メディアの多様化やインターネットの普及に伴い、雑誌、書籍など紙媒体の需要は衰退傾向にある。なかでも凋落の流れが著しいのが"新聞"だ。日本新聞協会の発表によれば、昨年2013年の新聞発行部数は、スポーツ紙を合わせて4700万部。ピーク時である1997年の5377万部から、淀みのない"右肩下がり"のグラフになっている。
それでも、日本は"新聞大国"だと言われている。確かに"世界の新聞発行部数"を見比べると、1位・読売新聞(約996万部)、2位・朝日新聞(約764万部)、3位・毎日新聞(約343万部)と、日本の新聞がトップ3を独占している。ただ、アメリカやヨーロッパに比べ極端に数が多い理由は"刷った数"を発行部数としているためであり、個人宅に配った数や店頭で販売された数ではない…というからくりもあるようだ。
そんななか、NewsCafeでは「アナタが最も信用している新聞は?」というアンケートが実施されたらしい。ランキングとともに寄せられた声をご紹介しよう。
※回答総数…1123件
【1位】地方紙(18.7%)
■地元の話題は地元のがイチバン。[女性/30代/会社員]
■信用というより、知っている人が載ったりして、見ていた方がいい時がある。[女性/40代/会社員]
■大手の世論調査が、信用ならなくなったので。[男性/30代/専門職]
【2位】新聞読まない(17.4%)
■偏向報道するような日本の新聞は読まない。[女性/40代/会社員]
■新聞やニュース等は事実をそのまま伝えるものであり、個人的もしくは社風的観測は論外です! テレビも同様にアナウンサーの個人的発想など言語道断です![男性/40代/専門職]
■スポーツ新聞はともかくどこも右か左に寄ってて都合の良いように事実をねじ曲げて世論を誘導しようとしてくるから要らない!! ああいう事ばかりするなら新聞なんてなくしたがマシだ!![男性/20代/その他]
【3位】読売新聞(13.0%)
■特に不満はないし、巨人ファンだから読売ですよ。[女性/40代/主婦]
■政治面においては穏健派と急進派の狭間的を由とする、中間に位置するポリシーを遵守してるところが良い。保守的と革新的な意見の見応えは魅了するばかり。[男性/50代/会社員]
■野球以外は安心して読める。[女性/50代/会社員]
【4位】朝日新聞(11.8%)
■信用してる訳ではないけど、活字が読みやすいから。[男性/40代/会社員]
■とってるのは朝日。読売は母(高齢)をだまし契約書にサインをさせた(怒)。新聞の信用性はどれも高くないのでどこも同じ。[女性/40代/専門職]
■自分に甘く反日の朝日の記事が、日本にとって国益にかなうかのバロメーター。朝日の主張の逆が日本にとって最良の道。最も分かりやすい。[男性/30代/専門職]
【5位】産経新聞(11.7%)
■テレビ局の方は、ダメダメですが、産経新聞だけは保守派なので信用しています。[女性/40代/主婦]
■三大紙より信頼性がある。朝日新聞は偏向報道が多く、一番信頼性がない。[男性/50代/専門職]
■産経がなければマスコミの論調はほとんど同じでしょう、左翼に偏重している他の新聞と違いハッキリした主張と信念を感じます。[女性/20代/会社員]
そして6位以下は【日経新聞(7.7%)】【毎日新聞(3.6%)】【聖教新聞(3.3%)】【スポーツニッポン(1.0%)】という結果に。
約2割の票を獲得してのトップは「地方紙」、首位に肉薄する2位は「新聞読まない」…ちなみに「その他」項目の得票率は11.9%と、4位の朝日新聞よりも上である。また、寄せられたコメントには「信用しているわけではないが、家で購読している新聞だから投票した」という内容も散見された。前述の大仰な発行部数と、媒体への信用度は、まったく比例していないと言ってしまっていい結果である。
ただ、このアンケートはNewsCafeユーザー…つまり"webからも積極的に情報を取り入れる人"を対象に実施されている。世代的には20~50代がメインターゲットであるため、調査媒体や対象年齢層が変われば、結果はまた変わってくるだろう。NHK放送文化研究所が発表した「2010年国民生活時間調査報告書」によると「60代、70代のみ新聞購読率が増加している」というデータもある。
しかしその点を踏まえても、この数字は興味深い。
[文・能井丸鴻]
《Newscafeアンケート》
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