025年もこの勢いが止まることなく続きそうだ。成長し続ける彼のさらなる活躍に期待したい。