そんな中KISS OF LIFEが公開した「Midas Touch」のティーザーは豪華絢爛なセットでメンバーが挑発的な表情を浮かべ、煌びやかな神殿で腰を揺らして踊るというもの。同じ2000年代でも、ブリトニー・スピアーズやクリスティーナ・アギレラ、デスティニーズ・チャイルド、プッシーキャット・ドールズなど、クイーン・オブ・ポップと称された王道ディーバたちを彷彿とさせる。さらにはリアーナ、レディー・ガガ、ケイティ・ペリーといったあらゆる歴代のレジェンドたち、あるいはそれを模倣した平成J-POPの歌姫たちまで思い起こさせ、新人とは信じがたい風格を見せている。
大手プロダクションの大型新人たちが台頭し”第5世代”とも呼ばれる新時代が到来したK-POP界。そこに小規模プロダクションから突如現れた新星・KISS OF LIFEとは何者なのか。
◆全員がハイレベルな“六角形アイドル”KISS OF LIFE
2023年7月、S2 ENTERTAINMENTからデビューしたKISS OF LIFE。S2はJYP ENTERTAINMENT出身でCUBE ENTERTAINMENT創設者のホン・スンソン氏が2020年に設立したプロダクションで、2021年4月に初のガールズグループ・HOT ISSUEをデビューさせるも1年足らずで解散。その後、TWICEを生んだオーディション番組「SIXTEEN」出身で、ソロで活動していたNATTY(ナッティ)を迎え入れ、約1年後にKISS OF LIFEをデビューさせた。
加えてメインボーカルのBELLEは、デビュー前からソングライターとして活躍しており、LE SSERAFIMの「UNFORGIVEN」の制作にも参加。BELLEを筆頭に、グループの楽曲プロデュースにもメンバーが自ら携わっている。まだ女性アイドルでは“自作ドル”が珍しいが、KISS OF LIFEはメンバーがプレーヤーと制作側を兼ねる(G)I-DLEに続く才能として注目されている。
◆若き女性ディレクターと作り上げた「自由」で主体的な女性像
アイドルとしてのコンセプトやイメージ形成も、既存のガールズグループとは一線を画している。
ビジュアルディレクターとクリエイティブディレクターを務めるのは、自身も「PRODUCE 101」や「アイドル学校」に出演し、アイドル活動の経験があるイ・ヘイン。メンバーキャスティングの段階からKISS OF LIFEのプロジェクトを準備してきたという。彼女いわく、アイドルのコンセプト作りでは、アーティスト優先とコンセプト優先の2パターンがある。KISS OF LIFEの4人はそれぞれの個性がしっかりしているため、作り上げたコンセプトでメンバーを縛るよりも、4人の本来のペルソナを重視したビジュアルディレクションを行ったという。