「女子校育ち」(ちくまプリマー新書・辛酸なめ子)という本が、一時期話題になりました。
「男性への接し方が不器用」「サバサバしている」など、女子校出身者に共通する特徴をつづった快著ですが、男子校出身者にもほぼ同様のことが言えます。
最近では私の周囲でも子どもの受験の話が盛り上がるようになりましたが、「男子校・女子校に通わせるのか共学校に通わせるのか」はやはり議論の的です。
個人的には共学がオススメ。僕自身が男子校出身でさえない青春時代を送ったからというわけではなく、やはり早くからいろんな人に接しておくのは大事だろうと考えるからです。
前回の記事「恋愛観がゆがみがちな職業」でも、近著「特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ」(クロスメディア・パブリッシング)でもお伝えしたとおり、健康なコミュニケーションの基本は、他者との交流の「場数」であり「多様性」にあります。
実際の社会が単性だけで構成されているならいざ知らず、そうでないのであれば、早くから異性がいる場に身を置くべき。
逆に限定的な環境(たとえば女子校)に身を置くと、彼女にとっての男性は「父」だけ、というようなことになりかねません(冗談ではなく)。これは、よい父親であろうと、問題のある父親だろうと、どちらにしても悪い影響が出ます。これが母子家庭であればなおさらで、「男=いまここにいないあの人」という意識が根付いてしまうのは、彼女にとってとても残念なことです。
接する異性のサンプルはなるべく多くあるべき。女子校・男子校に育った人間は、どこかのタイミングでそれをリカバーしなくてはいけません。ある人は貪欲に大学デビューを飾り、ある人は2次元の世界で補填。またある人はうっかりそのままオトナになり、不器用なコミュニケーションを繰り返して傷つきます。
思春期になるべく多くの異性と接しておけばのちのちのコミュニケーションが有利になるのは自明の理。将来自分の娘・息子が、恋愛(=他者との関わり)で苦労しないためには、共学のほうが無難な選択と言えるでしょう。
[ライター 五百田達成/「恋と仕事のキャリアカフェ」主宰、オトナ女子の恋愛・結婚・仕事の悩み相談を受ける恋愛カウンセラー。TBSバラエティ番組「私の何がイケないの?」にも出演。詳細はオフィシャルブログ(http://ameblo.jp/iota-s/)まで]
[photo by:ginnerobot]
《NewsCafeコラム》
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