いわゆる"痴漢行為"に対して、実は「痴漢罪」のような具体的定義は法的に存在しない。というのも、ひと口に痴漢と言っても、列車内の犯罪だけを指してはいないからだ。路上ですれ違いざまに触る、わいせつな言葉を投げかける、暗い夜道で露出するなど、様々なケースが含まれる。そのため、適用される処罰も実に多岐にわたっているのだ。
例を挙げれば、地方公共団体ごとの迷惑防止条例、刑法第176条(強制わいせつ罪)、わいせつ物頒布罪、公然わいせつ罪…場合によっては鉄道事業者への威力業務妨害なども含まれるため、単純に統計を取ることさえ難しい。
しかし、迷惑防止条例による卑わい行為にあたる件数だけで1995件にも上っていることからも、日本での"痴漢行為"の多さはうかがえる(2011年警視庁調べ。盗撮などもこれに含まれる)。
さらに近年では痴漢冤罪が問題になるケースも非常に多く、後ろ暗いところのない男性ですら疑われないようなアピールが必要になる始末だ。この現状からも"痴漢行為"が、女性のみならず無実の男性の人権をも軽視した凶悪な犯罪であることは間違いがない。
そこでNewsCafeのアリナシコーナーでも「痴漢に遭った経験の有無」の調査を実施した。結果とともにさまざまな意見をご紹介しよう。
【アリ…55%】
■高校生の時はほぼ毎日!! 何で日本男性はロリコンなんだ!!
■電車では何度か。最近は本屋にもいる。
■ホンットに腹立たしい! この年になればさすがになくなったけど。
■すべての痴漢は不幸になればいい。
■昔の埼京線はヒドカッタけど今は減ったの? 電車キライになったわ。
■抵抗出来なかった…されるがまま。
■すれ違うオヤジに尻触られた。チャリの男にすれ違いに胸つかまれた。
■小学校の頃から。ホント痴漢はGPSつけて隔離すればいいよ。
■アリ。露出狂でした。初めてアンナモノ見せられてショックでした。
■捕まえたらよかった(怒)。
【ナシ…45%】
■田舎はチャリ通学か自動車通勤。満員電車の体験ほぼ0%。
■男なので。やっぱり電車は男、女、カップル専用にするべきでは?
■痴漢に遭う交通機関は使わない。セクハラはなんぼでもある。
■ホモに盗撮されたことならある。
■露出狂にはあったことがある。
■あったようななかったような…確信できなくて気のせいにした。
■痴女あり。凄い美人だった。
■痴漢する人って大人しそうな人を選んでるような気がします。
■痴漢を捕まえた経験ならある。
■した事もされた事もないが人間として最低ですよ。
結果は【アリ派】がやや優勢の55%となった。しかし【ナシ派】には「盗撮されたことはある」「露出狂に遭ったことはある」というコメントも届いている。前述の通り、これらも広義の"痴漢行為"に含まれること、さらには投票してくれたユーザーの男女比なども考慮すると「痴漢に遭ったことのある女性の数」に限れば、数字の印象をかなり上回ることになるのだろう。
「痴漢されているなら周りの人に助けを求めればいい」というコメントも寄せられたが、事態に直面すると声が出ない、また自分の胸や尻が露出した状態を他人の目にさらす屈辱から泣き寝入るなどの例も多いという。さらに言えば、同一被害者が同一犯人に連続して狙われるような事案以外の"痴漢行為"は、現行犯でなければ容疑者を特定しづらい。
考慮すべき動機もなく、ひたすら自己中心的な犯罪…それが"痴漢行為"。社会から消えることを祈るのみだ。
[文・能井丸鴻]
[写・BombardeMaxima]
《NewsCafeアリナシ》
page top
