XGのスタイリングは、老舗ハイブランドから人気スポーツブランドやストリートブランド、新興デザイナーズブランド、韓国内のクリエイターのものまで、非常に多岐にわたる。前述の「DIESEL」や「Windowsen」もよく利用され、ポイントはやはり大胆な色と柄、奇抜なアイテム、ケミカルな素材、最先端アートとの融合など。例えば『TGIF』のMVでは強烈な色使いでボディラインを強調する「Jean Paul Gaultier」のボディスーツを纏い、既存のアイドルグループとは全く異なるポップスターのアイデンティティを見せつけた。
XGと言えば、単一の衣装で揃えたスタイリングも度々注目を浴びる。グループアーティストが全員同じ服を着るのは意外に珍しいが、XGの一糸乱れぬダンスステージではそれがシュールリアリスティックなアートとして映る。 『LEFT RIGHT』のパフォーマンスではバギージーンズ姿で目が隠れるほど深く帽子を被り、蛍光カラーのグローブをはめた奇妙な衣装がSNS上をざわつかせた。『GRL GVNG』ではヘルメットのように目以外を覆うミステリアスなビジュアルで、さらに強烈なインパクトを残した。特殊なフードが付いたこのダウンベストは韓国人デザイナーCho Gi Seok氏による「KUSIKOHC」の作品だ。『PUPPET SHOW』ではバレエコアにインスパイアされたガーリールックを披露したが、不思議な柄のメッシュトップスをメインにすることでやはりどこか異世界のムードを漂わせた。
サバイバルオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」出身のME:I(ミーアイ)、IS:SUE(イッシュ)も“Y3K”的コンセプトを担うグループになりそうだ。ME:Iの『Click』はガーリー、IS:SUEの『CONNECT』はクールで相反するようなイメージではあるが、どちらもゲームの世界のようなサイバー空間に入り込むMVになっており、今後双方の世界がリンクするメタバース的展開も期待される。衣装もメタリック素材などサイバーパンク、ロボットテイストなスタイリングが多く、2組の幅広い層への影響力を考えると、日本でもより“Y3K”が流行していくのではないだろうか。(modelpress編集部)