今年の男子ゴルフの最終世界ランキングが16日発表された。藤田寛之は43位に入り、最終ランク50位以内に与えられる来年4月マスターズ・トーナメントの出場資格を満たした。正式には主催者からの招待状待ちだが、予選落ちした昨年以来2度目の出場となる。石川遼は75位。マスターズの前週に発表されるランク50位に入るか、本格参戦する米ツアーでの優勝を目指すことになる。
国内男子ツアー今季最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」最終日。藤田は初日に大会レコードに並ぶ61。3日目までに後続に6打差をつける独走。最終日大差からのスタートにも「自分が守りに入って自滅するパターンもある」と慎重にプレイ。それでも6番で4メートルのスライスラインを沈めて連続バーディ。9番で右から大きなフックラインがカップに沈めガッツポーズ。前半のうちに3つスコアを伸ばし勝負を決めた。18番、難関のパー3を1オン、2パットのパーで上がり、2位に5打差の優勝。大会初の3連覇と年間賞金王を確定させた。そしてオーガスタへの切符を手中にした。この大会で3年連続の優勝争いになった賞金ランク2位の谷口徹。「あそこまでゴルフに熱心な選手はいない。今日も隙がなかった。今日もどんなに良いゴルフをしても、藤田には追いつけなかったと思う」と脱帽した。
藤田は今年43歳。この年齢での初の賞金王は飯合肇の39歳の記録を更新。ちなみに最年長賞金王は98年の尾崎将司で51歳。専大を卒業後、92年にプロ転向。97年、28歳で「サントリーオープン」で初優勝を飾る。これも遅咲きで、既に学生時代の同期丸山茂樹や1年先輩の伊澤利光は黄金時代。藤田には「雲の上、手の届かない存在」だった。年間1回は優勝があるかないかの状態が続くが、01年からは11年連続で年間獲得賞金が5000万円を超える。賞金ランクも11年連続で20位以内という安定した成績を残した。しかも年齢を重ねるごとに成績が向上。40歳の09年に自身初の年間2勝。10年には賞金王レースに加わり、日本シリーズで優勝。賞金ランクも2位だった。そして今年4勝をあげ賞金王に輝いた。
「頑固。スイングも性格も軸がぶれない。自分の信念、ビジョンが明確にある。昔も今も何も変わらない。結果が出ているか、出ていなかったかだけの違い」と兄弟子にあたる宮本勝昌は語る。トレーニングにも励みドライバーショットは平均飛距離が280ヤードと年々伸びている。今年4月、メジャー初戦のマスターズ。初日は2アンダー14位タイと好スタートだったが、2日目はノーバーディと振るわず、トータル5オーバーで予選通過はならなかった。「ショットが悪く修正がきかなった。曲げたくないという気持ちが出るとそうなってしまう。パターも悪かったし、いいところにもつけれなかった。3連続ボギーで自分のスイングが全く分からなくなった…」と自分のプレーに困惑した。それでも「ここに来るのが夢過ぎて現実的ではなかったが、経験できたことが自分にとってプラスになった」とリベンジを控えめに誓った。その後の全米オープンでは日本人で唯一の予選通過を果たし、そして今回マスターズの切符を手にした。前回1日はアンダーで回った自信は大きいだろう。2度目の挑戦への秘策を練る藤田だが、どんな活躍を見せるだろうか。
[ビハインド・ザ・ゲーム/スポーツライター・鳴門怜央]
《NewsCafeコラム》
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