楽天球団「想定外」の千葉ファンから怒りの声 | NewsCafe

楽天球団「想定外」の千葉ファンから怒りの声

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2013年のプロ野球のチャンピオンを決める日本シリーズが始まった。今年は読売ジャイアンツと東北楽天イーグルス。楽天としては創立9年目として初めてのパリーグ制覇。そしてクライマックスシリーズ優勝で、日本シリーズに挑んでいる。楽天の監督は、星野仙一。選手および監督時代を通じてリーグ優勝はしているものの、日本一の経験はない。中日ファンの筆者としては、中日出身の星野が、今回の挑戦で初めての日本一になるかどうかも注目ポイントでもある。

日本シリーズの1、2線は楽天の本拠地・日本製紙クリネックススタジアム(Kスタ、仙台市)で行なわれた。仙台での対戦成績は一勝一敗。ゲームの内容はどちらが勝つかはわからない好ゲームを展開した。日本シリーズ初出場のため、固くなっても仕方がない場面でも、楽天の選手たちは、地元ファンの応援もあってか、いつもと変わらぬゲームができたのではないかと見ていて感じた。

ところで、仙台を本拠地とするチームは、実は楽天が初めてではない。1973~7年、ロッテオリオンズが本拠地としていた。Kスタは当時、宮城県営球場だった。そのため、宮城県には、ロッテファンもかなりいる。そのロッテが、クライマックスシリーズで、Kスタ入りをした。宮城県のプロ野球ファンは、どっちを応援していいか迷うくらいではなかったのだろうか。これぞ、「東北の底力」だ。

しかし、千葉ロッテファンを怒らせる出来事があった。レギュラーシーズン1位の楽天は、ファーストステージで勝ち上がった千葉ロッテと対戦することになった。クライマックスシリーズでは、レギュラーシーズンとは違った客入がある。そこで、ホーム側が有利に働くように、客入を"操作"できる。もちろん、これが楽天に限ったことではなく、どのチームも行なっている。

ただ、千葉ロッテ側のビジター席が極端に少なかった。もともと仙台の球場は観客動員数が他の球場と比べて少ない。しかし、ホーム側の席も満席状態となり、楽天のファンがビジター席を陣取った。ビジター席に楽天ファンがいることで、ジャンプをしながら応援するという通常の千葉ロッテのスタイルで観戦すると、「座りなさい。立っていると試合が見えない」などと、楽天ファンから怒られるという事態が起きたのだ。

私はある仙台在住の千葉ロッテファンからメールをもらい、この事態を知った。メールの主は、仙台での千葉ロッテ戦、またクライマックスシリーズや日本シリーズも千葉ロッテの試合はほとんど球場で観戦するほどの熱烈なファンだ。

(ビジター用の)ライトスタンドに着いて見るとびっくりしたのが、3分の2が楽天ユニフォームを着たファンで埋まっていたことです。クライマックスシリーズではほんの少しのスペースにビジター応援席という枠があって、通常の応援とは違い、迫力のないものになっていた。西武ドームの西武ファンとは大違いでした」

事実確認と、今後の姿勢について楽天に取材を申し込んだ。千葉ロッテファンからの問い合わせがあったことは認めているが、「詳細は文書で」というので、FAXで質問を送ったが、いまのところ回答はない。

楽天は初めての日本シリーズ進出だ。ただ、Kスタのキャパシティが限られている。収容人数は約2万3千人。震災の影響もあって、楽天が東北復興のシンボルの一つになっており、ある意味では、想定外のことが起きている。かといって、いきなり観客席を増やせない。クライマックスシリーズでのチケットの販売方法は苦渋の選択だったのだろう。しかし、東北には、昔からのロッテファンもいることを配慮すべきだった。

[ライター 渋井哲也/生きづらさを抱える若者、ネットコミュニケーション、自殺問題などを取材 有料メルマガ「悩み、もがき。それでも...」(http://magazine.livedoor.com/magazine/21)を配信中]
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