コメンテーターといえば、元来は「ラジオ・テレビなどのニュース解説者」を指す。政治、経済、世界情勢、スポーツなど各分野の専門家が、一般人にはわかりづらい用語や時局を解説、注釈するのが仕事のはずだった。
しかし日本では1980年以降、報道番組とワイドショーの垣根が曖昧になっていく。結果、解説の専門性よりも"オチのきいた意見"が優先されるケースが多くなり、そもそものコメンテーターとは一線を画すポジションが発生した。
時事問題から芸能人のスキャンダルまで…とにかく何にでもコメントしなければならない立場は「節操がない」と言われがちだが、多分に機転が求められる難しい立ち位置であることは間違いない。
そんななか、NewsCafeでは「男性コメンテーターのなかで、アナタが最も共感できる方は?」というアンケートが実施されたようだ。ランキングとともに寄せられた声をご紹介しよう。
※回答総数…645件
【1位】マツコ・デラックス(31.9%)
■毒舌なところもあるが、なかなか鋭い発言したり、魅力のある人だから。[男性/10代/学生]
■媚びないから好き。良い悪いを損得抜きで言及できる人。[女性/50代/その他]
■まあオカマを男性コメンテーターと分類するのが合ってるのかはわかりませんが(笑)。[男性/20代/その他]
【2位】鳥越俊太郎(15.6%)
■この中なら鳥越さんかなぁ。癌を煩っても「これで癌になった人の気持ちがわかる」と考えれる人だからね。[男性/40代/会社員]
■真実を見極めようとする姿勢とその真実を伝えようとする努力が何となく昔から変わらない気がするから。[男性/40代/会社員]
【3位】宮崎哲弥(12.3%)
■説明が解りやすく、発言が的確でユーモアがある。[女性/40代/その他]
■情報が豊富で多角的な見方できる人! 他の人は皆胡散臭い。[男性/10代/会社員]
■評論家なら宮崎哲弥さん。最も尊敬してるのは青山繁晴さん(青山さんはコメンテーターではないが)。[男性/30代/会社員]
【4位】やくみつる(5.1%)
■知的なオタクなところがいい。森永さんはオタクの悪い見本みたいな発言が多いのであんまりそういう発言してほしくないなあ…。[男性/40代/会社員]
■この中ではまともと思う。コメンテーターなどという仕事自体要らない。[男性/40代/公務員]
■博識だから。[男性/40代/会社員]
【5位】森永卓郎(5.0%)
■一般庶民を一番理解しているオタクおじさん、好感持てます。[男性/50代/自営業]
そして6位以下は【八代英輝 3.5%)】【テリー伊藤(3.3%)】【大谷昭宏(3.1%)】【デーブ・スペクター(2.5%)】という結果に。
3割超の票を集めての圧倒的トップはマツコ・デラックス。「毒舌と言われているが正論が多い」「いつも発言が面白い」など、専門性でなく"多くの一般人に近い目線で面白くコメントするスキル"に評価が集まっている。
そして次いで票を集めたのは、実は「その他」項目。「保守派の重鎮、三宅久之先生ご逝去されたのが悔やまれます」「北野武さんだけ」「竹田圭吾…常に、冷静沈着に物事を捉えている。最近、激痩せが気がかり」など、選択肢に入りきらなかった名前を挙げるコメントもあったが、最も多かったのは"コメンテーターの括り"を疑問視する声だ。
「コメンテーター自体何なのか疑問…」「他人の事あれやこれや言ってるけど自分はそんなに偉いわけ?」「ワイドスクランブルの川村氏。真面目に正確にコメントする。選択肢に、テリーやマツコを入れているのは不愉快。芸人まがいとジャーナリストを同列に扱うのは間違い」などなど…。
確かに、この顔ぶれを同一ポジションと考えるのは些か無理がある。元来の"コメンテーター"と区別する、新しい呼称が必要なのかもしれない。
[文・能井丸鴻]
《Newscafeアンケート》
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