「不適切にもほどがある!」純子役・河合優実、阿部サダヲからの“唯一の”アドバイスとは アドリブ秘話も語る「カットがかかるまで」<インタビュー前編> | NewsCafe

「不適切にもほどがある!」純子役・河合優実、阿部サダヲからの“唯一の”アドバイスとは アドリブ秘話も語る「カットがかかるまで」<インタビュー前編>

芸能 モデルプレス/ent/wide/show3
モデルプレスのインタビューに応じた河合優実(C)モデルプレス
【モデルプレス=2024/02/29】TBS系金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」(毎週金曜よる10時~)に小川純子役で出演している女優の河合優実(かわい・ゆうみ/23)にインタビュー。前編では、今までで最も反響が大きかったという純子を演じる上での細かなこだわり、父親役の阿部サダヲと話したことなどを語ってもらった。

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◆「ふてほど」純子役・河合優実、初回から大きな話題に

同作は宮藤官九郎脚本の完全オリジナルストーリー。阿部サダヲ演じる昭和のおじさん・小川市郎が、ひょんなことから1986年から2024年の現代へタイムスリップし、令和では“不適切”なコンプライアンス度外視の発言を炸裂。コンプラで縛られた令和の人々に考えるきっかけを与えていくタイムスリップコメディだ。

河合が演じている市郎の一人娘・純子は初回放送時から大きな反響を呼び、「純子役は誰!?」「昭和がハマる美人」と話題に。その後も愛らしい行動・セリフが多くの視聴者を虜にし、市郎との親子の絆にも感動する声が続々。昭和と令和を繋ぐこの物語のキーパーソンとしても注目が集まっている。

◆河合優実「ふてほど」純子の反響は「今までで1番」

― まずはオファーを受けた時のお気持ちから教えてください。

河合:すごく嬉しかったです。宮藤さんのドラマに、しかも阿部さんの娘役で参加させていただけるということがもう嬉しすぎました。

― 初回放送から一気に話題になりましたが、河合さんの元にはどのような反響が届いていますか?

河合:地上波ドラマということもあり、観てくださっている方の母数が今までと全然違うので、今までで1番「観てるよ」と言われます。業界内でもそうですし、地元の友達からも言われました。普段こういう仕事をしていたら映画やドラマはそれなりに皆さん観ていると思うんですが、今回はそうではない友達からも結構連絡をもらっていて、「あ、届いてるんだな」と感じました。

◆「ふてほど」純子は発声まで意識 昭和の単語は「全部検索」

― 河合さん自身が経験されていない昭和を生きた女子高生役ということで、役作りではどのようなことを意識されましたか?

河合:ビジュアル面では衣装さん・メイクさんたちが本当にこだわって作ってくださっています。また昭和を生きていた女の子として、違和感がないようにしたいなと思っていました。昔の作品を観ていると、当時の女の子は発声というか、喋り方がちょっと違うように感じたんです。それから一般的に“おばさんっぽい”と言われる仕草ってあると思いますが、それって多分昭和を生きてきた女性がしていた仕草が令和でそう見えているのかなと。その時は女子高生が普通にやっているけど、今見たらちょっと古臭いと感じる喋り方や動きをしていたんじゃないかなと想像して演じています。

― 実際に昭和の作品をご覧になって勉強されていたんですね。

河合:はい。なので最初はもっと昭和っぽい身体を取り入れようと思っていたんです。当時のドラマを観て「あ、こういう声の出し方をしよう」とか考えていたんですが、演技をする上で自分が自然に体に取り入れられるのは今の純子ぐらいの昭和っぽさだったのかなと思います。でも「本当に昭和の子に見える」と言っていただくことも多いのでよかったなと感じています。

― 昭和のエンタメや文化など知らない単語もたくさん出てきたかと思います。

河合:もう全部検索しました(笑)。台本を読んでわからない単語を全部リストアップして上からググるという作業をしていたのですが、膨大な量がありました。

― 懐かしいと話題になった“宜保愛子”などまさにそうですね(笑)。

河合:はい、調べて「宜保愛子さん、こんな顔の人なんだ…!!」みたいな感じでした(笑)。

◆河合優実、純子は「すごくかっこいいし可愛い」

― 演じている中で、純子とご自身の共通点はありましたか?

河合:純子はこのドラマの中で1番親子関係が重要になる役です。自分も親がいて1人の娘であるというところはもちろん共通していますが、純子は家族には見せないけど家族思いな子ですよね。表面上はお父さんとすごい悪口を言い合っているけど、実は思い合っている。私は逆に「大好きだよ」とかストレートに口に出すタイプなので、その昭和の親子の感じとはちょっと違うんですが、でもその家族を思う気持ちは時代を超えてすごくわかるなと思います。

― 純子に憧れる部分や「素敵だな」と思った部分はありますか?

