恋愛離れが加速する現代。多くの若い男女が「恋愛はめんどう」「恋愛よりも楽しいことがたくさんある」とうそぶきます。
いっぽうで「あまり恋愛経験がないから、こういうときどうすればいいか分からない」というような相談も「恋と仕事のキャリアカフェ」には多く寄せられます。
恋愛経験はしておくべきなのでしょうか? それとも別に、したくないならしなくてもいいのでしょうか?
若いうちに恋愛経験をしておくべき本当の意味は、なにも駆け引きのテクニックを覚えるとか、流行りのお店をスマートに予約できるようになるとか、そういうことではありません。
人生の早い段階で恋愛から学んでおきたい最も大事なこと、それは「人生はままならない」という実感。
人の気持ちは、変えられない。世の中にはどれだけがんばっても、手に入らないものがある。一生懸命努力しても、うまくいかないときはうまくいかない・・・。
そうした限界を肌身で分かっておく。「がんばったら、大抵のことはどうにかなる」と勘違いしない。「どうやら、人生とはままならないもののようだ」とあきらめる。
それが恋愛経験の本当の意義です。
実際、受験勉強や仕事においてつねに結果を出してきた人が、いざ人の気持ちを目の前にしたとき、思い通りにならないので茫然としてしまうケースはよくあります。
それまでうまくいっていた成功パターン(努力、我慢、人脈、情報・・・)がことごとく失敗し、どうしても相手の気持ちが自分に向かないとき、そういう人はパニックに陥ってしまいます。
「はしか」同様、大人になってからの恋の病はダメージが大きいので、なるべく早くに済ませておきたいものですね。
では、それほど傷つかずに大人になってしまったなら、どうすればいいのでしょう? 近道はありません。ままならない経験をひとつひとつ積み、涙を流し、ショックを受け、怒り、そうやって次第に人生と折り合いをつけられるようになるしかないのです。
これは妥協でもなんでもありません。むしろ、「人の心」というきわめて神聖なものを前に、謙虚な気持ちを取り戻す儀式といえます。
とはいえ、無理にしようとしてもできないのが恋愛。まずは人に関心を向け、人と関わることに慣れていくところから始めましょう。みなさんの健闘を祈ってます!
[ライター 五百田達成/「恋と仕事のキャリアカフェ」主宰、オトナ女子の恋愛・結婚・仕事の悩み相談を受ける恋愛カウンセラー。TBSバラエティ番組「私の何がイケないの?」にも出演。詳細はオフィシャルブログ(http://ameblo.jp/iota-s/)まで]
[photo by:dancing+bambi]
《NewsCafeコラム》
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