【モデルプレス=2025/03/16】TBS系日曜劇場「御上先生」(毎週日曜よる9時~)で主演を務める俳優の松坂桃李(まつざか・とおり/36)にモデルプレスらがインタビュー。 Vol.1では、役作りで意識していること、作品を通じて芽生えた思いを語ってもらった。1人の父としても考えた教育環境・子供との向き合い方とは?<※インタビューは第6話放送後に実施>【写真】「御上先生」生徒役29人全員を一挙紹介【プロフィール・これまでの出演作】◆松坂桃李主演「御上先生」本作は子供が生きる「学校」、大人がもがく「省庁」を中心に物語が展開。未来を夢見る子供たちが汚い大人たちの権力によって犠牲になっている現実、そんな現実に1人の官僚教師・御上孝(松坂)と、令和の高校生たちが共に立ち向かう、教育のあるべき真の姿を描く大逆転教育再生ストーリーとなる。◆松坂桃李、御上の独白シーン撮影裏側明かす― 第6話で放送された御上が生徒に自身の過去を打ち明けるシーンはネット上でも大きな反響がありましたが、撮影を振り返って率直な感想をお聞かせください。松坂:前半戦がようやく折り返し地点に来たなと。でも、詩森(ろば)さんが伝えたいことや、飯田P(飯田和孝プロデューサー)が込めたメッセージ、各話を担当した監督たちが見せたいものはまだまだ沢山残っているので、最後まで気が抜けないなという思いでいっぱいです。― 第6話で特に印象残っているのはやはりここのシーンでしょうか?松坂:そうですね。独白シーンでは、生徒それぞれの表情を撮る時に監督が鮮度を保ちたいという思いから、生徒のブロックごとに「頭からやりますか」とその数だけお芝居したのですが、その時は久しぶりに疲れました(笑)。― それだけ重要なシーンだった。松坂:はい。やっぱり生徒の前での授業や、告白をするのはすごくカロリーを使います。生徒を前にして教壇に立つと、生徒全員からの視線が一気に集中するので、緊張感がぐぐぐぐっと口から胃の中に急激に入ってくるような、教師役でしか得られない緊張がやってきます。◆共演者と共に創り上げた御上とは「多面的であるべき」― 御上はすごくクールで冷徹に見えますが、見ているとしっかり愛の人だと分かる不思議な存在感を持っているキャラクターだと感じました。御上を演じるにあたり、“ここは外せない”と思っているポイントや、役作りで気をつけていることを教えてください。松坂:今おっしゃっていただいたように「クールで冷徹」というような人物像ではあるけれど、やはり人間はすごく多面的で、クールな人でも笑ったり心踊るような瞬間もあれば、恐怖を抱いたり不安な瞬間もあると思います。生徒に対しての一面、理事長に対しての一面、是枝先生(吉岡里帆)に対しての一面、自分の母親に対しての一面といろいろな顔があって…。今回作品に入るにあたって、クール一辺倒では絶対にいけないと思ってこの現場に参加しました。だから、僕1人でこの人物を作り上げたというよりは、キャストの皆さんと、それぞれの方とお芝居をすることによって御上孝という人物が形成されています。御上は「常に完璧でエリート官僚でクールで冷徹で…」とワードだけで括ると、それは本当にその通りですが、その表面上だけではないところを踏まえて考えると、多面的であるべきだと思います。これは僕の考えですが、どんな人であれ絶対にいろいろな面を持っていると思うので、連続ドラマだからこそ多面的な部分も幅広く、御上なりの深みを表現できればいいなと思いながら演じています。― 御上なりの深みとは?松坂:彼の根本にある教育を変えたいという思いの強さです。そこへ思いが至ったのは兄の事件があったから。兄に執着している理由、それは兄への尊敬と憧れがあったから…と、こういう深掘りをしていきました。幼少期の御上を見ていると、とっても可愛らしい少年のような心や、お兄さんを尊敬する眼差しがあった上で、兄の事故があったという過去を遡っていくと、その人の幅の広さみたいなものが見え隠れしてくるのではないかと感じました。◆松坂桃李「初めての経験」3文字の台詞に変化― シリアスなテーマも多く扱われていますが、松坂さんご自身の中で特に印象的だったエピソードや、生徒たちとの撮影の様子を教えてください。松坂:どれか1つの授業というよりは、毎話、御上が生徒に対して授業をするシーンは全部印象に残っています。アクティブリコール、ビジコン(ビジネスコンテスト)、文化祭の催し物をめぐるディベート…生徒自身に考えさせて、みんなで共有していく姿はどれも印象的です。どのシーンにおいても、御上は「考えて」と必ず言うんです。そのたった3文字ですが、物語が進むにつれて生徒たちの皆さんのお芝居を見ることで、自分の中でも場面によってニュアンスが少し変わっています。こういった経験は初めてなので、どのシーンもすごく印象に残っています。それぞれの生徒も、自分1人が長尺で喋らなければいけないシーンの撮影は緊張していたりして、中には教壇に立って喋る生徒もいて、きっと段取りでパッと上がった時に一気に緊張感が湧き上がってくるんでしょう。「その気持ち分かるよ」「僕もそうだった」と共感しながら見守っていました。― この作品は、行動することを考えさせられる作品だと思いますが、松坂さんご自身が本作から影響を受けてご自身の活動において今後活かしていきたいこと、芽生えた思いがありましたらお聞かせください。