【モデルプレス=2024/03/10】近年、舞台作品で評価をあげている女優・川島海荷(かわしま・うみか)。着々とキャリアを重ねる彼女だが、もともとは舞台に苦手意識があったという。では、なぜ舞台に挑戦し続けるのか、何が彼女を動かしたのか?CoRich舞台芸術!プロデュース【新作リメイク】「イノセント・ピープル~原爆を作った男たちの65年~」(3月16日~東京芸術劇場)の開幕が控える今、話を聞いた。【インタビュー後編】【写真】川島海荷「半目ショット面白すぎる」「すっぴん?」プライベートでの“4コマ”が話題◆苦手意識があった舞台 飛び込んで自信に― 舞台『イノセント・ピープル』では、どんな役柄ですか?戦後のアメリカ、原爆を作りに携わった科学者たちのお話で、私はお父さんが研究所にいた娘の役です。お話いただいた時に脚本を読ませてもらい、すごくストレートで分かりやすく、今の方に届きやすい演劇になりそうだなと思っています。遠回しじゃないというか、この時代にこういう人たちがいたんだということがドキュメンタリーのように伝わる作品になったらいいなと思っていて、観た人に何か感じてもらうことがあると思います。― 楽しみです!今の自分を見てもらうチャンスかなと思って勝負だなっていうのもあるし、役者としてもう新人とは言えない立ち位置なので、しっかりと安定したお芝居を皆さんに届けられるように頑張りたいです。― ここ数年、定期的に舞台作品が増えているのは何か理由があるのでしょうか?それまで舞台経験がなかったわけではないですよね?あんまり自分は向いてないんじゃないかと思っていました。人前で声を張るのが得意じゃなくて、いつも声が小さいって注意されてましたし、滑舌もあんまり良くなかったので自信がなかったんです。でも、自分を成長させたい、もっと勉強したいと思った時に、しっかり稽古があって、お芝居についてみんなでディスカッションして極めて整えていく舞台が良いんじゃないかと。そこから定期的にやらせてもらうようになりました。― 1歩踏み出したわけですね。ワークショップを受けた時、先生から「あなたはもっと舞台やったほうがいいよ」と言ってもらい、「この演出家がいいんじゃない」と勧めてくれた人の作品のオーディションがちょうどあったんです。高校生ぐらいの役で、募集年齢をオーバーしてたんですけど応募して、そうしたら受かって…それが大きかったかもしれないですね。オーディションに行って受かったのも、自分から飛び込んで挑戦したことも自信になりましたし、舞台にも前向きになれました。― 舞台を敬遠していた当初の悩みや不安はもう解消されましたか?勉強して経験していくと身になるんだと実感しています。滑舌のことを言われることもあまり無くなりました。でも、他の課題が見えてきました。ドラマと違って、舞台は常に全身が見えていて、1人ひとり動いているのも見えて、そこには意味があるので、それを毎回考えて、でも考えすぎると動けなくなるので、周りの方と話しながらパズルみたいな感じでやってます。◆川島海荷、写真展「直線のうみ」開催― 3月は、写真展「Umika Kawashima × Sara Masuda Photo Exhibition“直線のうみ”(3月29日~OFFICE C/O)も開催。28歳から30歳までの2年間、増田彩来さんが撮影したんですよね。自分だからあんまり気づかなかったんですけど、醸し出す雰囲気がちょっと違っている気がすると言われたので、2年間という時間の流れとともに変化していった姿や、20代後半の歩みを見てほしいです。あとは、光の魔術師かなっていうぐらい彩来ちゃんの写真が綺麗なので、その世界観を楽しんでほしいです。来た人の邪念が取り払われるような素敵な写真展にしたいです。― どんな場所で撮影したんですか?基本は作品撮りみたいな感じで、1日で行ける場所が多かったんですけど、最後は2泊3日で北海道に行ってきました。「雪の中で撮りたい」っていう思いだけで行ったんですけど、もうほぼ旅行みたいな感じで、朝から晩までずっと撮ってくれてちょっと旅気分。知床の方はマイナス10~20度ぐらいで、寒すぎてもう顔がちょっとしか出てないぐらい着込んでる写真も。◆川島海荷、新たな環境へ「今はすっごいパワーみなぎってる」― お仕事を始めて19年、長い期間の中で大切にしていることは?人と関わる仕事なので、周りの方とのコミュニケーションは大事にしたいと常に思ってます。何回も会う方ではなくても次再会した時にいい関係でありたいし、八方美人というわけではないですけど、お互い気持ちよくお仕事できる関係性や環境がいいなって思います。― 自分からコミュニケーションをとれるタイプですか?あんまり話しかけられないタイプなので、最初は「よいしょ」って頑張って(笑)。現場だと、人が多いので緊張するし、ちょっと挙動不審になるんですけど、なるべくオープンマインドでいるようにしています。― お仕事を続けていた中で転機を挙げるとしたら?「ZIP!」