54歳「私だけ独身で、気が重い」と思っていた同窓会。再会した彼と「オトナの別居婚」をするまで | NewsCafe

54歳「私だけ独身で、気が重い」と思っていた同窓会。再会した彼と「オトナの別居婚」をするまで

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54歳「私だけ独身で、気が重い」と思っていた同窓会。再会した彼と「オトナの別居婚」をするまで

25~44歳女性の就業率は上昇し続け、約8割が働く女性という現代。それに合わせて、女性の生涯未婚率も増加の一途を辿っています。 結婚をしたいけれど出会いがない、成婚に至らないということはなぜ起きるのか、働く女性は婚活にどのような悩みを抱えているのでしょうか。

アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラーの伊藤友美さんのもとには、さまざまな悩みを抱える婚活女性が訪れます。

今回は、同窓会での再会をきっかけに結婚をしたアラフィフ女性の婚活ストーリーを紹介します。

※プライバシーに考慮して、事実関係の一部を変更しております。

働く女性の婚活百景 #23 前編

80代の母親がいなくなったら「ひとりになるのか

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W子さんは54歳。金融機関で経理部門に勤務しています。

30代後半からつかず離れずの交際を続けていた男性がいましたが、彼が実家の事業を継ぐために故郷へ戻ることになったのをきっかけに別れることを決めました。45歳のときのことです。

その後は、特に出会いもなく、仕事にいそしみ、趣味を楽しむ日々を送ってきました。

W子さんは、実家で80代の母親と2人で暮らしています。教員だった母親は、当時から生徒たちに慕われていて、今でもときどき当時の生徒が顔を出して、仕事での成果を報告してくれたり、子どもの成長を伝えたりしてくれます。W子さんは、そんな母親の仕事への姿勢を尊敬し、見習ってきました。

しかも母親は、仕事が忙しくても家事や育児に手を抜くことはありませんでした。料理が得意で、今もW子さんが帰宅すると、どんなに遅くなっても温かい手料理で迎えてくれます。W子さんは母親の味が好きで、休みの日には一緒に台所に立って味付けを教えてもらっています。

年齢を感じさせないほどしゃんとしている母親ですが、大きな買い物や通院など、W子さんの助けが必要な場面も増えてきました。姉と兄がいる末っ子のW子さんは、幼い頃からお母さん子でした。できる限り母親のそばにいてサポートをしたいと思っています。

50歳を過ぎた頃から、「いつかお母さんがいなくなったら、ひとりになるのか…」と思うと心細くなることもあります。一緒に食卓につき、「おいしいね」と言い合える相手がいるから、料理も食事も楽しいというもの。ひとりではさぞかし味気ないだろうということは想像がつきます。だからといって、今から積極的にパートナーを探す活動をする気持ちにはなれずにいました。

高校時代の同級生と再会し、意外な展開に

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そんなとき、高校時代の同窓会の案内が届きました。最後に高校時代の同窓会に出たのは10年以上前。当時も、参加した仲間うちでは自分だけが独身でした。50歳を過ぎて、お孫さんがいる同級生もちらほらいる中、顔を出すのは気が進まないような気もします。

でも、「気分転換になりそうだし、おいしいお酒が飲めるかもしれないし」と軽い気持ちで参加することにしました。

そこで再会したのが、卒業以来会っていなかった同級生の彼です。当時はそれほど親しいわけではなかったのですが、お互いに顔も名前も憶えていて、「変わってないね」と言って笑い合い、気楽に話をすることができました。自分がずっと独身でいることや母と2人で暮らしていることも、彼には率直に話すことができたそうです。

彼のほうは10年前に離婚して、今は気楽なひとり暮らしを楽しんでいるということでした。高校生の息子さんとは2、3カ月に1回は会うそうですが、「向こうはいやいや会ってくれているんだよ。小遣いめあてだな」とちょっと恥ずかしそうに話すその口調には、息子さんへの愛情がにじんでいました。

高校時代に吹奏楽部に所属していた彼は、今も趣味でクラリネットを吹いていて、アマチュアオケに参加することもあるそうです。「最近、クラシックを聴くようになった」とW子さんが話すと、「来月、公演があるからよかったら来る?」と誘ってくれたのです。

W子さんは「行きたい!」と飛び上がって喜んでその場でスケジュールを確認し、チケットを手配してもらう約束をしました。

その公演のあと、彼はW子さんを打ち上げに誘ってくれました。社交的なW子さんはオケのメンバーともすぐに打ち解け、その後、改めて彼と2人で食事へ行くことに。

音楽以外にも、旅や温泉が好きなことや、フィルムカメラが趣味なことなど、2人には共通の話題が多く、何時間でも話が尽きません。ワイン好きなところも同じで、食の趣味も合います。会うたびに話が盛り上がり、お互いに「これからの人生を共に生きたいと」と思うようになりました。

母親を置いていけない。お互いの生活を変えない別居婚へ

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ただ、W子さんは母親を最期までそばで支えたいと思っています。もし結婚することになっても、家を出たくありませんし、今さら母が一人暮らしをするのは難しそうです。そのことを伝えると、彼はあっさり「結婚しても、今までのまま別々に暮らせばいいんじゃないかな」と言ったそうです。そして、「必要なときはいつでもお母さんの手伝いをするよ」と。

彼を紹介すると、母親は想像した以上に喜んでくれました。「卒業アルバムを見たのよ。面影があるわね」とニコニコしていたそうです。言葉には出さなくても、自分がいなくなったらひとりで生きていく娘のことが気になっていたのかもしれません。

こうして2人は、別居婚をしています。結婚してからも平日は今までと変わらない生活が続いているので、高齢の母親がペースを乱される心配はありません。W子さんが仕事から帰ると、母親は夕食を用意して待っていてくれます。週末には彼がW子さんの家にやってきて、母親の買い物を手伝ったり、一緒に食事をしたりしているそうです。

夫婦とはいえ、長年別々の人生を歩んできた他人同士。それぞれに自分の時間や空間を尊重しているおかげか、ストレスはないそうです。「結婚する前もした後も、一度もケンカをしたことがないんです」とW子さんは話してくれました。いつの日か母親が亡くなってW子さんがひとりになったら、同居する予定なのだそうです。

W子さん夫妻のケースは、お互いの生活スタイルを守りながら、人生のパートナーとしてともに生きていく、大人同士ならではの結婚の形といえるでしょう。

▶次のページ【後編】▶同窓会を出会いの場にする2つのポイントとは? アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラーの伊藤友美さんにくわしくお伺いしました  __▶▶▶▶▶

『アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラーが教える
結局、理想を下げない女が選ばれる』
(伊藤友美 著 / フォレスト出版)

 

 

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