松坂:これほどまでにやる意義のあるドラマだと思ったのは、自分の中では初めてです。すごくメッセージ性が強く、ともすれば、「考え方が偏りすぎだ」と言われかねないような作品をやる意義を改めて実感しました。僕の仕事はエンターテインメントを伝える、創る仕事でもありますが、それと同時にその時代の社会に何を投げかけていくか、どういうメッセージ性を込めたら観てくださる人たちが考えることができるか、思いを馳せることができるか、または次の日の憂鬱な月曜日への重い腰をいかに軽くさせることができるか、ということを改めて考えさせてくれた作品でもあるので、これから役者人生において、そういうもの作りを続けていきたいと思いました。◆松坂桃李「御上先生」を通じ心に決めた子供への接し方― 父親でもある松坂さんご自身が、今後の教育に対して考えていることがあれば教えてください。松坂:改めて僕自身が父親になったからこそ、10年後、20年後の日本の教育環境がどうなっているのかというのはすごく気になります。何より生徒自身が主体性を持って考え、発言に責任を持って物事に向き合っていく教育環境が主体となれば、また違った世の中になっていくのではないかと思っています。また、自分自身は子供に対する接し方も少しばかり変わりました。御上先生みたいな接し方ではないですし、まだ言葉も分からない年齢ですが「一緒に考えてみよう」と言い続けようと心に決めました。親が歩んできた人生経験を経て答えを出すのはそれほど難しいことではないと思いますが、子供と一緒に成長しながら考えることの大事さを改めてこの作品で学ばせてもらったので、この作品で得たものをしっかりと自分の人生においても持ち続けなきゃいけないと考えています。― この作品を通じて観ている方にどんなことを受け取ってほしいなと考えておりますか?松坂:御上がずっと言っていることですが“考える”こと。考えた上で答えは出ないかもしれないですが、考えて考え抜いていく。その考える力が、きっとそれぞれ歩んでいく人生で必要なことなのではないか思います。今、世の中は情報が飛び交っていて嘘も真実も沢山あって、簡単に手のひらが返されてしまうような情報化社会です。そんな中でも、自分主体で考えること、想像力を働かせながら一面だけの情報に惑わされず自分で考え続ける力の必要性を改めて教えてくれる作品だと思っているので、僕自身にとってもすごく学びになりました。― 以前のインタビューで、社会に投げかけるべきメッセージ性を持つ作品を地上波でやりたいとおっしゃっていました。今回日曜劇場で実現しましたが、どんなお気持ちになりましたか?松坂:これがゴールだとも思ってもないので、嬉しい気持ちともまたちょっと違いますし…。ここまでギリギリなワード、台詞、描写含め、こういう題材を地上波のドラマで成し遂げることができたという実績は、自分の中ではとても大きなことだと思いました。これがゴールではないですが、そういったメッセージ性とエンタメ性を融合させて、視聴者の方にお届けすることを続けていきたいと改めて思いました。― 視聴者の皆さんに向けて見どころやメッセージをお願いします。松坂:いよいよ1話から布石を打ってきたものが9話で少し明かされていきます。途中から登場した謎のヤマトタケルが一体誰なのかも今回の放送で明らかになります。それぞれの軸が1つになって最終的にどこに向かってどういう終着点を迎えるのか、ぜひ皆さんで見届けてほしいと思いますし、なぜこの「御上先生」のクラスが29人という数字なのも踏まえて考えていただきたいです。★Vol.2へ続く!(modelpress編集部)◆松坂桃李(まつざか・とおり)プロフィール1988年10月17日生まれ、神奈川県出身。2009年に「侍戦隊シンケンジャー」で俳優デビュー。その後、映画、ドラマ、舞台など多数出演。映画「孤狼の血」シリーズで第42回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞をはじめ、数々の賞を受賞。近年の主な出演作は、映画「スオミの話をしよう」(24)、「雪の花 ―ともに在りて―」(25)、ドラマ「離婚しようよ」(23/Netflix)、「VIVANT」(23/TBS)など。映画「父と僕の終わらない歌」が5月23日に、「フロントライン」が6月13日公開予定。また2027年のNHK大河ドラマ「逆賊の幕臣で主演を務める。◆「御上先生」第9話あらすじ「助けて」という富永(蒔田彩珠)の元に向かった御上(松坂桃李)と次元(窪塚愛流)。彼らが目にしたのは、聡明で、明るい彼女とは程遠い、苦しみを抱えた姿だった…。そして悠子(常盤貴子)から語られる隣徳学院で起きた出来事、戸倉樹(高橋恭平)が抱えていた苦悩が明かされ、明らかになり始める隣徳の不正。そして遂に、3年2組の中に不正入学をした生徒の名前が明かされ、ヤマトタケルが姿を表す。その人物は、本当に味方なのか、それとも敵なのかーー。エピソードは遂にファイナル直前、最大のクライマックスを迎える。【Not Sponsored 記事】
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