一旦は出場を表明しながらも最終的に南米選手権への参加を辞退することになったサッカー日本代表。海外組15人の招集を条件に日本サッカー協会の原技術員長を中心に欧州クラブと交渉を行ってきたが協会が望む人数の収集は不可能と判断し今回の決断にいたった。
なぜここまで二転三転してしまったのか?まずは最初の流れから確認したい。
●震災によるJリーグ日程変更の影響で日本協会が辞退を申し入れる⇒南米連盟から再考をうながされる(選手招集にむけ南米連盟がバックアップを約束と報道される)
●これを受け海外組15人召集を条件に日本協会が参加を表明する
●南米連盟はFIFAに特例を求めるがFIFAはこれを認めず
●原技術委員長が欧州の各所属クラブと協議するも交渉は決裂。海外組15人の招集が不可能となり参加を辞退
結果的に多数の日本人選手が所属するドイツ各クラブとの交渉は全滅。好感触を示していたのは本田と森本の2人だけだった。そもそも今回の南米選手権は日本は招待国の立場。協会による選手の拘束力はなく仮に震災が起きていなくても欧州組召集はほぼ不可能だったように思われる。今や香川、長友を初めとする欧州に所属する日本人選手はチームでも中心選手が多い。7月はシーズン開幕前の大事な時期だけにクラブとしても手放したくないのが本音だろう。
南米連盟が約束したとされるバックアップも正直なところどこまで働きかけたか不透明だ。FIFAブラッター会長としても6月1日に会長選を控えるだけに南米連盟からの特例を許しては選挙に思わぬ影響がでることもありえる。我々の見えないところで様々な動きがあったのかも知れない。
残念だったのはJリーグの各クラブが参戦に消極的だったこと。もちろんJリーグを甘く見ているわけではなく各クラブの事情はあるが最初から「主力はダメ。各チームから1人」ではザッケローニ監督が望むチーム作りは困難だ。日本がこんな時だからこそ是が非でも参戦してほしかったのが正直な気持ちだ。
9月にブラジルW杯アジア3次予選を控える日本代表にとって3月の2試合、そして今回の南米選手権と一気に5試合を失ってしまった。代表チームはただでさえ集まる期間が短い。この5試合分は今後のチーム強化に大きな影響を与えることは必至だ。
《NewsCafeコラム》
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