2017年7月に芸能活動を開始した木戸は、『First Love 初恋』で佐藤健の役柄の若かりし頃を演じ、知名度が一気に上昇。現在は地上波ドラマの出演もひっきりなしでネクストブレイク筆頭格の存在として名前があげられるが、配信当時25歳の『First Love 初恋』でブレイクするまでは決して順風満帆な道のりではなく、遅咲きとも言える。当時、NHKBSプレミアムのこども番組『おとうさんといっしょ』のレギュラーや、TBS系『日立 ・世界ふしぎ発見!』のミステリーハンターなど、俳優業以外で積み上げてきた経験も現在に活きているといい、当時感じていた葛藤も明かしてくれた。
木戸:出会ってきた作品は全て当てはまるんですけど、役者としてはやっぱり『First Love 初恋』という作品に出会って日本だけでなく海外の人に見てもらったことはすごく大きな転換期だと思いますし、自分も役者として胸を張って「代表作です。これを観て下さい」というものができたのはその作品からでした。すごく嬉しかったのと同時に、このヒットを一発の花火とするなら第一線で活躍されている方々はこれを何発も打ち上げているのかと思うとすごいことをされているんだなと改めて思いましたし、自分もここに満足したらダメだからどんどん更新できるような作品を作っていかなきゃいけないし、色々なイメージをもらわないといけないなと思いました。
― 今作のインタビューでも「代表作を塗り替えていきたい」というお話をされていますが、「代表作が欲しい」から「代表作を塗り替えていきたい」と思うようになったのは『First Love 初恋』から?
木戸:そうですね。それまではこども番組を3年間やらせて頂いていて、元々役者をやりたかったので役者としての作品をあげられていないことを自覚していて、代表作と言える作品が欲しいという想いはずっとありました。その中で『First Love 初恋』が配信されてからは言えるようになったんですけど、普通のドラマと違ってずっとNetflixは配信されているので「観ました」とずっと言って頂けることもあって、時間が経てば経つほど、「僕は今、この地上波ドラマをやっているけど、やっぱりまだ『FirstLove初恋』のイメージなんだな」ともっともっとアップデートしていかなきゃいけないと実感することはあります。
◆木戸大聖、負けず嫌いのマインドが育った2年間「焦りはずっとあった」
― これから木戸さんを知る人に向けて、自分の個性や強みをアピールするなら?
木戸:見た目で言うと、今となっては自分の中で武器と思えるようになったんですけど、『First Love 初恋』で実年齢より下の役をやってから、年相応でない見た目が個性と言って頂くようになりました。中身は結構熱すぎるというか負けず嫌いで悔しさが如実に出るタイプなのでそれがたまに自分の足を引っ張ることもあるんですけど、個性だと思っています。20歳でデビューしたのでなかなか遅い方だとは思っていて、18歳からお芝居に関わらせてもらってからスタートラインに立てない2年間があったんです。そこで年下や同い年の俳優さんがドラマに出ていて自分がまだテレビで見ている側なのがすごく悔しかったので、そういうところで負けず嫌いの自分が作られたんだと想います。
1996年12月10日生まれ、福岡県出身。2017年俳優デビュー。2018年から3年間、NHKBSプレミアム『おとうさんといっしょ』にレギュラー出演。2021年春に同番組を卒業後、ドラマや映画、舞台などで活躍。2023年7月、映画『先生!口裂け女です!』で映画初主演。同年8月、ドラマ『僕たちの校内放送』で連続ドラマ初主演。その他出演作にドラマ『僕たちがやりました』(2017)、映画『銀魂2 掟は破るためにこそある』(2018)、映画『のぼる小寺さん』(2020)、配信ドラマ『First Love 初恋』(2022)、ドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』(2023)、ドラマ『9ボーダー』(2024)など。現在は月9ドラマ『海のはじまり』に出演中。2024年8月30日公開予定の山田尚子監督によるアニメーション映画『きみの色』ではメインキャストの声優を務める。