「らんまん」神木隆之介&浜辺美波のすごさを感じた瞬間 制作統括が語る撮影秘話・竹雄(志尊淳)再登場に言及<インタビュー> | NewsCafe

「らんまん」神木隆之介&浜辺美波のすごさを感じた瞬間 制作統括が語る撮影秘話・竹雄(志尊淳)再登場に言及<インタビュー>

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神木隆之介、浜辺美波(C)NHK
【モデルプレス=2023/07/21】俳優の神木隆之介が主演を務めるNHK連続テレビ小説『らんまん』(総合、毎週月~土あさ8時~/BS4K・BSプレミアム、毎週月~金あさ7時30分~)。同作の制作統括である松川博敬氏がモデルプレスなどのインタビューに応じ、神木とヒロインを演じる女優の浜辺美波の撮影秘話や今後の展開について語った。

【写真】「らんまん」寿恵子(浜辺美波)の出産シーン

◆神木隆之介主演朝ドラ「らんまん」

連続テレビ小説第108作『らんまん』のモデルは、日本の植物学の父・牧野富太郎。実在の人物である牧野富太郎(1862-1957)をモデルとするが、激動の時代の渦中で、ただひたむきに愛する草花と向き合い続けた、ある植物学者の波乱万丈の物語として大胆に再構成。登場人物名や団体名などは一部改称して、フィクションとして描く。

神木が主人公・槙野万太郎、浜辺がその妻となるヒロイン・寿恵子、志尊淳が万太郎の生家である酒蔵「峰屋」の番頭の息子・竹雄を演じる。

万太郎は、高知での植物採集により新種を発見し、念願の植物図譜を発行。寿恵子が第一子を出産するなど、順風満帆な人生を歩んでいた。

◆「らんまん」神木隆之介&浜辺美波のすごさを語る

― 第56回で浜辺さんが演じる寿恵子が長屋を訪ねてきて、ぼろぼろの家の中でプロポーズするというロマンチックな出来事が繰り広げられるシーンが印象に残っています。演出に関して何か意見されたことはありますか?

松川:あのシーンは台本を読んで面白いと思いましたし、演出はチーフの渡邊でしたので、特に意見は出していません。浜辺さんのはにかんだ笑顔は可愛らしかったですし、寿恵子として頼もしくもあって、目が離せないキャラクターとして映し出されています。1話15分のドラマが、長屋だけのワンシチュエーションですべて展開されることはチャレンジングだと思うのですが、そこは劇作家である長田さんの本領発揮と言いますか。他にも、第7週で植物学教室の1セットで展開する回がありましたが、俳優の皆さんもさすがのお芝居で、演出も的確で、私自身も一視聴者としてたいへん見応えがありました。

1セットの長いシーンといえば、最初に出てきたのが第3週の博物館のシーンです。初めて上京してきた万太郎が博物館で田辺誠一さん演じる野田と出会うシーンですが、その会話が理科の教科書のような内容で、視聴者に受け入れられるのか、難しいと思われて離脱してしまうのではないかと不安でした。しかし実際に出来上がった映像を見ると、神木さんと田辺さんが好きな植物について目を輝かせながら会話をしている様子が、とても微笑ましく面白く感じられたんです。たとえ会話の内容が難しくても、好きなものについて熱く語り合う2人を見ていることで楽しめると視聴者からも反響があり、安心しました。人間ドラマとして見てもらえたのだなと思いました。

― 第78回では、神木さんが演じる万太郎が浜辺さんが演じる寿恵子の頬にキスをするシーンがありますが、このシーンはアドリブだったのでしょうか?

松川:僕もすごく好きなシーンなのですが、ト書きにも口づけをするとあるのでアドリブではありません。神木さんと浜辺さんが素敵に演じてくださいました。

展開が早いのがこのドラマの持ち味で視聴者にも評価されていると感じているのですが、夫婦のシーンは日常をゆったりと描いていて、夫婦の間で何でもない幸せな時間が流れています。自宅の石版印刷機で作業をしているシーンの2人の空気感がとても素敵で、風が吹き抜けていくようなとても文学的な時間が流れているように感じました。

― 第80回では、浜辺さんの出産シーンがありますが、完成した映像を見てどのように感じましたか?

松川:実際の映像を見た時にリアルに感じて、浜辺さんも頑張ってくれていました。劇中では、寿恵子が妊婦でありながら内職や標本の整理をしているというたくましさと、長屋のメンバーが協力して出産に臨む様子の温かさを表現することができたと考えています。

― 母親になった浜辺さんの雰囲気に変化は感じますか?

松川:役としてしっかりと年を取り、母親になっているのはさすがの演技力だと感じます。赤ちゃんとの撮影は毎回大変で、寝ているシーンなどは、本番直前までスタジオの外で寝かしつけているのですが、ある時の撮影でスタジオに入った瞬間に泣き出してしまい、撮影継続が困難かと思われた時がありました。それでも神木さんと浜辺さんの2人が、あやして寝かしつけてくれたおかげで、撮影を続けることができました。その時の3人は親子の雰囲気そのものでした。

◆「らんまん」神木隆之介が演じる万太郎の今後

― 神木さんが演じる万太郎は、年を重ねても天真爛漫な少年のような部分を持ち合わせているのが良いキャラクターになっていると思うのですが、父親になることによって、いい意味で大人になるような変化が生まれるのでしょうか?