(日本テレビ系)も大きかったですが、昨年末に事務所をやめてフリーになったので、今まさに変わっているんだと思います。……5年後にもう1度聞いてください、これが良い転機になったのか、なってないか(笑)。― (笑)。まだ2ヶ月ほどですが、感じている変化はある?自分の感覚がすごく変わりました。事務所にいた時も色んなことに挑戦させてもらってすごく恩があり、今でも関わった方とご飯に行ったりするんですけど、いざ外に出てみると、自分で選択し続けなきゃいけないので、本当に道がわからないというか、ちょっと迷子にもなるし、自己責任感が強くなりました。だからこそ、もっと自分に自信を持たないと、とも思うし、そういう意味ではガツガツしてきたかもしれないです。今まで頼ってきたものを自分でやらなきゃいけないのでアクティブになってくるからと感じています。楽しいこともあるし、大変なこともあるので今は半々。まだ慣れてないことも多くて、その1個1個にカロリーを使っていたのでちょっとバタバタしていたので、慣れてくればもっと楽しくなる気がします。― 新しい環境に飛び込む際、「挑戦したいことがたくさんあります」と綴っていました。今はどんなことが見えているのでしょうか?30歳になるっていうのが大きかったんですよね。女性にとしてすごく年齢を突きつけられるというか、何かしなきゃって思ったり、何か変えた方がいいんじゃないかみたいな気持ちが強かったです。私にはそのチャンス、自分の環境を変えるタイミングがあんまりないと思うので、今こうやってお仕事に集中できるタイミングで、新しい環境に挑戦することはいいんじゃないのかと思って1歩踏み出しました。世の中には転職をする方も多いですけど、私は転職したこと無く、12歳からこのお仕事を始めて、しかも恵まれた環境で。それ以外の世界をあまり見たことがなかったので、自分1人になったらどうなるんだろうっていう、ちょっと賭けみたいな感じですかね。― 賭けがどうなったかは5年後ですかね(笑)。今のところの想像は?想像つかないですけど、今はすっごいパワーみなぎってるって感じなんです。自分で動かすものが多いので、頑張らなきゃっていうパワー。これが持続できたらいいですし、息抜きもしつつ、自分の生活のバランス整えて、5年後もっと元気だったらいいですね。◆川島海荷の悲しみを乗り越えた方法― モデルプレスの読者には、今壁にぶつかっている方もたくさんいます。そんな読者に向けて、川島さんの“悲しみを乗り越えた方法”を教えてください。悲しみを忘れようとするより、逆に忘れずに糧にしてこれからどうやっていこうか考えます。私の場合、「ZIP!」を毎日観てくれるぐらい応援してくれていたおばあちゃんが亡くなった時、もちろん寂しいし、もっともっと観ていてほしかったんです。「ZIP!」を卒業してからは舞台が多くなり、観てもらう機会が減って心配してくれたと思うんですけど、後悔というより、観てほしいと思う作品をもっといっぱい作ろうと思いました。「もっとこうしたかった」ということはあるけれど、別に今でも出来なくないというか、おばあちゃんも含めて、自分の親にも色々観てもらいたいから、もっとたくさんの作品をやろうと思いました。悲しみのジャンルは人それぞれ違うと思うので一概にも言えませんが、私は悲しみに背中を押してもらう、1度悔しいと思うと、逆に今まで持ってなかった潜在的な力が湧き出てくる感じがします。◆川島海荷の夢を叶える秘訣― 最後に、夢を追いかけている読者に向けて「夢を叶える秘訣」を教えてください。前回(2020年)は何て答えたかな…同じこと言いそう「諦めない」とか。― 正解です。「人と比べない」も言いそう。― (笑)。当時のインタビューも「ありきたりな回答になっちゃう…」と、すごく考えていらっしゃいました。それは考えますよね(笑)。じゃあ…「執念深く思い続けること」。「諦めない」と同じようなことかな(笑)。周りで夢を叶えている人にはそういう人が多い気がします。人目を気にせず我が道を進む人は、自分の目標を達成する力も強いと思います。言霊という言葉があるように口に出すことも大事だけど、まずは思い続ける。夢ややりたいことに対しての思いをどんどん自分の中で熱くすることは大事かなと思います。― ありがとうございました。(modelpress編集部)■川島海荷(かわしま・うみか)プロフィール1994年3月3日生まれ、埼玉県出身。2006年にTBS『誰よりもママを愛す』でデビュー。2007年には、『Life 天国で君に逢えたら』で映画初出演。2016~19年まで、日本テレビ系情報番組『ZIP!』の総合司会を務めた。2024年は、3月16日~CoRich舞台芸術!プロデュース【新作リメイク】「イノセント・ピープル~原爆を作った男たちの65年~」(東京芸術劇場 シアターウエスト)に出演。3月29日~写真展「Umika Kawashima × Sara Masuda Photo Exhibition“直線のうみ”」をOFFICE C/Oで開催する。【Not Sponsored 記事】