ドリームエリアは、高校の授業料無償化と教育の未来について調査するため、同社が提供する学校業務支援システム「マチコミ」を利用する全国の保護者を対象にアンケート調査を実施し、その結果を公開した。調査は2025年2月21日から2月25日にかけて行われ、7,789名の有効回答が得られた。 この調査は、高校の授業料無償化に対する賛否を問うもので、家計負担の軽減と教育の未来に関する意識を探ることを目的としている。調査対象は「マチコミ」利用者で、未就学児から大学生までの子供をもつ保護者が含まれている。調査方法はインターネットを通じて行われた。 調査結果によると、高校の授業料無償化について「公立・私立高校ともに無償化すべき」と回答した人が53%にのぼり、半数以上が無償化に賛成していることがわかった。「公立高校のみ無償化すべき」との意見は28%で、私立高校への支援については慎重に考えるべきだとする声も多くみられた。一方で、「現在の補助金の増額で対応すべき(8%)」や「高校の授業料は無償化すべきではない(6%)」という意見もあり、無償化ではなく部分的な支援の拡充を求める声も一定数存在している。 無償化に賛成する回答者のうち、「所得制限を設けず、すべての世帯を無償化の対象にすべき」とする意見が48%ともっとも多かった。一方で、「公立・私立高校共に所得制限を設けるべき(25%)」や「私立高校のみ所得制限を設けるべき(22%)」といった意見もあり、財政負担の公平性や高所得層への優遇に対する懸念が反映された結果となった。 公立高校の無償化に反対する理由としては、「本当に必要な人への支援が薄まるため」が38%で最多となり、社会全体への支援の公平性を求める声が強いことがわかった。また、「無償化より授業の質向上に予算を使ってほしい(36%)」という意見も多く、単なる無償化ではなく教育の充実を求める傾向が見られた。 私立高校の無償化に反対する理由では、「私立高校の学費は各家庭の選択の結果であり、公費負担は不要(59%)」とする意見がもっとも多く、公的資金の使途を公平にすべきという考えが根強いことが示された。ついで「財源の確保が難しい(23%)」や「高所得世帯への適用は不公平(27%)」といった財政面や公平性への懸念が目立った。 また、調査では「もし無償化されていたら私立高校を選んでいた」と答えた人が23%にのぼり、経済的な理由で進学先を制限されている現状が浮き彫りになった。無償化が進めば、より多くの生徒が自分に最適な教育環境を選べる可能性があることが示唆された。 さらに、特に推進してほしい減税・補助政策として、大学費用の支援を求める声が59%ともっとも多く、高校無償化に関する調査であるものの、大学進学に対する経済的負担の大きさが浮き彫りになった。特に、奨学金の返済負担が社会問題化していることも背景にあると考えられる。 全体として、高校無償化の必要性は多くの家庭に支持されているものの、財政負担の公平性や支援の優先順位については慎重な議論が求められている。教育費や生活費の負担軽減が進めば、「子育てしやすい社会」への道が開け、将来的な出生率の向上にも寄与する可能性があると考えられる。