人は年をとるごとに、知人や身近な人の死に遭遇する機会が増える。また同時に、そのことを他人に伝える機会も増えてくるが、そんなとき、日本語における"死"という言葉の言い換えの多さに改めて気づくのではないだろうか。死ぬ、亡くなる、天に召される、逝く、没する、天寿を全うする、絶命する、往生する、永眠する、星になる、昇天する、他界する、お迎えが来る、息を引きとる、息絶える、みまかる、鬼籍に入る、成仏する、帰らぬ人となる…。とても書き切れないほどの表現の多さに、人の"死"への様々な思いが垣間見える。「無言の帰宅」「変わり果てた姿で発見される」なども、各種メディアで日常的に使われる言い回しだ。
ただ、これらの言葉のなかには"死"を意味してのみ使われるわけでないものもある。「変わり果てる」などは、辞書をひけば「以前とすっかり変わった、ひどい状態になる」が本来の意味であることがわかる。
NewsCafeのアリナシコーナーでは、なんと「変わり果てた同級生に心当たりがある?」というアンケート調査が実施されたらしい。結果とともにさまざまな意見をご紹介しよう。
【アリ…75.2%】
■小中時代の男子とかは特に面影消失。アンタダレ状態。
■良い所は変わらんでほしいけど、変わってこそ人間味あって良いかも。
■某宗教の勧誘された。断ったら音信不通に。
■所帯やつれしていた時には声もかけられなかった。
■自分は変わっていないと思っているだけ、同じように変わっている。
■初恋の野球少年が、メタボなおじさん化していた(泣)。
■あんなにかわいかったのに…(泣)。
■数人ほど亡くなっている。
■禿げたり太ったり、みんな何らかの変化が。私自身も。
■私かも(笑)!
【ナシ…24.8%】
■いやいや、何でこんなに変わらないんかと。
■みんなそこまで変わってない。
■変わってはいても、果ててまではいない。
■ナシにしちゃったけど、数十年後に会えば変わり果ててるでしょう…。
■みんな変わり果てていますが面影がある。会えば昔にすぐかえる。
■真面目だったのにヤンキーになったヤツならいた。
■同級生に会わない。同窓会にも行かないし。
■誰とも連絡してないから、不明。
結果、7割を超える人が"変わり果てた同級生"がいると答えている。「面影がまったくなかった」「驚くほど太っていた」「すっかり禿げて別人」「びっくりするほどやつれていた」等…単なる老化、経年変化の枠に収まるとは思えない変貌ぶりを見た、というコメントが続々と寄せられた。
ただ、なかには「昨日ローカルニュースでウェイトリフティングのマスターズ世界一になった同級生を見た」など、"変わり果てた"というよりは"めざましく成長した"ケースも届いていたのが面白かった。
「松樹千年翠(しょうじゅせんねんのみどり)」という禅語がある。一年365日、まったく変わらず緑を保っているかのように見える松の木だが、実は春には黄緑色の新芽が出ており、古い葉は順に落ちている…というような意味合いらしい。「変わらないように見える」ためには現状維持だけでは足らない…深く考えさせられる。
[文・能井丸鴻]
《NewsCafeアリナシ》
page top