「外国人の方、ごめんなさい」。
ついこのように謝ってしまいたくなる自分の国の人間の恥ずかしい、許しがたい行動がある。
旅行先での各種マナーや差別発言など、日本・日本人の印象を悪くするような場面に直面すると悲しい気持ちになる。
そんな「国を代表して謝りたい気持ち」につい最近、イギリス人もかられたようだ。
大都市、ロンドンの地下鉄内でとあるイギリス人の男が酔っていたのか、暴れ始めた。事件はここから始まった。
この男、斜め向かいに座っていた女性が日本人だとわかると指さししながらいきなり大声で怒鳴りちらしはじめたのだ。
「おい、そこの日本人!この意地汚いやつらめ!ほんと、卑劣なやつら。お前ら日本人は戦争で俺のおじさんを殺したんだぞ!!」
52歳のこの男の年齢からして第二次世界大戦期のことだろう。
「おじさんはなぁ、タイのクウェー川で死んだんだよ!」
大戦中、日本人兵士の捕虜となったのか、それとも応戦して戦死したのだろう。
確かに当時はお互いが敵同士。世界中で尊い命が奪われていた。
しかしそのことを酒に酔った状態で訴えられても説得力がない。なによりこの日本人女性は何もしていないではないか。
周囲の「あんなの無視してりゃいいよ」という無言や視線の慰め・フォローもむなしく、この男の的外れな怒りは止まらない。
「悪いやつらだ。お前降りろよ!ついでにこの国からも出て行けよ!!」
ここで「悪いってなに?私何もしてないし、悪くもないけど?」と女性が男に反論するも
「降りろよ!サヨナラ!サヨナラ」
と最後はご丁寧にも日本語で悪態をつくではないか。
男の日本人罵倒は約6分間続いたという。
この地下鉄車内での一部始終は他の乗客にビデオ撮影され、結果、公然での迷惑行為だとして逮捕された。
ネット上では日本人罵倒事件の情報が広まるや否や、
「日本人のみなさん、ごめんなさい」
「イギリス人がみんなこんなヤツの意見と一緒だと思われたくない」
など、この日本人女性、ひいては日本に気遣うコメントが多く寄せられた。
一方で
「この男本当にイギリス人なのかな?」
「イギリス人っぽいってことではなくて?信じたくない・・・」
など、この男が自分の国の人間だと思いたくない、というコメントも寄せられた。
そう、あまりに恥ずかしいので信じたくないし、認めたくないのだ。
ここで「ああ、なんて日本人って世界中から愛されてるんだろう!」と感動に浸っている場合ではない。
いつ、どこで「日本人に品性」が問われるかわからない。基本的なマナーから最近頻発しているヘイトスピーチに至るまで、世界中からしっかり見られていることを忘れてはならない。
ちなみにこの男、「ドイツ人も同じく最低だ」と罵っていたという。日本とドイツ、常にヒールのセットで語られるのもいつまで続くのだろうか。
【執筆者:猫紫】
参照:Daily Mail
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2471800/Drunk-racist-filmed-abusing-Japanese-passenger-Underground.html
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