東京大地震研究所の調査によって、東日本大震災の津波が高さ37.9メートルまで駆け上っていたことが判明した。観測されたのは岩手県宮古市の田老地区。これは、1896年の明治三陸地震の記録に迫る高さだという。
明治三陸地震は、1896年(明治29年)6月15日、午後7時32分30秒に発生。地震調査研究推進本部の資料によれば、揺れはそれほど大きくはなく、最大でも震度4程度であったという。
記録によれば、国内最大の津波が襲ったのは岩手県三陸町綾里で、高さは38.2メートル。記録に残らなかった地域では50メートルに達した可能性を指摘する人もいる。
岩手県宮古市の田老地区では、平成15年3月3日に「津波防災の町」を宣言。"万里の長城"と呼ばれる高さ10メートル、総延長約2400メートルに渡る防潮堤のほか、日ごろから津波による防災教育にも取り組んでいたという。しかし今回の津波はそれを超え、町に被害をもたらした。
東日本大震災の死者・行方不明者は4月4日時点で合わせて2万7653人。明治三陸地震の死者・行方不明者が計2万1959人であることを考えても、今回の被害が桁外れであったことが伺われる。一体誰が、今回の地震被害を予測できただろうか。
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