頑張れコージ | NewsCafe

頑張れコージ

スポーツ ニュース
それにしても不甲斐ない日本代表だ。ここまで3試合行い、2勝1敗。勝ち越しているものの初戦オーストラリア戦は相川の逆転3ランで辛うじて勝利。しかも7回まで1安打。2戦目はオーストラリア2線級を打ち込み大勝したが先発エースの1人前田健が一発を浴びた。3戦目の阪神戦は完封負け。大丈夫なのか日本代表。

ともかくひどいのは打線だ。特に4番阿部を筆頭とした巨人勢の不振。阪神戦では1番坂本、5番長野も含め、ノーヒット。中でも、阿部は変化球に体勢を崩されるなどの中途半端なスイングが続き、3打数無安打と元気がない。豪州戦も含めると3試合で計10打数1安打。主将で捕手という重圧がのしかかる立場からか、本来の豪快なスイングは影を潜めている。「全然駄目」とのコメントからも深刻さがうかがえる。前回のイチローがそうであったように、頑張らねばと思うと重圧に押しつぶされる。このチームの主砲であると同時に、日本の勝利の最大の武器とも言える投手陣のリードの要。これでは重圧につぶされる。捕手を相川に任せ、阿部は1塁で楽にさせたほうがいい。主軸も3番内川は決まりだが、4番を任せられる大砲が阿部以外は見当たらない。1点を争う接戦が予想されるので4番はむしろ勝負強い井端か稲葉がいいのではないか。阿部は5番で伸び伸び打たせたい。1、2番はスモールベースボールの要。足のある糸井、本多がいいのではないか。坂本は6番の方が調子が出る。ともかくスモールベースボールの布陣を引くことだ。

投手は田中、前田の先発が不安。田中は投げ込み不足か。コントロールの精度が上がらないと苦しい。前田は怪我の影響か。この分だと能見、内海を先発の柱にした方がいいだろう。この二人の縦の変化球は外人には有効だ。後ろは杉内、牧田で完璧。牧田のアンダースローは外国人には不慣れで効果的。強化試合でも実績を出している。さらにキレの良い直球と遅い変化球、ときおり見せるクイックは相手のタイミングを狂わすスーパーサブマリンだ。杉内は前季後半怪我で戦線を離脱したが復調した。スライダー、カーブ、チェンジアップなど色とりどりの球種を使い分ける投球は安定感抜群。WBC3回目の登板も心強い。後は中継ぎだ。中継ぎといっても投球制限があるので準先発といえる。森福、大隣、山口の左腕陣。摂津、澤村、涌井、今村の右腕。前回に引けをとらない中継ぎ陣だ。特にサイドスローの森福には期待が大きい。

いずれにしても短期決戦。相手の情報も不十分な中での対戦となる。日本の勝利は少ないチャンスをものにして得点。投手陣が守りきる戦法だろう。そのためには監督の機敏な采配が求められる。人のいい山本監督はこれまでのところ、その辺の臨機応変さが見られない。そうなると投手部門で山本監督を支える与田投手コーチ、橋上戦略コーチの役割は重要になる。迷わず大胆な采配が取れるか。選手は短期決戦で国を代表する試合となれば、普段の力が出せない。それは前回のイチローで証明済み。過去の実績にとらわれず、調子のいい選手を大胆に起用できるかがポイント。すべては山本監督の胆力にかかっていると言っても過言ではない。


[ビハインド・ザ・ゲーム/スポーツライター・鳴門怜央]
《NewsCafeコラム》
page top