先の10月2日、プロ野球、日本ハムがパ・リーグ優勝を果たした。試合終了後、栗山英樹監督と選手たちは記者会見を終えた後、札幌ドーム地下2階の特設会場で祝勝会に臨み、待望のビールかけを堪能した。混戦をくぐり抜けてつかみ取ったリーグ制覇の喜びを爆発させ、勝利の美酒に酔いしれた。選手たちは優勝に備えてあつらえた「2012チャンピンズ」とプリントされたグレーのTシャツ姿で登場。鶴岡慎也選手会長が「いろんな人に感謝して朝まで楽しもう」と乾杯の音頭をとり、約1500本のビールを頭からかけ合った。稲葉篤紀外野手は「こんなに幸運続きのシーズンはないでしょ。最高です」と喜んだ。稲葉は今年のシーズン中の4月に打者の勲章とも言える記録、2000本安打達成も併せて喜んだ。昨年のドラフト4位ルーキーの近藤はまだ未成年、19歳のためビールかけに参加できず、コーラを手に会場の外に設置されたモニター画面をうらやましそうに見つめていた。
毎度お馴染みの光景だが、一晩のうちに1500本あまりのビールをかけて、"浪費"してしまうビールかけに疑問を感じる人は少なくない。NewsCafeのアリナシコーナーでは「祝勝会でビールかけ。これってアリ?」という調査を実施。結果と共にさまざまな意見をご紹介しよう。
【アリ…48%】
■いいのでは?めでたいんだし、盛り上がっちゃえ!
■もったいないとは思うけど、1年に1度くらい頑張ったご褒美でいいかな。
■何も考えないで自分もやってみたい。ゴーグルをつけてね。
■自分たちのお金でやってるんだからいいでしょう。当然だよ。
■それくらい楽しんで見てやってもいい。ビールかけは見ている方も楽しいよ。
■せっかくの祝勝会なのにケチってどうする。存分にやればいい。
■巨人以外ならアリだけど。
【ナシ…52%】
■もったいない。水でいいじゃない。
■あのばか騒ぎを冷めた目で見てしまう。
■ビールは飲むもので、かけるものではありません。もったいない。
■基本的に「食べ物で遊ぶな」と思うので。
■ビールは飲み物だから!!
■ファンじゃないチームの祝勝ビールかけはしらけますね。
■ビールかけ専用のビールを作ればいいのに。
■シャンパンの代用品だけど色々と問題があるね。完全武装してまでやる必要があるかなあ?
【ナシ派】が過半数をわずかに上回る結果になった。より多くの票を集めた【ナシ派】には、「もったいない」、「ビールは飲むもの」という手厳しい意見が寄せられた。そのほかには、「ビールかけ専用ビールをつくればいいのに」、「シャンパンの代用品だけどさまざま問題があるのでは?」という声も見られた。そもそも野球の優勝を祝うビールかけはいつごろ、どのように始まったのだろうか。いろいろ説があるが、日本では1960年前後の南海ホークス(現ソフトバンクホークス)が、初めて優勝決定後にビールかけを実施したといわれる。アメリカのマイナーリーグでプレーした経験もあった、当時の選手がアメリカの「シャンパンファイト」の風習を知っていて、いきなり祝賀会で近くに居た選手の頭からビールをかけたというものだ。一瞬、周囲の選手たちはあっけにとられたがすぐに、「面白そうだ」とその場にいたほかの選手もあっという間にマネをし始めたという。さらに、いろいろと問題がある、という指摘についてもその時に参加した野村克也が後に、旅館の畳の上でいきなりやってしまい、旅館から猛烈にクレームを受けた事を明かしている。これは会場が畳部屋で、祝勝会の終了後は部屋が使用できなくなってしまったためであり、球団に対しても旅館から厳重な抗議申し入れがあったというから穏やかではない。一方、【アリ派】の中には、「年に1度くらい許してもいい」、「自分もゴーグルをかけて楽しみたい」という回答があった。優勝祝勝会に取材に行くアナウンサーは、男女を問わず、ビールをかけられるのを覚悟して、実際、全員がゴーグルのほかに着替えまで持参して向かうというから、取材する側も大変だ。
プロ野球選手たちは本当に体を休められるオフシーズンは極めて短い。また、休暇を取れる間にも自ら自主トレに励む選手もいる。念願の優勝を果たした1夜くらいは多めに見てあげてもいいのかもしれない。
[文・羽生弘]
《NewsCafeアリナシ》
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