松川:家族を持って、守るべきものができたことの影響はあると思います。モデルとなった牧野富太郎さんは、まわりに影響されずわが道をいくタイプだったようですが、我々が作り上げる神木さん演じる万太郎は、家族に対して苦労をかけて申し訳ないと思い、時に葛藤するようなキャラクターになっています。

― 牧野さんを史実通りに描くと、今後借金など波乱万丈な人生が待ち受けていますが、今作ではどこまで忠実に描かれるのでしょうか?

松川:企画段階から実在の人物と劇中で描くキャラクターの違いはずっと意識して、人物造形をしています。神木さん演じる万太郎は周囲に迷惑をかけてまで借金を重ねてしまうようなキャラクターとしては描いていません。今後、浜辺さん演じる寿恵子は、渋谷で待合の経営に乗り出します。史実では、莫大な借金を返済するための苦肉の策だったようですが、今作では夫の夢を叶えるための投資という捉え方になっています。後に大泉に屋敷を建てるのですが、この行動も万太郎にのびのびと研究をして欲しいからという前向きな考え方に基づいています。

― 今後の万太郎と寿恵子に待ち受ける展開について教えてください。

松川:今後の展開はかなり容赦なく深い悲しみを描いていくことになります。前半戦では明るいムードの中で、神木さんが演じる万太郎と浜辺さんが演じる寿恵子の恋愛模様を描き、第14週~第16週では万太郎は世界的な発見をして、子供も生まれ、家庭も順風満帆に進んでいきます。

その後の展開として、万太郎が東京大学を出禁になってしまうことや、長女を亡くしてしまうという悲劇が訪れます。前半とは違い、重苦しい展開も描いていきますが、物語としてより深みが増すのではないかと考えています。

◆「らんまん」撮影現場の雰囲気・裏側明かす

― 現場ではどのような雰囲気で撮影が進んでいるのでしょうか?

松川:神木さんたちのアドリブや遊びも飛び出し、でも締めるところはしっかりと引き締め、集中力を持って、メリハリのある現場になっています。今後もアドリブのシーンがあると思うので、楽しみにしていただければと思います。

― 作品の前半と後半で、オープニング映像やポスタービジュアルが変化しており、これまでの朝ドラにはない仕掛けだと感じましたが、変化をつけた意図はあったのでしょうか?

松川:最初の構想では特に前半と後半という意識はなかったのですが、結果的にタキさん(松坂慶子)の死が一区切りになりました。夫婦の形も物語の前半で結婚前の交際期間や新婚の頃は可愛らしい雰囲気を作り、話数が進むにつれて、大人な夫婦に雰囲気が変化しています。夫婦の円熟味が上手く表現されていて、神木さんと浜辺さんの力に感心しました。夫婦としての歴史を重ねている様子が、自然な流れで描かれていて、2人が本当の夫婦になっていっているなと感じました。

― 台本で読んだものを映像で見た時、予想以上だと感じたシーンや感動したシーンはありますか?

松川:たくさんあって、演出部の工夫や俳優部が頑張ってくれているので、選ぶのが難しいですが、第15週の万太郎がヤマトグサの新種発表に向けて、研究を重ね、新種認定をしたシーンの爽快感は見事でした。スケジュールがタイトな中で、粘って撮影し、時間をかけたシーンはどれも想像を超えたものになっています。

◆「らんまん」竹雄(志尊淳)が再登場?今後の展開とは

― 志尊さんが演じる竹雄との別れで“竹雄ロス”になっている視聴者も多くいると思いますが、今後綾・竹雄夫婦の関係や高知の人々のシーンはあるのでしょうか?

松川:第17週から再登場します。今後、峰屋の経営がかなり厳しくなっていくのですが、そのシーンが描かれるのと万太郎夫婦の悲劇がちょうど内容的に重なるため、悲しみを乗り越える2組の夫婦の様子が描かれて、作品上1番しんどい1週間になるのではと思っています。「らんまん」の中での1番の底が描かれ、ここからまた新たな再生の物語が始まります。

― 今後の展開について教えてください。

松川:この物語のゴールは夫婦2人で植物図鑑を完成させることなので、その夢に向かって2人が奔走していくことが最後の展開になります。浜辺さんが演じる寿恵子としては、神木さんが演じる万太郎と一緒に冒険をしたいというモチベーションで、結婚して共に夢を追いかけてきましたが、寿恵子自身にも叶えたい野望もあるので、その部分も今後の見どころです。後半戦も見応えがあり、毎週わくわくする展開で期待を裏切らない物語になっていると思うので、最後まで目を離さず見守って下さい。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

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