河合:クランクイン前は“スケバン”を色濃くしていこうと思っていたんですが、現場に入ってから演出の金子(文紀)さんと「きっと純子にとってのスケバンは結構ミーハーなことだし、反抗しようとして反抗してるから、“見せかけのファッションヤンキー”でもいいかもね」みたいなことを話したりしていて。でもそれは今の私は経験できないことだし、ああいう時代に女性だけど強い存在でいようとしていたのはすごくかっこいいし可愛いなと思います。

◆河合優実、阿部サダヲとの初対面を振り返る

― 幅広い年齢のキャストさんがいらっしゃいますが、現場の雰囲気はいかがですか?

河合:すごく良い雰囲気だと思います。 作品のトーンも明るいので現場も明るいですし、スタッフさんもキャストさんも現場で起こることに対して皆が笑っています。

― 現場のムードメーカー的存在はいますか?

河合:ええ~、誰だろう!?

― 皆さんでワイワイしている感じなんでしょうか?

河合:特にスタッフさんたちが楽しそうですね(笑)。阿部さんはどちらかというと静かです。皆さんとよく話していらっしゃるんですけど、はっちゃけている感じではないというか。ムードメーカーとはまた違うかもしれないです。

― 共演してみて第一印象とイメージが変わった方、意外な一面が見えた方はいますか?

河合:う~ん…(悩む)。皆さんイメージ通りな気がします(笑)。

― でもお話を聞いている感じ、阿部さんは役柄のイメージと違った感じなんですね。

河合:そうですね!私は阿部さんと前に舞台で共演させていただいていて、初めましてではなかったので今回はギャップを感じていないですが、初めてお会いした時は感じました。「普段こんなに落ち着いてるんだ」みたいな(笑)。俳優さんだから当たり前だし普段から市郎みたいな感じで過ごしているわけないんですけど(笑)、それでもやっぱりイメージより品がある大人の男性だと思いました。

◆カットかかるまでアドリブが続くことも…阿部サダヲからのアドバイスは?

― お芝居について共演者の方と話し合われたり相談したりすることはありますか?

河合:あんまりないです。でも阿部さんにチラッと「ここってこういうリアクションしていいんですかね…?」と聞いたら「いいんだよ!思うようにやれよ!違ったら言ってくれるから!」って勇気づけるように、かつ、めちゃくちゃめんどくさそうに言っていただきました(笑)。

― 本当に親子みたいな関係なんですね(笑)。

河合:はい(笑)。阿部さんとのシーンが多いんですが、それでもお芝居の話をしたのはその時くらいでほとんどしないです。

― テンポ感がすごく重要な作品ですし、セリフの掛け合いが一つでもズレてしまうと上手くいかないのではないかと考えていたので、相談されずに撮影されているのには驚きです。

河合:そこは本当に先輩方の力量だなと思います。舞台みたいに稽古できるわけではないので、本番までのドライやテストの何回かでお互い感じ取り合って…という感じです。でもたまに阿部さんに「アドリブでこれ言いたいから待って」と言われることはあります。

― アドリブだけど事前に伝えられるんですね(笑)。

河合:伝えておかないとテンポが食い違っちゃう時は言われます。「俺、『ピロリロリン』って言うけど気にしないで」みたいな(笑)。

― アドリブを入れているのは阿部さんが多いのでしょうか?

河合:結構皆さん入れています。カットがかかるまで言い合っている感じです(笑)。

― では改めて、今後の見どころや純子として注目してほしいポイントを教えてください。

河合:純子はずっとお父さんと一緒に生きてきて、支え合わないと生きてこれなかったんだろうし、最初は「恋が自分の世界の全て」みたいな状態でした。そこからどうやってちゃんと自分の人生を獲得していくかというところに注目していただきたいです。9話のシーンを撮影し始めていて、だいぶ終盤に差し掛かっているのですが、ちゃんと着地できた感じがしました。

★河合の芸能界デビューまでの道のりや素の一面に迫った後編も公開中。

(modelpress編集部)

◆河合優実(かわい・ゆうみ)プロフィール

2000年12月19日生まれ、東京都出身。2019年にデビュー後、数々の賞を受賞。主な出演作は映画「サマーフィルムにのって」「由宇子の天秤」「ちょっと思い出しただけ」「愛なのに」「女子高生に殺されたい」「冬薔薇」「PLAN 75」「百花」「線は、僕を描く」「ある男」「少女は卒業しない」など。待機作に映画「四月になれば彼女は」(3月22日公開)「あんのこと」(6月7日公開)などがあり、4月スタートの「RoOT / ルート」(テレビ東京ほか)で地上波ドラマ初主演を務める。

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