キッズドアは、冬休みを迎える困窮家庭の子供たちに向けた緊急食料支援と学習支援を開始した。物価高騰の影響で生活が厳しい家庭が増える中、同団体は子供たちの「食」と「学び」を支えるため、全国からの寄付を募り、全国からの温かい支援を呼びかけている。寄付は税制優遇の対象となり、個人・法人を問わず、寄付金の受領書が発行される。寄付金は、目標金額の達成有無にかかわらず、すべての活動に活用される。寄付は、2024年12月27日午後10時まで受け付ける。 2024年夏にキッズドアが実施した調査によると、物価高騰の影響で困窮家庭の子供たちが厳しい生活状況に置かれていることが明らかになった。この調査は、子育て家庭の経済状況や子供たちの生活環境を把握するために行われたもので、冬休みを迎えるにあたり、同様の状況が続くことが予想されている。 調査によれば、2人家族(親1人・子1人)の場合、約7割の家庭で1か月の食費が2万円台以下であり、1人当たり1万円程度で生活しているという結果が出た。世帯所得が低いほど、子供の成長や健康状態に悪影響が見られ、「子供が風邪をひきやすくなった」「体重が増えていない」「身長が伸びていない」といった問題が報告されている。 また、夏休み中に予定の無い家庭が半数以上を占め、家族で出かける余裕がないことや、友達と遊ぶことを我慢している子供たちが多いことも明らかになった。長期休みが明けると、家族で旅行に行った友達の話を聞いて羨ましそうにする子供たちもいるという。 困窮家庭の学習塾利用率は一般の半分未満であり、受験を控える学年の子供たちが冬休みの講習を利用できない状況もある。経済的な問題で参考書や模擬試験の受験も難しいという声があがっている。 キッズドアは、困窮家庭の子供たちが冬休み・年末年始を安心して過ごせるよう、食料支援や学習支援を行うことを決定した。進学を控える子供たちには、給食が無くなる冬休みに食料を自宅に直接配送する支援を行う予定で、1世帯当たり1万円の支援を約1,250世帯に提供するため、1,250万円が必要とされている。 さらに、栄養が摂れない乳児には粉ミルクを届ける支援も行う。経済的困窮下で「粉ミルクを薄めて与えている」という事例が確認されており、健康リスクを伝えるとともに、食料支援と並行して自宅へ配送する。 学習支援の場として、東京都近郊および宮城県内で完全無料の学習会を運営し、2,000名ほどの生徒を対象に約70教室を展開する。冬休みを含む下半期の運営費として約700万円を充て、学習支援や生活支援、体験活動の提供を行う。 困窮家庭の子供たちが冬休みに入っても、親は仕事に出かけ、友達との遊びにかけられるお金もない。光熱費のかかる暖房もつけられず、宿題を見てくれる大人もいない自宅に一人取り残される子供たちに寄り添う支援が求められている。 キッズドアは2009年の設立以来、日本の子供の貧困課題の解決に取り組んでおり、コロナ禍で困窮する子育て家庭が急増した2020年からは「ファミリーサポート」というシステムを作り、全国の困窮子育て家庭を対象に情報支援や食料・文房具支援、保護者への就労支援も行っている。 今回の支援活動は、困窮家庭の子供たちが安心して冬休みを過ごし、未来に繋がる学習や体験機会を得るためのものであり、寄付の税制優遇も受けられる。詳細はキッズドアのWebサイトで確認できる。